【謎の華麗なる現象】
この異常な現象は何なんだろう???
世代であるおじさまおばさま達だけならわかるが、10代20代の若い方々まで、口々にクイーン、クイーンと噂しあっているのだ。
フレディの人生は、いや、彼らの音楽はここまで時代を席巻するパワーを持っているのか??
うん。でも、そうに違いない。
映画を観れば、その確信がわかるはず。
僕はこれから感想を書きますが、「まだ観ていない」という方にも損にならないように書きますのでご安心を。
というよりもこの映画の性質からして、どんなにネタバレをしても、映画の価値が下がることはあり得ないと思う。
それは、音楽が核にあるからだ。
これだけの一大現象が起こっていて、リピーターが後を絶たない理由は特にそこにある。
<核に音楽がある>
そもそも彼らの音楽は、バリバリのハードロックにオペラなどの他ジャンルを混ぜ入れた独特なものであり、その性質はきわめてアナログチックで肉体的だ。
ボーカルのフレディ・マーキュリーの人間の限界まで広がる華麗な歌声や、温かみのある歌詞もそういうものだろう。
現在のDTMなどが占める電子的な流行音楽とは真逆の存在だ。
それがここまでウケたというのは非常に面白い。
まだまだ彼らのような音楽は可能性が無限のようあるし、世の中はそういう音楽を求めているということなのかもしれない。
この映画のフレディの歌唱はほとんどが本人のもので、彼らの音楽が全編に渡って映画館の大音量で流れ、音楽鑑賞のように親しんだり、ライブのように熱狂できるということが大きいのだろう。
<ストーリーや俳優たち>
物語はボーカルのフレディ・マーキュリーの半生を描いたものだが、緩急のついた素晴らしい出来だったと思う。
前半は勢いがあって気持ちよかったし、後半のフレディの「孤独」に焦点を当てた部分は丁寧に描かれていて上手く伝わってきた。
高揚感も、切なく泣けるドラマも味わうことができる。
俳優陣について。
とにかく実際の人物に似てる!
ギターのブライアンメイなんて若返った本人がやっているのかと錯覚するほどだった。バンドを包み込むような落ち着いた存在感も、イメージ通りで良かった。
フレディの男性の恋人や肉親も、写真を見る限りそっくりだ。
まあでも、今回は何と言っても、フレディ役のラミ・マレックがMVPだろう。
この手の伝記的映画は主演がダメだと台無しだ。
見た目がフレディそっくりという訳ではないが、ラミの動き、歌唱シーンは全く違和感が無く、カリスマ性もよく出ていた。
(それでいて、本物のライブ映像などを見るとやっぱりフレディのほうが凄いと思えるからちょうど良い。)
<クイーンについて>
最後に、クイーンという存在について。
今まで彼らについて、とても失礼な見方をしてた。
父親がこのバンドを好きだったので、小さい頃からヒット曲はほとんど知っていた。
しかし、最近までまともに聴いたことがあるオリジナルアルバムはボヘミアン・ラプソディが入っている『オペラ座の夜』くらいのもので、フレディマーキュリーの歌唱はすごいけど、その他の点は売れ筋路線に進んでしまった人気バンドというだけの印象だった。
特に『We Are the Champions』。
「何がチャンピオンだ。ガキか。アホらしい。」てな感じで、ずっと馬鹿にしていた。
ところがちゃんと聴いてみると、すべての人へ向けた賛歌であり、人生を歩んできた誰もが涙して大声で歌いたいようなアンセムである。
この映画でも、とっておきのシーンで出てきます。
ただ、それでもライブ・エイドのアクトだけは凄かったのを覚えている。
(この映画にはライブ・エイドへの出演シーンが出てきます)
ライブ・エイドは学生時代にDVDで全部観た。
僕はデヴィッドボウイが昔から好きで、ライブ・エイドではちょうど「ボウイ→クイーン」という出演順だった。
もちろんボウイのほうに注目して観ていたのだが、そのときは完全にクイーンがボウイを食ってしまっていた。
僕のクイーンへの見方はこの映画で大きく変わったし、そういう方々も多いのだろう。
1度観たときは、あと1回観れば充分だろうと思った。
そんで2回目を観た。。。
でももう1回観たい!!
となるのだ。
多くの人が癖になる華麗なる魔法のような映画。
是非、ご鑑賞を。
