───霊界の美を味わうことが出来るのは地上界で美を味わう
ことが出来た者だけというのは本当でしょうか。
(シルバーバーチが別のところで言ったことを念頭においての質問です。
「死が訪れると霊はそれまでに身につけたものすべて──
あなたを他と異なる存在たらしめているところの個性的所有物の
すべてを携えて霊界へ行きます。意識、能力、特質、習性、性癖…」)
「そんなことはありません。それでは不公平でしょう。地上では真の美的観
賞力を養成する教育施設がないのですから、数知れぬ人々が美を味わえ
ないことになります。霊の世界は償いの世界であると同時に埋め合わせの
世界でもあります。地上世界では得られなかったものが補われてバランス
を取り戻すのです。(中略)
霊界にはあらゆる美が存在しますが、それを味わう能力は霊性の発達
の程度いかんに掛かっています。たとえば二人の人間に同じ光景を見せ
ても、一人はその中に豊かさと驚異を発見し、もう一人は何も発見しない
ということも有りえます」
『シルバーバーチの霊訓(3)』P.164/L7~LB1
霊界の美しさは、それぞれの霊性に見合ったものしか味わえないといい
ます。この地上で美しいものを観賞できた人間だけが、霊界の美を理解
できるわけではないということです。
地上では芸術作品や雄大な自然美を味わうには、時間と金銭が必要です。
地上の何割の人間がそうした余裕を持った生活を送っているでしょうか。
霊界では地上で美を味わうことができなかった人も、霊界の美を味わう
ことができます。
そしてその美しさは地上に存在する美とは比べものにならないのです。
「霊界の世界の生活がどうなっているか、その本当の様子をお伝えす
ることはとても困難です。霊の世界の無限の豊かさについて、あなた方
は何もご存じありません。その壮大さ、その無限の様相(バラエティ)は
地上の、どこの景色を引き合いに出されても、どの壮大な景観を引き合
いに出されても、それに匹敵するものはありません」
『シルバーバーチの霊訓(8)』(潮文社) P.76/L1~L4
「私たちの世界は、皆さんには到底想像できないほど豊かで美しい世界
です。皆さんの聴覚を超えたオクターブの世界、皆さんの視覚の限界を
超えたスペクトルの世界がどうして説明できましょう。どうにもならないほ
ど説明が難しいのですが、それでも実在しているのです」
『シルバーバーチの霊訓(10)』(潮文社) P.102/L4~L6
たとえ、さまざまな理由で美を味わえない環境で一生を終えたとしても、
霊界では自分の霊性に応じた美を味わえます。
自分が顕現した神性に比例した美を感じるということです。