「決定的な全滅」② イザヤ書28章14節から22節モトイ・トクメイさん

　2024.12.28

:18 あなたがたの死との契約は解消され、よみとの同盟は成り立たない。にわか水があふれ、越えて来ると、あなたがたはそれに踏みにじられる。

:19 それは押し寄せるたびに、あなたがたを捕らえる。それは朝ごとに押し寄せる。昼も夜も。この啓示を悟らせることは全く恐ろしい。

（イザヤ書28章18節から19節）

ｰ続きｰ

そういう意味で、このイザヤの時代に成就しつつある聖書箇所ですが、終末時代には反キリストという人物が登場して、成就します。そのときに有名なダニエル書9章27節の七年の契約を結ぶのですが、この七年の契約はダニエル書9章27節の言葉でいうと、イスラエルと諸国の間を七年の、すなわち一週の堅い契約で結ぶという説明がされています。

彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現れる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」（ダニエル書9章27節）

そして、おそらくこの七年の堅い契約の契約内容のひとつに、いまはエルサレムにはない神殿、「第三神殿」と呼ばれる神殿を建築してもよいというような国際的な合意も含まれているものと思われます。

そしてイスラエルの政治家たち、国民の大部分はそれを喜ぶのですね。「やった！私たちにはこの契約がある。これによって守られる。これによって、また神殿が造れる。私たちには本物の神がある」というふうに、「私たちは大丈夫だ」とうそぶくのです。

それを、「私たちには死との契約がある。私たちにはよみとの同盟がある」というふうに彼らの言葉をもじって揶揄（やゆ）しているという預言になります。長いので、まず14節から15節を読んで解説し、16節から19節、そして20節から22節と三つに分けて解説したいと思います。

ーイザヤ書28章14節から15節ー

まず14節から15節です。さきほども言ったように、「死との契約、よみとの同盟」という言葉があって、「自分たちには同盟がある。契約がある」と思っているのですが、実際には死との契約、よみとの同盟であると神が叱責している言葉です。

:14 それゆえ、あざける者たち－－エルサレムにいてこの民を物笑いの種にする者たちよ。主のことばを聞け。

:15 あなたがたは、こう言ったからだ。「私たちは死と契約を結び、よみと同盟を結んでいる。たとい、にわか水があふれ、越えて来ても、それは私たちには届かない。私たちは、まやかしを避け所とし、偽りに身を隠してきたのだから。」

（イザヤ書28章14節から15節）

アーメン。「私たちには同盟がある。私たちには契約がある」と言うのですが、それは死との契約、よみとの同盟で、偽りだ。そんなたよりにならないものをたよりにしているんだという神の叱責です。

そして「にわか水」とありますが、預言の中でにわか水という言葉は軍の大軍のことを現す言葉です。たくさんの人とか大きな軍隊を意味します。

ここでは、「にわか水があふれ、越えて来る」というので、軍隊が押し寄せてくる。でも私たちは大丈夫だとうそぶいている状態です。でも、それは死との契約、よみとの同盟で、まやかしであり偽りだと神は叱責しているという状態です。

ーイザヤ書28章16節から19節ー

そして次の16節から19節のところでは、有名なメシヤ預言があります。「本当の契約は、これだ」と神は示すのですね。本当の契約、本当の同盟はこれだと言うのですが、でもそれを結局は拒絶してしまうので、水が何度も押し寄せる。そして、死との契約は解消され、よみとの同盟は成り立たないという警告があります。こう書いてあります。

:16 だから、神である主は、こう仰せられる。「見よ。わたしはシオンに一つの石を礎として据える。これは、試みを経た石、堅く据えられた礎の、尊いかしら石。これを信じる者は、あわてることがない。

:17 わたしは公正を、測りなわとし、正義を、おもりとする。雹は、まやかしの避け所を一掃し、水は隠れ家を押し流す。

:18 あなたがたの死との契約は解消され、よみとの同盟は成り立たない。にわか水があふれ、越えて来ると、あなたがたはそれに踏みにじられる。

:19 それは押し寄せるたびに、あなたがたを捕らえる。それは朝ごとに押し寄せる。昼も夜も。この啓示を悟らせることは全く恐ろしい。」

（イザヤ書28章16節から19節）

アーメン。死との契約、よみとの同盟は成り立たないという言葉ですが、水が何度も押し寄せると預言されています。バビロニア帝国によって水は一度きました。第一神殿（ソロモン神殿）が水によって押し流され、破壊されたのです。そしてローマ帝国によって第二神殿が押し流されました。どちらも本物の契約、本物の同盟をないがしろにしたのですね。

とくにローマ帝国によって第二神殿が押し流され、破壊されたときには、キリストご自身がやって来たのに、「コイツだけは違う」と自分たちのプライドを優先した。この世を優先し、自分たちのプライドが契約、この世が契約、同盟になってしまったのですね。

そして、そのキリストの尊いかしら石を拒絶した直後のキリストの言葉がホセア書の5章15節にあります。

ｰ続くｰ　

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