「塩けをなくす同胞」③ イザヤ書66章5節モトイ・トクメイさん

　　　2024.05.12

:3 まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、

:4 次のように言うでしょう。「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。父祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。」

:5 こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。すなわち、天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、

:6 当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。

:7 しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日まで、保たれているのです。

（第2ペテロ3章3節から7節）

ｰ続きｰ

彼ら『あざける者ども』（3節）は、終わりの日に現れる預言されたしるしなのです。塩けがなくなってしまった同胞なのです。キリスト者なのです。救いを受けた者なのです。

自分からそれを憎んで、キリストのことを踏みつけるようなことをしていない限り、神の奇蹟によって始まったものは終わらないのです。神の奇跡を信じ受け入れたというその瞬間によって永遠の世界が決まるので、彼らは救いを受けた者としてここで描かれているのです。

もちろん救いを捨てるということも可能ですが、それは肉的に本当に神を憎む、肉の努力で神を拒絶するということが成就しないと、自分で頑張って神を踏みつけるというヘブル書10章29節の言葉が成就しないとできないので、彼らは救われた者なのです。

まして、神の御子を踏みつけ、自分を聖なるものとした契約の血を汚れたものとみなし、恵みの御霊を侮る者は、どんなに重い処罰に値するか、考えてみなさい。

（ヘブル書10章29節）

ここで語られているのは、塩けを無くしてしまった、塩けを薄くさせてしまった神の民が、聞きたくないので憎んで押しのけているという言葉です。信仰のある、塩けのある者たちの言葉を聞きたくないのですね。どうしてそれが分かるのかというと、この5節にある、『こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。』という言葉から分かります。

なにを見落としているのかというと、全世界は神の言葉によって造られて、最初は水によって滅び、次は火によって滅びるという。そして、そのために今は神の言葉、キリストによって、聖霊によって保たれているのだという神の計画、天地創造から、神が造った計画、人類の歴史についてを見落としているというのですね。

この「見落とす」という言葉は、日本語ですと、うっかりミスで見落とすというイメージがありますが、原文をたどるとそうではないことが分かります。原文を直訳ふうにすると、意図的に見ないでいるという言葉なので、彼らは自分たちが押しのけているものが分かっているのです。意図的に終末の流れを見ないようにしているのです。

これも人間の三重構造、神学的な説明をおさらいするともっとよく分かると思います。人間というのは一番奥底に「霊」があって、そのまわりに「たましい」、「肉」とも呼ばれるものがあって、そのまわりに「からだ」があるというふうに説明されます。

そして「霊」は、かつては私たちもそうだったのですが、すべての人類は「霊」が死んでいる状態なのです。でもこの神との交わりができる「霊」の部分は、私たちキリスト者の場合はよみがえったのです。

イエス・キリストの死と復活は私の罪の身代わりであると信じ受け入れた瞬間に復活のいのちを「霊」が受けて、私たちは「霊」が生きる者になり、神との交わりをし、そしてこの物質世界を「肉」の部分、「たましい」の部分で知識・感情・意志を用いて情報を得て、「からだ」を動かすという本当の人間の姿にもどったのです。

でも「霊」の部分が神との交わりを深めないで、かつての「霊」が死んで「肉」で生きたままでいるということも…。「霊」がよみがえっても、「霊」が弱いままでいるということも可能であるということです。

「霊」が弱ければ「肉」が中心になって自分の欲望に従い続け、本当は神の語りかけがあるのに、聖書的に言うと細き御声を聞いているはずなのに、あれやこれやの終末のしるしがあるし、同胞たちが塩けを発揮して「目覚めよ」とか、「戦いのさなかにある。戦いの準備をせよ」などと霊的なことを語るのが嫌なので、憎んで押しのけるのですね。

本当は聞こえているのに、細き御声が分かっているのに、見えないふりをしているのです。意図的に気づかないふりをして、気づかせるようなことを言うヤツらが憎くて憎くてしょうがないので、押しのけるのですね。

「もう、黙っていてくれよ。世の中は、こういうものなんだ。先祖たちが死んでからこの方、創造の初め以来、ずーっと世の中はこういうもので、これからもずっとこうなんだ。キリスト再臨は信じていますが、そんなのは何百年も後のこと。ずーっと先のことだよ」と言うのですね。

見えることを説明しているのに、そういうことを聞くのが嫌なのです。そういう理由で彼らはあざけるのですね。あざけるようにして押しのけて、黙らせるのです。

ｰ続くｰ

＜おすすめ関連動画＞

枠内かリンクをクリックするとYouTubeの動画が見れます