「神殿の泣きわめき」④ アモス書8章1節から3節モトイ・トクメイさん　　　　

　2024.06.29

その日には、神殿の歌声は泣きわめきとなる。──神である主の御告げ──多くのしかばねが、至る所に投げ捨てられる。口をつぐめ。」（アモス書8章1節から3節）

ｰ続きｰ

『しかばね』については、あとでもう少し詳しく見てゆくために、まず『口をつぐめ』という言葉から見てゆきたいと思います。この「口をつぐめ」というのはヘブライ語で「ハーサー」という言葉があてられていて、「だまれ」「静まれ」「口をつぐめ」というふうに訳される言葉なのですが、

そもそも、たとえばゼカリヤ書2章13節にあるように、「神のしもべ、神の聖徒たちは、神が立ち上がるので静まれ」という意味で、「静まれ」「口をつぐめ」という言葉なのです。

すべての肉なる者よ。主の前で静まれ。主が立ち上がって、その聖なる住まいから来られるからだ。（ゼカリヤ書2章13節）

ですから、ここでも「口をつぐめ」とは言うものの、その背景には、「神の働きがあるから、神に注目しろ」という警告なのです。ただ、「静まれ」「だまれ」「口をつぐめ」ではないのですね。神が動かれるという前提で「口をつぐめ」と言うのです。

いままで、神殿なのに賛美と祈りを満たしていなかったその神殿。ガラクタだけで、木や草だけで何かを建て上げていた悪いしもべが、今度は突然の破滅を受けてしまったゆえに混乱してギャーギャー騒いでいる。泣きわめきになっている。

だから、「口をつぐめ。神が立ち上がられる。静まれ。だまれ。神に注目せよ」という、そのような言葉です。そして、多くのしかばね（死体）が至るところに投げ捨てられる時代になるのですね。

このしかばねについては、イエス・キリストご本人がこのことと携挙についてつなげて預言していますので、ルカの13章34節から37節をすぐあとでお読みしますが、そのまえに、旧約聖書的に神の怒りの時代にしかばねがあちらこちらに散らばるということを、エレミヤ書25章32節から33節を代表として見てゆきたいと思います。

ーエレミヤ書25章32節から33節ー

旧約聖書の神の怒りのコンセプトとしては、こういうふうにあちらこちらに死体が転がるというイメージがあるということなのですが、ここでそのことを見てゆきたいと思います。そのあとにキリストの言葉を見てゆきましょう。まずエレミヤ書の25章32節から33節です。

:32 万軍の主はこう仰せられる。見よ。わざわいが国から国へと移り行き、大暴風が地の果てから起こる。

:33 その日、主に殺される者が地の果てから地の果てまでに及び、彼らはいたみ悲しまれることなく、集められることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。』」

（エレミヤ書25章32節から33節）

アーメン。死体処理が間に合わないくらい、その日、死体が転がるのですね。その日という一日だけではなくて、神の怒りの時代、大暴風の時代が始まってから、ずっとこのようなことになるのです。死体処理が間に合わないくらいに、全世界的に、地の果てから地の果てに至るまで死体がゴロゴロ転がる時代が神の怒りの時代であるということです。

ールカ17章34節から37節ー

そして、このような旧約聖書の神の怒りの時代のイメージと携挙について重ねて預言された言葉が、ここのルカの17章の聖書箇所です。34節から37節を今お読みしますが、ここの聖書箇所もここだけを読んでみても、なんだかこの質問と答えは、ぜんぜんチグハグな感じがします。

でも弟子たちはユダヤ人として神の怒りの時代のイメージは持っていたはずなので、この問答で弟子たちはハッキリと答えが分かったはずです。あとでまた説明しますが、そのような背景を意識しつつお読みします。

:34 あなたがたに言うが、その夜、同じ寝台でふたりの人が寝ていると、ひとりは取られ、他のひとりは残されます。

:35 女がふたりいっしょに臼をひいていると、ひとりは取られ、他のひとりは残されます。」

:37 弟子たちは答えて言った。「主よ。どこでですか。」主は言われた。「死体のある所、そこに、はげたかも集まります。」

（ルカ17章34節から37節）

アーメン。

ｰ続くｰ

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