「何を聞こう?」と焦るほど相手が離れていく——質問の矢印を「外」に向ける話
カウンセリング講座に通っていたとき、グループセッションで「なぜここに来たのか?」を話し合う場がありました。僕は「人の本質を追求したいから」と答えました。一瞬、会場が静まり返って、でも、温かい拍手をもらいました。あのとき感じた感覚が、今の仕事の原点になっています。――話を聞く場面で、多くの人が最初につまずくのが「質問」です。「何を聞けばいいんだろう」「次の質問、どうしよう」このように頭の中が自分のことでいっぱいになると、会話の矢印が自分に向いてしまいます。矢印が自分に向いている状態で質問すると、相手は「自分の話を聞いてもらえていない」と感じます。どれだけ丁寧な言葉を使っても、相手の心にはなかなか入っていきません。――一方で、矢印を「相手」に向けると、質問は自然に出てきます。そのときの一つのコツが、「相手が使った言葉をそのまま使う」こと。たとえば、相手が「最近なんかモヤモヤしてて」と言ったとき、「そのモヤモヤ、もう少し教えてもらえますか?」という感じです。自分で考えた言葉ではなく、相手の言葉をそのまま返す。これだけで、相手は「ちゃんと聞いてもらえた」と感じます。――また、「間(ま)」についても大切な話があります。人はそれぞれ、自分なりの間の取り方があります。少し沈黙があっても、それはその人のペース。「何か言わなければ」と焦って話を埋めようとするのではなく、その沈黙を一緒に感じてみる。その好奇心が、質問よりも深く相手の心に触れることがあります。――質問のやり方には「オープン(開かれた質問)」と「クローズ(閉じた質問)」があります。・オープン:「どんなことが気になっていますか?」(5W1H型)・クローズ:「今のところ、AとBどちらがいいですか?」(はい/いいえ型)どちらが良い悪いではなく、相手のペースと会話の流れに合わせて使い分けることが大切です。営業の場では「クローズドを使ってYesを積み重ねる」とよく言われますが、操作的に使うと相手は感じます。あくまで相手のペースを感じながら、自然な流れで。――もう一つ、質問の「方向」についても。「これからどうなっていきたい?」(目的方向)「なぜそう思うの?」(因子方向)この2方向の質問を、流れに合わせて使うだけで、会話はぐっと深まります。――質問が怖いと感じていた自分が、今では「聞くこと」が仕事の核になっています。大切なのは、技術よりも向かう方向性。矢印を「相手」に向けること、それだけです。---もしこの話が少しでも響いたなら、メールレター「フミオの文」を読んでみてください。毎週、販売・傾聴・働き方について、現場から書いています。▼ 登録はこちらから(無料)https://17auto.biz/fun_letter/registp/entryform11.htm