わたしたちの細胞のなかには、外部から入ってきたバクテリアがいます。
細胞内で酸素を使って、エネルギーを生み出すミトコンドリアがそれです。
実は、ミトコンドリアはもともと細胞内にあったものではなく、地球に初めて現れた原核生物が細胞核を持つ真核生物に進化する過程でバクテリアを体内に取り込んだものだと考えられています。
ミトコンドリアの大きさはバクテリアとほぼ同じで、細胞本体とは別のDNAを持っています。そのDNAも輪の形をしており、これもまたバクテリアとの共通点となっています。
一説によると、
宿主である細胞は入ってきたバクテリアの遺伝子をほとんど奪い、ミトコンドリアに変えてしまった。
さらに
ミトコンドリアは母親のものしか子孫に受け継がれない。
これもミトコンドリアが新たな遺伝子を持って繁栄するのを防いでいるため、といわれている。
いうなれば、ミトコンドリアは
生物の細胞のなかで共生するエイリアンなのである。
そして、生物の細胞は、ミトコンドリアのDNAのコピーを押さえつけ、その機能のみを利用しているのである。