「偶像を作る時」⑤ 第1列王記12章25節から33節　モトイ・トクメイさん

2024.01.13

あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。

（エレミヤ書29章12節から13節）

ｰ続きｰ

ーエレミヤ書29章4節から14節ー

ここ（エレミヤ書29章4節から14節）は人々がにせ預言にしがみついてしまったことを神が叱責する聖書箇所なので、だまされる時代の信仰について私たちも学べると思います。

背景を説明すると、ここはバビロンに捕囚された当初の出来事です。先ほどの南北分裂の時代から説明すると、北イスラエル王国、ヤロブアム王から始まった背教の文化というのは、周りのあらゆる異民族の習慣を持ち込んで、あらゆる偶像が入り込み、あらゆる宗教天国になってしまいました。

それゆえに、神がこのイスラエル王国を異民族であるアッシリヤ帝国によって滅ぼして、アッシリヤに捕囚されてしまいました。北はまっさきになくなってしまいました。

南ユダ王国はしばらくは生き残ります。ときどき良い王様が登場して、良い宗教改革をするのです。それゆえに神に喜ばれたという事もあったのですが、結局はこの南ユダ王国も神から離れてしまい、新バビロニア帝国に滅ぼされて、蹂躙（じゅうりん：踏みにじられる）され、神殿の祭具は奪われて、バビロン捕囚の憂き目に遭ってしまいました。

そのバビロン捕囚の初めの頃、すでに神殿も国家もなくなっているのですが、でも基本的な自治団体はまだある状態で、エレミヤはまだエルサレムにいました。そして、バビロンにいる捕囚されたユダの民に神が言葉を語るというのがエレミヤ書29章の背景です。

そして、バビロンにいるユダヤ人たちは不安でたまらなかったのです。自分たちがいる国家が敵であり、神殿を略奪した人たちの町、すなわち敵の町にいて、自分たちは神の民なのでそこにいるべきではないという認識はあったのです。それで早く帰りたいという思いがありました。するとそこににせ預言者とか占い師がやって来て、よいことを言ったのですね。

どんなよいことを言ったのかここには書いてありませんが、「あなたがたはすぐに帰れる。用意をしろ」というような言葉であったらしいということが分かっています。「でも、それは違う。あなたがたはそこで増えるように。その町の繁栄を求めるように」というのがここの聖書箇所です。

これを言われた当初はビックリしたと思います。なぜなら、自分たちの敵の町で増えるように、そして町の繁栄を求めよと言われた。敵の町の繁栄を求めよと言われたので、自分の人間的な考えを超越している神の言葉にここで直面しているのです。

そして、中心的な聖句として「これはあなたがたに平安を与える計画であって、将来と希望を与えるものだ」というのですね。「そこでわたし（神）を求めよ。そもそも背教によってあなたがたがその町にいるのだから、その町で私を捜せ」というメッセージです。

今の時代とあわせて考えると、今の私たちのこの世の人々というのは、善を悪、悪を善とし、悪いものを引き寄せています。でもそれがあたりまえで、これが賢いライフスタイルなんだというような世の中なのです。そして神の民である私たちはそこにいる。非常にもどかしいいろいろ、あれやこれやを見せられて、神の言葉がないがしろ（軽視）される。こんなことがあっていいのかという状態でしょう。

しかもいいことを言っている人がインターネット上のあちらこちらにいて、ハッとつかみたくなるということではないかと思います。ですから、自分と神との間になにものをも差し挟まないようにという意味もこめてお読みしたいと思います。

ｰ続くｰ

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