旭のB先輩からお預かりしたフィルムカメラのオンパレード

ハーフ版からフルサイズ645サイズ6x6サイズとバリエーションにとみ

先輩の写歴の長さを伺えます(現在もご夫婦で写真がご趣味です)

今日はその中から、二台目のピックアップで

左下の折り畳みなのに比較的新しいカメラのご紹介

 

1983年3月に富士写真フィルム株式会社(旧社名で記述)が発売を開始した

セミ判(6×4.5cm判)の蛇腹折りたたみ式の中判コンパクトカメラ。

もちろん120・220兼用のフィルムカメラです

このGS645はフィルムカメラ史上(市場?)最後の

蛇腹式カメラだと言われています。

その後2009年に6x7cmサイズのGF670が登場しましたが

645サイズでは最後の蛇腹式ですね

 

折りたたむときに蛇腹を使うわけで

ピント合わせはレンズ側のヘリコイドで行います

畳んだ時に一番短い状態、つまり無限遠にピントを置かないと

畳めません(シャッターもコッキングしておかないとだめです)

 

私はこういう「お作法」が大好きで・・・

カメラの構造が理解できれば、お作法にも納得できるという

変な信念を持っています。(くだらない思い込みでしょうが・・・)

 

私のミラーレスデジタル中判カメラとのそろい踏み

後ろの旧型になってしまった年長の兄弟が

ご先祖様を前に緊張気味?

 

臨戦態勢です

 

この後広角専用機で45mm(フルサイズ28㎜相当)が出て

最後に60mm(フルサイズ35㎜相当)が出ますが

どれも素晴らしいレンズ性能でした

 

この最初に出たGF645は名機と誉れ高い

ドイツの光学メーカーシュナイダー社のクセノタールに範を取った

レンズ設計で、絞り開放から恐ろしい解像度を持っていました

2010年頃までは蛇腹交換が社外でできていたようで

オーバーホールとセットで50000円くらいかかると記憶しています

 

ちょっと蛇腹が劣化しやすく、それだけがネックでしたね

 

ペルケオ(6x6)よりもかなり大柄ですが

ペルケオには無い距離計が入って

使いやすいカメラでした

 

当時の最新素材と技術でクラシックな設計のカメラを作る

これはフジの理念で距離計を作る技術を失わせないためという説明も受けました

AFが全盛の昨今、不自由を楽しむ

 

そんな人もいらっしゃいますので(私もそうかもしれません)

こういうカメラは貴重な産業遺産だと感じますね

 

残念ながら御多分に漏れず蛇腹が劣化しているので

逆に健康な内部構造とレンズが役に立つとの判断で

手元から巣立ってゆきました

 

ジャンクと言えば、タダ同然でしょうが

必要とする方がいらっしゃるうちに、どこかで活用してもらわないと

いつか、本当にフィルムが無くなったら

飾りになってしまいます

 

私個人の思い出は、このカメラの派生機である広角専用機をよさこい祭りの

スナップ撮影で使いました

レンズシャッターなので日中シンクロに強いのでグリップ式のストロボに付けて

気分は旧時代のグラフレックスを使うプレスカメラマン?!

その時一緒に地方車(演奏機材や照明を乗せる車)の上に並んで座ったのが

近代よさこいの立役者であった須賀ジャズダンススタジオの須賀先生

そして、同じチームでいつも先頭に居たのが

まだスガ先生のスタジオでインストラクターをしていた時久女史でした

*時久女史は現在「よさこいエイト」と呼ばれている振付の第一人者になりました

ニコンF3に500mmを付けてかなり圧縮した映像が次年度のよさこいのポスター

になったり、ステージの上でF90へストロボを付けてスローシンクロをしたものが

ポスターになったりと、楽しく力の限り写真を写していたころの思い出のカメラの一台です

 

使ってなんぼですので、我が家で飾りになるよりは幸せな余生を送ると判断しました。

取説を複写しましたのでご入り用の方はご一報を!