「繁栄の神学の罠」③ 黙示録3章14節から22節モトイ・トクメイさん

　2024.06.09

わたしはあなたに忠告する。豊かな者となるために、火で精錬された金をわたしから買いなさい。また、あなたの裸の恥を現さないために着る白い衣を買いなさい。また、目が見えるようになるため、目に塗る目薬を買いなさい。（黙示録3章18節）

ｰ続きｰ

キリストは、「わたしは、あなたの行いを知っている」ということを15節で述べています。

わたしは、あなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく、熱くもない。わたしはむしろ、あなたが冷たいか、熱いかであってほしい。（黙示録3章15節）

全知全能の、その全知なる方はラオデキヤ教会の人たちのことを知っているのは当然ですが、さきほどの「主よ。主よ」とキリストのことを呼ぶ者が、「わたしは、あなたがたのことをいっさい知らない」と言われるのは、全知全能なる方が知らないのではありません。

わたしに向かって、「主よ、主よ」という者がみな天の御国に入るのではなく、天におられるわたしの父のみこころを行う者が入るのです。（マタイ7章21節）

しかし、その時、わたしは彼らにこう宣告します。『わたしはあなたがたを全然知らない。不法をなす者ども。わたしから離れて行け。』（マタイ7章23節）

逆に、「あなたがたのことをいっさい知らない」と言われる人たちが、キリストのことを知ろうとしなかった。携挙直前までこの世の人たちと同じような生活をしていた祈りのなかった人たちということです。そのことのゆえに、生ぬるいので口から吐き出すぞという警告です。

このように、あなたはなまぬるく、熱くも冷たくもないので、わたしの口からあなたを吐き出そう。（黙示録3章16節）

口の中にあるうちは、つばでも体液です。ところが吐き出されたら汚物になるのですね。これはものすごく強烈な警告と言えるでしょう。でも17節にあるように、彼らは自己評価が高いのですね。祈って求めるものはすべて受けたと信じているのですね。「富んでいる。豊かになった。乏しいものは何もありません。ハレルヤ、感謝します」と思っているのですね。

あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、乏しいものは何もないと言って、実は自分がみじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸の者であることを知らない。（黙示録3章17節）

しかしながらキリストの目で見ると、彼らはみじめで、あわれで、貧しくて、盲目で、はだかなのです。でも、そのことさえ分からなくなってしまった。キリストを見失っているので、自分自身も見失っている状態なのです。

わたしを見失う者は自分自身をそこない、わたしを憎む者はみな、死を愛する。

（箴言8章36節）

そして、18節の警告です。この18節のことのゆえに、ラオデキヤの人たちは救われていないんだというメッセンジャーもいますが、それは神学的に否定できます。今から説明しますが、この忠告では、「金を買え」「白い衣を買え」「目薬を買え」と言われています。

『金』というのは、信仰をイメージさせる聖書のキーワードです。『白い衣』も救われた者が着るものです。そして、キリスト者は目が見える者であることが前提なので、「金を買え」「白い衣を買え」「目が見えるようになるために目薬を買え」と言っているこの言葉のゆえに、ラオデキヤは救われていないんだ。金がなく、白い衣がないんだと言うのですが、

ジェーサイヤーという神学者によると、この『買え』という言葉、「アゴラゾー」というギリシャ語ですが、贖いの意味は一切ないそうです。

そして、ここではむしろ金を持っている信仰者に対して、白い衣があるのにそれが汚れている。汚れてしまっているように、世の服を上から着ているような人たち。あるいは、目が見える者であるはず、約束があるはずなのにもう見えなくなっている人たちに対して、キリストとの時間を身銭（みぜに）を切って買え（自分自身でお金を出して買え）と言っている言葉なのだそうです。

べつに神学者の言葉を引用しなくてもこのラオデキヤの人たちは救われた人たちであるということが分かるので、ちょっと考えていただきたいのですが、そもそも私たちの救いというのはイエス・キリストが血の対価を払ってくださったのです。

神の子、すなわち完全なる神が、完全なる人として十字架上で全人類の罪を引き受けてくださった。身代わりの血を流してくださったゆえに、私たちには、ただで与えられるはずなのです。

御霊も花嫁も言う。「来てください。」これを聞く者は、「来てください」と言いなさい。渇く者は来なさい。いのちの水がほしい者は、それをただで受けなさい（黙示録22章17節）

ところが「買え」と言うのですね。「金を買え」「白い衣を買え」「目が見えるように目薬を買え」と言っているのは救いのことではないのです。救われたあとにこの世的に過ごしているから、時間をキリストと共に過ごせと言っている状態なのですね。

つまり、泣いて歯ぎしりをする悪いしもべが飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりして、この世的に生きて祈りを忘れているので、キリストに自分の時間を身銭を切って費やせ。それを買えと言っている状態なのです。

それゆえに、愛する者に対する叱責として19節で、「わたしは、愛する者をしかったり、懲らしめたりするんだ。だから熱心になって悔い改めよ」と言っている状態です。

わたしは、愛する者をしかったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって、悔い改めなさい。（黙示録3章19節）

ｰ続くｰ

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