ベルトの穴 | むーのブログ

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 約一年前、地元市内のマラソン大会のハーフマラソンを走っている最中、5キロを超えた時点で左ひざに突如激痛が走った。何とか完走はしたものの、最後は痛みを堪えてのゴールだった。

 その後はジョギングするたびに5キロを超えると必ず痛み出した。整形外科で診察を受け、リハビリに励んでいたが、経過はいまいち芳しくなかった。

 そのうちクリニックに足を運ばなくなり、そこで新型コロナウイルスの感染が拡大して、仕事は専ら在宅勤務となった。外出も制限され、そうなると全く走らなくなり、御多分に漏れずコロナ太りで体重も増えていった。緊急事態宣言が解除されても、もう体重は戻らなくなり、このまま一生走れなくなるのか、と悶々とした日々が続いた。ズボンのベルトの差し込む穴がだんだん外側にズレていくのが何とも悲しかった。

 きっかけは、その頃知り合い、友人となった人との出会いだった。その人は毎日必ず7~10キロを走っている。その頑張りに再び自分の内に秘めていた闘志を駆り立てられる。自分のためだけに走るのはモチベーションを保つのが難しいが、身近に頑張っている人がいると、それは大変励みになる。

 走れなくなったのは足の痛みが原因なのではなく、全ては心の内の問題だった。

本格的な治療に取り組んでからは、とても熱心に診てくれる理学療法士さんとの出会いに恵まれ、痛みの原因もわかり、みっちりと治療にあたった。痛みの予防にはストレッチはとても有効だった。3キロから再開したジョギングは徐々に距離を延ばしていき、5キロを超えてもついに痛むこともなく走れた時の喜びは格別だった。今は10キロ走っても全く痛みはない。ただし、完治したかどうかは何とも言えず、痛みの再発の不安はこれからも付きまとう。なので以前は走る前も走った後もストレッチは全くしていなかったが、今度のことで入念に取り組むようになった。

 やはり体を動かすと、とても気持ちが前向きになれる。コロナで鬱々としていた気持ちもなくなった。走れなくなった経験があったからこそ、今は走れる楽しさを存分に味わっている。何よりも体重を元に戻せたのが一番嬉しい。もちろんベルトの穴の位置も。