「愛が冷える前兆」④ マタイ24章10節から14節モトイ・トクメイさん

2024.03.02

地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた。神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。（創世記6章11節から12節）

ｰ続きｰ

この実験の中では、どういうふうにしてかはちょっと忘れましたけれども、母親が子どもを産んでも子どもの体をなめることができないように工夫して育て上げさせるのだそうです。ほかのところ、たとえば母乳で育つとか、一緒にずっといるということは同じです。ただ体をなめることができない工夫をして育てたそうです。

そして当然のごとく、脳内に出ていたいろいろな健康ホルモンなどはあまり出て来なかったそうです。

この実験はこの後が重要で、育った子どもが母親になって子どもを産みました。では、どうするのかという実験で、結論を言うと、自分が母親から受けていないものは自分の子どもには流すことができないという事が分かったのです。子どもの体をなめることができなかったのです。当然、その親子は脳内物質が出ないということを継承したのです。

そういうかたちで、「だから子どもの教育はしっかりと愛情を持って、幼いうちから、早いうちからやりましょう」という結論なのですが、そこで私が思い当たったのは、聖書の一番初めの人類、私たちの先祖であるアダムとエバのところにまでさかのぼって考えると、いま私たちは、何千年かたった今、失ったものはどれほど多いのだろうかという疑問です。

アダムとエバが神から離れました。罪を犯したとはいえ、神を目の前で見て、知って、感じたアダムとエバは、神から聞いたいろいろな知恵によって子どもを育てました。そして、その子どもも次の世代を産み育てました。そして、ずっと続くのですが、そのうちにどんどんいろいろなものが失われていったでしょう。そして私たちの世代になるのですね。

どのくらいの何を失ったのかということが分かっていないので私たちは平気でいますが、たとえばそれが200年、300年前の文献で日本人がどのような教育をして、その時代の社会的な雰囲気がこうだったので教育はこうあるべきという事なら、文献で尋ねて、さかのぼって見て取れるので、「これを失った。これを回復する」ということができるでしょう。

でも人類の最初の最初までさかのぼっても、私たちは何を失ったのか分かっていないのです。だからさかのぼって考えて失ったものは大きいと想像はできるものの、失ったことが何かということが分からないので回復などは不可能なのですね。このようなかたちで子々孫々、人類は続いているのです。そして今に至って、私たちは愛が冷えるいろいろな前兆を見ているのですね。

ひょっとしたら、これは私が間違いがないと思っている確信なのですが、アダムとエバが今の私たちを見たら、よっぽど失ったものが大きいので気絶するくらいに今の世の中はグチャグチャになっている。もう社会システムが死に瀕していると思うのではないかと思います。

そして、もうひとつ思い出した本があります。これは毒親に関する研究の本で、その中で思い出した一文がありました。その研究者が調べたところによると、毒親の親は必ず毒親なんだそうです。つまり、私たちはものすごく良いものを持っていたはずなのに、どれくらいのものを失ったか分からないくらいに、文化的、いろいろなものの喪失があるのに加えて、さらに受け取ってしまってはいけないものまで受け取って次の世代に流している。

だからこそ私たちキリスト者はどこかで気づいて、神につながらなければいけないということになるのですが、そもそも何が私たちの社会の歪みなのかということを（知ろうとしても）、元型が想像できないので元に戻ることは、人間的に考えるともう不可能でしょう。

これがアダムとエバのところまで完全に回復されるのは、主イエスが地上に再臨されたあとのことです。（千年王国）そういうふうに想像すると、私たちが今いる社会というのはどれほど歪んでいるのかということが分かるでしょう。

ｰ続くｰ

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