これは、私が高校に入学してすぐに、体験した話です。
私は特に人見知りする性格ではないので、すぐに友達ができました。
そして、毎日楽しい日々を過ごしていました。
ある日の放課後、私は教室でマンガを読んでいました。
教室には他に誰もおらず、割と静かな空間でした。
マンガを読みはじめてしばらくすると、もの凄い勢いで廊下を走っている音が聞こえてきました。
気になった私は教室を出て廊下を確認することにしました。
しかし、誰もいません。
「おかしいな」と思いながらも、マンガの続きを早く読みたい私は教室に戻りました。
すると、それまでとは違う、何か異質な空気を感じました。
私は人より霊感が強いので、何かただならぬ者がいることを察しました。
私は怖くなり、走って廊下をぬけ、非常階段まで駆け抜けました。
しかし、後ろからものすごい形相の女の子が、追い掛けてきたのです。
その顔は、本当に恐ろしいものでした。
目からは血を流し、足も違う方向を向き、首も折れかかっています。
とにかく私は必死に階段を駆け下りたのですが、「ついに追い付かれる」というその時、階段を踏み外し転げ落ちてしまいました。
ここからは、記憶がありません…
ふと気付いたときには、病院のベッドの上でした。
あの女の子の正体が気になってしかたない私は、お見舞いにきてくれた先生に聞いてみました。
すると先生は、涙を流しながら、こう話しました。
「10年程前、この学校で亡くなった女の子がいるんだ。多分その子だと思う。
その子は・・・皆から、ひどいいじめをうけていたらしい。
そして付き合っていた男の子にまで、ひどい仕打ちをうけるようになり、追い掛けられ逃げているときに、お前と同じように足を滑らせ、頭をうって亡くなったんだ。
その男の子の名前が、お前と同じ○○○○なんだよ。」