2012年5月13日「『平和だ、安全だ』という惑わし」② 第1テサロニケ5章13節モトイさん

　　　2012.05.13

:29 それからイエスは、人々にたとえを話された。「いちじくの木や、すべての木を見なさい。

:30 木の芽が出ると、それを見て夏の近いことがわかります。

:31 そのように、これらのことが起こるのを見たら、神の国は近いと知りなさい。

（ルカ21章29節から31節）

ｰ続きｰ

今日は、今がもうすでに惑わしの時であるということをお話しようと思いました。というのも、3.11、去年の震災以降（2011年3月11日の東日本大震災）、日本人では世の中の人の方が、教会の人よりも何か世の終りについて意識している状態にあると思うからですね。

世界的に言えば9.11（2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件）のテロ。私は自作自演だと確信していますが、その9.11のテロの直後あたりから、これは何かおかしいと思った人たちが世界中に出て来はじめたようですね。

私はずいぶん後になってから気づいたのですが、日本では3.11の震災以後、何か世の中がおかしくなっているのではないかということを思い、気づきだした世の人たちがたくさん出てきはじめている。そのように思います。

ところが教会の人々は、聖書に、世の終りについて、終末のしるしについて目をさまして見ていなさい。その訪れの季節を見張っていなさいというふうに書いてあるのに、携挙とか終末とか、世の終りのしるしというのを何かファンタジーとか作り話のような、あるいはずっと先のように思っているようです。

というのは、私の友人がある教会に通っていて、ふつうの会話の中でなにげなく1948年のイスラエル再建とか1967年のエルサレムのユダヤ人による最支配、エルサレムの支配が完全にユダヤ人の手におちたというその出来事から、「これらは世の終りのしるしなので…」と教会の中で、牧師さんの前でなにげなく話して、「だから、こうなんだ」と話をしようと思ってたらしいのです。

でも「世の終りのしるしでイスラエル、エルサレムが…」と言った瞬間に、その牧師さんは、私の友人が何か面白い気の利いたギャグを言ったと思ったらしくて、大笑いをしたらしいのですね。

教会で世の終わりのしるしであるとか、聖書的な出来事について解釈して、これが世の終わりのしるしだということをチラッとでも言ったら、何か笑い話のように思われるという雰囲気があるようです。

私自身の体験でも、教役者同士でちょっとした食事をしたのですね。ある牧師さんと1対1でですが、そのときに私も何気なく、「いま現在、世の中で心に傷を持った人が多くて…」という話をしていたのですね。そのなかで、「これも世の終わりのしるしなのかと思うのですよね」となにげなく…。

べつに世の終りの話をしていたのではなくて、心に傷を持つ人がどんどん増えているように見えるから、これはひょっとしたら聖書的な世の終りのしるしかもしれないということをチラッと言ったら、その相手の牧師さんは私よりももっと熟練された大先輩なのですが、その方は若い者を諭すような雰囲気で、「いやいや、世の終りというのは、ずっとずっと先のことだから…」ということをとっさに言うのですね。

べつに世の終りの話をしていたわけではないので、それについて突っ込んで、「いえいえ、これはこういう理由で、いまは世の終りです」とは私も言わなかったのですが、その牧師さんにとっては、いまというこの時代が、私が意識しているように世の終りの時期とは考えていないようですね。

世の終りは、ずーっとずーっと先。携挙（空中再臨）はずーっとずーっと先で、いまは平和で安全だというふうにおそらく感じているというような考え方だったのだと思います。

私は、これは惑わしであると思います。さきほども言いましたが、1948年のイスラエル建国と1967年のエルサレムの完全なるユダヤ人支配がもう一度確立されたということは、聖書的に言うとそれはイスラエルという世の終りに出現していなければならない国家の再登場なわけで、世の終り以外の何ものでもないと私は考えているのですが

でも教会の指導者である牧師さん、あるいは教会の中には、世の終りはずーっと先だというような雰囲気がたしかにあるようです。これは惑わしだと思います。

さきほども言いましたように、教会の外の人々、世の人々の方が「世の中が何かおかしい。なにか陰謀めいたことも見え隠れする。本当にこのままこの世界はずっと続くのだろうか」という疑問が教会の外の人たちの方によけいにあるというようなパラドックス（逆説的）が生じています。

本当なら、世の中で起こっていることに対して私たちキリスト者が、あるいはもっと言うなら教役者たち、教会が、教会のリーダーたちが、これは世の終わりのしるしであるから人々に注意を呼びかける。そのような王である祭司としての役割をしっかりと果たさなければならないはずなのに、聖書の民としての役割はそのようなものであるはずなのに、聖書に書いてあることは笑い話でファンタジーであるというような惑わしにかかっているというふうに私は思います。

ｰ続くｰ

＜おすすめ関連動画＞

枠内かリンクをクリックするとYouTubeの動画が見れます