「神殿の泣きわめき」③ アモス書8章1節から3節モトイ・トクメイさん　　　　

　2024.06.29

:1 神である主は、私にこのように示された。そこに一かごの夏のくだものがあった。

:2 主は仰せられた。「アモス。何を見ているのか。」私が、「一かごの夏のくだものです」と言うと、主は私に仰せられた。「わたしの民イスラエルに、終わりが来た。わたしはもう二度と彼らを見過ごさない。

:3 その日には、神殿の歌声は泣きわめきとなる。──神である主の御告げ──多くのしかばねが、至る所に投げ捨てられる。口をつぐめ。」

（アモス書8章1節から3節）

ｰ続きｰ

イスラエルの祭りというのは七つあって、春に四つ、秋に三つあります。春は、「過越の祭り」「種なしパンの祭り」「初穂の祭り」、そして「週のお祭り」（七週の祭り）。週の祭りとは五旬節とか、ギリシャ語のペンテコステと呼ばれるお祭りです。

そして、私たちのキリストは神の小羊、過越の小羊なので、キリストの十字架の死で「過越の祭り」は成就しました。種なしパンの種は罪と語られるものなので、「種なしパンの祭り」というのは、罪のないキリストが墓に葬られたことで成就したと言われています。

キリストの復活ですが、キリストは復活の初穂なので、「初穂の祭り」はキリストの復活で成就した祭りです。使徒行伝（使徒の働き）の2章に書かれているとおり、ペンテコステと呼ばれる日に信じる者に聖霊が降り注いだということで教会時代が始まりました。そのことで「週の祭り」、五旬節、ペンテコステは成就しました。

そして今は春の祭りの四番目。一番最後のペンテコステ（「週の祭り」）が始まって、教会時代が始まっている季節で、祭りと祭りの間には四ヶ月ありました。そして秋の祭りの三つが始まるその直前です。

そして秋の祭りの三つというのは、「ラッパを吹きならす祭り」。これは携挙によって成就されるとされています。

そして「贖罪日」。悔い改めの日とも呼ばれる祭りは、ユダヤ人の国家的な悔い改め。いわゆる七年患難の一番最後で、イエス・キリストのことを救い主である神であると信じ受け入れるユダヤ人国家の悔い改めで成就する。それが「贖罪日」とされています。

そして千年王国が始まるのですが、その千年王国は、「仮庵の祭り」として成就すると言われています。

そして、いま今日の聖書箇所のところで、アモスは一かごの夏のくだものを見せられているのです。これは秋の祭りのイメージなので、「秋の祭りが始まる。わたしの民イスラエルを、わたしはもう見逃さないんだ」という流れです。

「教会時代」が終わり、「恵みの時代」が終わった。一かごの夏のくだもの。「わたしは、もう彼らを見逃さない。見過ごさない」という意味で、ほかの聖書の言葉で言うと「ヤコブの苦難の時代が始まる」という意味です。

夏のくだもので終わりが来ただけだとぜんぜんわけが分からないのですが、七つの祭りの春の祭り、キリストによって成就した祭りが、次にキリストのお迎えによって成就しはじめるという、そういうイメージです。

ですから、ここのところにも旧約聖書的なやり方ですが、携挙が隠れている状態です。一かごの夏のくだものを見せられて、そして、「わたしの民イスラエルに終わりが来た。教会時代が終わって、ヤコブの苦難の始まりである。彼らのことは、もう見過ごさない。彼らの救いとさばきの時代になるのだ」という説明です。そういう説明が背後にあるという状態です

そして、神殿の歌声が泣きわめきになるのですね。『神殿の歌声』というその言葉が注目するべきところでしょう。神殿で満ちるべきなのは神に対する賛美です。ところが、ここでは『歌声』になっているのですね。

その日には、神殿の歌声は泣きわめきとなる。──神である主の御告げ──多くのしかばねが、至る所に投げ捨てられる。口をつぐめ。」（アモス書8章3節）

終末預言的に私の言葉で説明すると、その歌声は、つまり携挙の前に、神殿に満ちるべき賛美ではなく、この世を謳歌（おうか：喜んでいる）している、自分の人生を謳歌しているしもべが、突然の破滅によって泣きわめく。泣いて歯ぎしりをして悔い改める状態でしょう。神殿の歌声が泣きわめきに変わる瞬間に、神は「口をつぐめ」と言うのですね。

ｰ続くｰ

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