「第三神殿の建設」② イザヤ書66章1節から4節モトイ・トクメイさん

　　　2024.05.04

:1 主はこう仰せられる。「天はわたしの王座、地はわたしの足台。わたしのために、あなたがたの建てる家は、いったいどこにあるのか。わたしのいこいの場は、いったいどこにあるのか。

:2 これらすべては、わたしの手が造ったもの、これらすべてはわたしのものだ。ーー主の御告げーーわたしが目を留める者は、へりくだって心砕かれ、わたしのことばにおののく者だ。

（イザヤ書66章1節から2節）

ｰ続きｰ

そして第三神殿についての預言が今日の聖書箇所なのですが、でもその前に、そもそもなんで「第三」なのかということをザッと説明します。第一神殿というのはソロモン王が建てた神殿です。この神殿はバビロニア帝国によって破壊されて、その後、ユダヤ人はバビロン捕囚の憂き目に遭ってしまいました。

そしてバビロン捕囚が預言されたとおりに70年で終り、解放されてエルサレムに戻ってきたときに、ゼルバベルという人をリーダーにして第二神殿を建てます。これはゼルバベル神殿とも呼ばれます。

まことに、主はこう仰せられる。「バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。

（エレミヤ書29章10節）

この第二神殿、ゼルバベル神殿は、再建された当初はものすごく小さなもので、みすぼらしいものでさえあったそうです。しかしながら新約聖書にも登場するヘロデ大王が、ユダヤ人の好意を得たいがためにこのゼルバベル神殿を改修するのですね。

このヘロデ大王は建築にものすごく興味を持っていたらしく、建築技術の粋を集めて第二神殿を大改修しました。そしてイエスの時代、すなわち新約聖書の時代にはものすごく豪華で荘厳な神殿として完成していたという状態でした。

これが第二神殿ですが、イエスも歩いたこの第二神殿はAD70年にローマ軍によって破壊されてしまいました。その後、今のような状態がずっと続いているので、今は神殿がない状態なのです。でも今日の聖書箇所にあるように、これから建つ神殿を神が忌み嫌っているのです。建つ前から忌み嫌っているのが今日の聖書箇所です。

ーイザヤ書66章1節から4節ー

そして建ったあと、羊とか、牛とか、穀物、乳香をささげるささげ物を完全に神は退けているのです。

このことは、第一神殿、第二神殿に対しては信仰が形骸化（けいがいか）してしまうという背教の預言として部分的に成就しました。でも完全にこれが成就するのは第三神殿のときのみです。建つ前から忌み嫌われ、建てられた後もいけにえを全部、完全に神が拒絶しているのです。

第一神殿のときも、第二神殿のときも背教はありました。でも神は必ず残りの者、レムナントと呼ばれる人たちを少なからず残していたのですね。

ですから、このような状態になるということは、イエス・キリストという道であり、真理であり、いのちである方を拒絶して、ここの言葉で言うと、自分かってな道を歩むということが実現する第三神殿の時、今しかないのですね。

そして建てる前に、「わたしのためにあなたがたが建てる家は、いったいどこにあるのか」と言いながら忌み嫌っている。建てる前から、「そんなものはいらないんだ」と言っている状態です。

イエス・キリストという方を自分たちは拒絶しているのに、「聖書の言葉を守って完全に正しい神殿を建てました。正しいいけにえをささげました」と言っても、それは神の前には別の道、自分かってな道になってしまうのですね。そういう意味で、お読みしたいと思います。

これはまだ実現していませんが、部分的に第一神殿、第二神殿のときに背教として成就しました。でもこれから完全に成就するという状態です。

:3 牛をほふる者は、人を打ち殺す者。羊をいけにえにする者は、犬をくびり殺す者。穀物のささげ物をささげる者は、豚の血を捧げる者。乳香をささげる者は、偶像をほめたたえる者。実に彼らは自分かってな道を選び、その心は忌むべき物を喜ぶ。

:4 わたしも、彼らを虐待することを選び、彼らに恐怖をもたらす。わたしが呼んでもだれも答えず、わたしが語りかけても聞かず、わたしの目の前に悪を行い、わたしの喜ばない事を彼らが選んだからだ。」

（イザヤ書66章1節から4節）

アーメン。