サザエさんの判らない落ち(47)
カツオ君が、ノリスケさんに巧妙に仕掛けた賭けでした。
朝日文庫版43巻〔141頁〕・昭和47年
『ノリスケさんとカツオ君が、住宅街を仲良く歩いています。すると、カツオ君が「ぼくのとくぎなんだ」と言うと、「まいどおなじみィ~~チリ紙のこうかん」と大きく口を開け叫びました。マスオさんは、楽しそうにカツオ君を見ています』
『カツオくんの叫び声で、近くの家の裏木戸が開き、太った奥さんが、分厚く束ねた古新聞紙を、汗をかきかき、両手に持って現われ、古紙回収の業者ではない、カツオ君とノリスケさんを見て、「ひとさわがせはよしてよ」と怒っています』
『レストランの中で、ノリスケさんとカツオ君は、ノリスケさんのオゴリの洋食を、ナイフとフォークを使って食べています。洋食を食べながら、ノリスケさんは、「オゴルオゴル!たいしたもんだ」とカツオ君褒めると、カツオ君は満足そうな笑顔で、モグモグと食べています』
場面は、全く変わります。
『先ほどの太った奥さんが、小さな赤ん坊をオンブ紐で、カツオ君に背負わせています。奥さんは、カツオ君に、「あれでよかったの じゃ おもりたのむネ」と確かめると、カツオ君は、「持ちつ持たれつですョ」と答えています』
落ちが、よくわかりません。
カツオ君は、ノリスケさんには、次のように洋食を奢ってくれと持ち賭けたと思います。
カツオくん:
「ノリスケおじさん!じつわね、僕、チリ紙交換のオッチャンのものまねが得意なんだよ。
ボクが、
「まいどおなじみィ~~チリ紙のこうかん」
と叫ぶと、それを聞いたオバちゃん達が古新聞を持って家から出てくるんだ」
ノリスケさんは、カツオ君がそんな特技を持っているとは、にわかに信じられなかったでしょう。
だから、ノリスケサンは、
「嘘だろう、信じられないよ、恥かしがり屋の君がそんなことができるなんて!もし、君がやって見せくれて、本当だったら、高級なレストランで洋食を奢るよ」
と、乗ってしまったのでしょう。
実行すると、カツオ君は、大きな声で「チリ紙交換」と叫び、古新聞を持った奥さんが、飛び出してきたのです。
この賭けを実行して、カツオ君の特技が本当であることが明らかになり、賭けに負けたノリスケさんは、レストランでカツオ君に洋食を奢ったのです。
と言うことで、この話は終わりの筈です。
しかし、どうなっているんでしょう。
この先に、落ちがあります。
しかも、カツオ君の声に騙されて、慌てて出てきた太った奥さんが、カツオ君に赤ん坊のお守を頼んでいます。
奥さんは、カツオ君に貸を作ったのでしょうか?
奥さんは、カツオ君に騙された振りをすると予め約束をして、カツオ君が
「まいどおなじみィ~~チリ紙のこうかん」
と叫んだ直後に古新聞紙を両手に提げて家を飛び出したのでしょう。
その結果、カツオ君は、ノリスケさんとの賭けに勝ち、洋食を食べることができました。
カツオ君は、恐らく、奥さんに、次のように頼んだのでしょう。
その奥さんは、サザエさんと仲の良いオバちゃんだったので気軽に、
「僕のオジサンは、けちん坊なんだ、僕が仲良くしてあげているのに、何にもしてくれない。だから、懲らしめのため、洋食を奢って貰いたいので、オバちゃん協力してください」
と言うことで、
カツオ君が、チリ紙交換と叫んだのも、奥さんが古新聞を持って飛び出してきたのも、皆、カツオ君とオバちゃんが、仕組んでいたのでしょう。
「おばちゃん!上手くいったら、赤ん坊のお守をして、お礼はするよ」
と言うことになっていたと思います。
そんなことは知らないノリスケさんは、見事に騙されました。
と言うことが、この話しの落ちでしょう。