尖石縄文考古館 「仮面の女神」 | 花月のきり絵と日々思うこと

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「縄文のビーナス」に続いて「仮面の女神」のご紹介です。



手前が「縄文のビーナス」奥が「仮面の女神」です。







出土状況がわかりやすく展示されています。

「仮面の女神」が見つかった墓穴の周囲から8点の浅鉢形土器が見つかっています。



これらの浅鉢形土器によって「仮面の女神」の製作時期や、縄文時代後期の埋葬方法を知ることができました。

鉢被葬(はちかぶせそう)は、亡くなった人の顔の部分に鉢を被せる埋葬方法です。

埋葬の為だけに作られたのかは定かではなく、縄文時代後期の精製土器は、儀礼用や盛り付け用、お供え用とかの器説があります。






逆三角形の仮面をつけ、神に代わってマツリをする女性を表現したと考えられています。



中が空洞で表面はよく磨かれています。

右足が壊れて出土し、縄文人が意図的に壊したものと考えられていて、墓穴から出土した数少ない土偶の一つだそうです。



首の部分がVの字に開いていて、Vネックのような衣服のように見えます。



針のようなもので細かく描かれた文様は、まるで刺青のようにも見えます。

刺青については、「魏志倭人伝」に記載があること、さらに縄文時代の土偶等に鯨面(げいめん:刺青のある顔)と思われるものがあることから、仮面の女神にも刺青を表現したと思われたそうです。



首の穴は焼く際の空気抜きの穴、または首の穴に紐を通して吊るした際の穴とも考えられています。



首の穴は単に文様としての意味合いが込められていることも考えられるそうです。




「仮面の女神」は女性なのか?男性なのか?

土偶のほとんどは女性を表しているそうですが、中には男性かもしれない表現の土偶もあります。

「仮面の女神」は女性だそうです。

下半身の表現と、CT画像から妊娠した女性を表すためにお腹部分に粘土を付け足したことがわかりました。



縄文時代後期(約4,000年前)に作られた「仮面の女神」は、粘土紐を輪にして積み上げて作る輪積み法を用いて、全体を中空構造にしてあります。

内部が中空になることから空気膨張や、熱がうまく伝わると考えられています。

「縄文のビーナス」同様、高さ34cm、総重量2.76kgの立像を中空構造で製作するには卓越した技術が必要だそうです。




足から順に積み上げていくそうです👆




「仮面の女神」が作られた縄文時代後期は、気候の寒冷化に伴い、集落や人口が減少し、地域内の集落の結びつきを強める必要が生じたと想定されます。

そのために、より厳格な儀礼行為を行う上で欠かせないものとして、仮面を被ることで人間ではない別の存在、威圧感のある「仮面の女神」が作られたのでしょうね。

神に代わってマツリをするためだと思われます。


想像するに、きっと仮面の下には優しい顔をしたお母さんのような女性ではないでしょうかね。





2つの国宝の土偶を紹介しました。

尖石縄文考古館には、テーマ別に3つの展示室があります。


信州の特色ある縄文土器もたくさん展示されています。





まだまだ沢山あります。


興味のある方、長野に行かれたら、是非 尖石縄文考古館へも土偶や土器に会いに行ってみてくださいね。


長野 信州と言えば

蕎麦ですよね〜


考古館をじっくり見てまわったので、遅いランチになりました。

美味しいお蕎麦は次回のブログにしますね。