「第三神殿の建設」⑤ イザヤ書66章1節から4節モトイ・トクメイさん

　　　2024.05.04

:1 次のような主のことばが私にあった。

:2 「人の子よ。ツロの君主に言え。神である主はこう仰せられる。あなたは心高ぶり、『私は神だ。海の真ん中で神の座に着いている』と言った。あなたは自分の心を神のようにみなしたが、あなたは人であって、神ではない。

:3 あなたはダニエルよりも知恵があり、どんな秘密もあなたに隠されていない。

:4 あなたは自分の知恵と英知によって財宝を積み、金や銀を宝物倉にたくわえた。

:5 商いに多くの知恵を使って財宝をふやし、あなたの心は、財宝で高ぶった。

:6 それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたは自分の心を神の心のようにみなした。

（エゼキエル書28章1節から6節）

ｰ続きｰ

自分の心を神の心のようにみなす反キリスト、ツロの王ですが、「財宝に囲まれていた」とあるように、反キリストも一時的にですが世界をものすごく平和にして、平和の君とさえ言われて…。「平和の君」とはイエス・キリストということで、（反キリストは）にせキリストなのですがイエス・キリストの再来だと思われるのですね。

そして経済をものすごく一時的に回転させて、一部の人間は本当に「この反キリスト様様」というかたちでバビロンの商人として大もうけをするのですね。

ところが、しばらくすると１日１デナリ。１日の重労働で１日分の食料しか与えられないというような人たちも出てくる。奴隷労働に従事するような人たちも出てくる。極端な二極化社会になる。そのような人物です。

:5 小羊が第三の封印を解いたとき、私は、第三の生き物が、「来なさい」と言うのを聞いた。私は見た。見よ。黒い馬であった。これに乗っている者は量りを手に持っていた。

:6 すると私は、一つの声のようなものが、四つの生き物の間で、こう言うのを聞いた。「小麦一枡は一デナリ。大麦三枡も一デナリ。オリーブ油とぶどう酒に害を与えてはいけない。」

（黙示録6章5節から6節*）

彼は経済的に天才で、軍事的にも天才で、人々からあがめられるのですね。「この方がいるので、私は儲かる」というような状態で、奴隷労働させられるようになる人も、「この方のおかげで、今日私は生きていけます」と思うのでしょう。いずれにせよ、彼はあがめられるのです。

そして、『ダニエルよりも知恵があり』（3節）とあります。ダニエルという人物は、ものすごく神の知恵が与えられた、神によっていろいろ示される預言者ですが、このときの反キリストはサタンに乗っ取られているゆえにサタン的な知恵が超自然的に与えられて、それでダニエルよりも賢かったということが実現するのでしょう。

あなたはダニエルよりも知恵があり、どんな秘密もあなたに隠されていない。

（エゼキエル書28章3節）

ものすごく邪悪な人物なのですが、彼を心酔する者にとってはそれこそ神のような人になる。それこそ全世界で、「このような人が全世界を支配しているので、私たちは安全だ」と信じるような知恵といろいろなサタン的な奇蹟もともなうカリスマ的な人物なのですね。

そして自分自身の心を神の心のようにみなすのです。これはサタンの似姿です。サタンも自分が神になろうと思って、実際にいま地上で神としてふるまっている状態なので、サタンに乗っ取られた者としてサタンの似姿になっている状態でしょう。

でも、これはツロの王とか、反キリストやサタンだけの問題ではなくて、自分の心を神の心のようにみなすという危険が私たちにもあるということであろうと思います。注意しなければならないと、私は考えます。

というのは、なんども説明していることですが、人間の構造は三重構造になっていて、一番奥底に「霊」があって、そのまわりに「肉」とも呼ばれる「たましい」がある。そして、その外側に「からだ」があるという説明がされますが、私たちは「霊」によって神との交わりをする、正しく人間の姿に戻された者です。

でも、かつてキリストを信じる前には「霊」が死んでいたので、「たましい」の部分、「肉」の部分を中心に生きていたのですね。そして、この「たましい」とか「肉」の部分は知識・感情・意志をつかさどるもののゆえに危険なのです。

なぜなら、知識・感情・意志はこの地上の物質世界を感知するものであって、この物質世界は、神の黙認によってですが、悪魔・悪霊が支配するものだからです。

悪魔・悪霊はこの物質世界を揺さぶって、私たちの心を揺さぶるのですね。ですから霊的な部分で神との交わりが深まれば深まるほど肉的なものと霊的なものとの違いが分かるようになりますが、生まれたままの「霊」が死んだ状態の人間のままでい続けるということも可能であるといえば可能なのです。

「霊」はよみがえっても、神との交わりを深めないと、「肉」が強い生まれたままの人間のままでいられるということでしょう。

「肉」が強いということは、たとえば、プラスの感情やマイナスの感情がありますが、気分がよければ、「さあ、これは神がOKと言っているんだ。さあ、突っ走ろう」と「肉」で判断するということがあり得るでしょう。気分が悪ければ、「いや、これは神のみこころではない」と勝手に判断する。そういうことにもなり得ると思います。

感情が問題ではないのですね。「霊」によって神が語る。「霊」の部分で神との交わりがなければならないので、その「霊」で神との交わりを結べばこころざしが与えられ、ことを成就してくださるというみことばが成就するのですが、

神との交わりが薄いとき、かつての「肉」が強いままで、見えたところ、感じたところで突っ走るという過ちもおかしやすいと思います。

神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。（ピリピ書2章13節）

自分の心を神の心のようにみなすという危険は、私たちにもあると思われます。それゆえに、一番初めにお読みした第1コリント3章16節から17節に加えて、そのまえの10節から17節をお読みして、最後に、「私たちの神殿に何を積み上げますか。祈りの香ですか。ガラクタですか」ということを再確認したいと思います。

ｰ続くｰ

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