「子どもが消えるしるし」④ ヨエル書2章15節から17節モトイ・トクメイさん　　

　2024.06.23

:11 エフライムの栄光は鳥のように飛び去り、もう産むことも、みごもることも、はらむこともない。

:12 たとい彼らが子を育てても、わたしはひとり残らずその子を失わせる。わたしが彼らを離れるとき、まことに、彼らにわざわいが来る。

（ホセア書9章11節から12節）

ｰ続きｰ

それからもうひとつ。ここには冒頭に、『エフライムの栄光は鳥のように飛び去り』(11節）という言葉があるのですが、それについても説明が必要だと思います。エフライムというのは、古代イスラエル王国の南北分裂王朝時代の、北イスラエル王国を指す言葉です。

エフライムという民族が主要な民族だったので、エフライムは北イスラエル王国を指す言葉として扱われるのですが、この北イスラエル王国は神をすっかり忘れているくせに、まわりのあらゆる偶像崇拝を諸々（もろもろ：あれもこれも）合わせたとんでもない宗教観を持っていた人たちでした。

そして神の許しを得てでしょうが、一時的に敵が攻め込んでくることが止まりました。敵であった国が内側の問題で攻めて来ることが止まったので経済がものすごく回り、とても豊かだったということがあります。南ユダ王国よりも北イスラエル王国は経済的にうまくいっていたのです。

ところが神を見失ったとんでもない人たち、それが『エフライムの栄光』（11節）という言葉で表現されている状態で、この状態は今の神を忘れた全世界と言えるでしょう。終末預言的に、私たちは今エフライムの栄光を味わっている状態でしょう。

人類史上、かつてなかったほどに知識が進み、エネルギー資源がいろいろなものに使われて、科学技術が私たちの生活を楽にしている。そのような状態でエフライムの栄光を神ぬきで味わっているのです。

ところがある日、その日・その時がやって来て、エフライムの栄光は鳥のように飛び去るのです。そして、同時に神によって子どもたちを失うという裁きです。携挙の時に子どもが失われるという旧約聖書的な説明です。

:11 エフライムの栄光は鳥のように飛び去り、もう産むことも、みごもることも、はらむこともない。

:12 たとい彼らが子を育てても、わたしはひとり残らずその子を失わせる。わたしが彼らを離れるとき、まことに、彼らにわざわいが来る。

（ホセア書9章11節から12節）

アーメン。『わたし』（12節）、すなわち神がこの世を離れるということは、遍在（へんざい：どこにでも存在する）の神という方の特性からあり得ないことです。

でも新約聖書的な説明と合わせると、引き止める者として私たち聖霊内住のキリスト者が地上で塩けの役目を果たしつつ、サタンのある程度までの悪さを食い止めている状態が携挙によって終わる。そういうかたちで、『わたしが彼らを離れるとき』（12節）が成就するのです。

あなたがたが知っているとおり、彼がその定められた時に現れるようにと、いま引き止めているものがあるのです。不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。

（第2テサロニケ2章6節から7節）

そして、私たちがいなくなったその時からエフライムの栄光が一瞬にして飛び去るのです。今ある世の中がガラッと変わるのですね。とくに子どもが失われるということで、全世界のあらゆる人間社会の中でうめきが起こるのです。

『わたしはひとり残らずその子を失わせる』（12節）というこの言葉ですが、「失わせる」という言葉は、ヘブライ語の「シャコル」という言葉で語られています。

この「シャコル」は失わせるという意味なのですが、「奪い去る」という意味があるので、ここでも神によって子どもたちが、神の側に守られるために神の愛によって取り去られるという側面が見えてきます。

神は子どもを愛しているので、子どもが神の怒りの時代から守られるために…。子どもの線引きは難しいでしょうが、それは書かれていないので分かりませんが、あるいはひとりひとりが神によって吟味されて、そして子どもが引き取られるということでしょうが、いずれにせよ神の側に奪い去られるのです。神が、彼らの守りのために子どもを引き取るのです。

そして地は、とくに身重の女と乳飲み子を持つ女が子どもを失うという当事者になって、悲惨な叫び声を上げるということです。世の中は携挙のその瞬間にわざわいと終りが人々を目ざめさせるという時代が始まるのです。

神である主はこう仰せられる。「わざわいが、ただわざわいが来る。終わりが来る。その終わりが来る。あなたを起こしに、今、やって来る。（エゼキエル書7章5節から6節）

ｰ続くｰ　

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