ねえミッキー
アヒル野郎のお見舞いにいってきたよ
腕から細いチューブを出していてね 少しかわいそうだったな
僕がいくと 憎まれ口を叩いたけど なにを言っているのかは わからなかった
舌が痺れて うまく話すことができないみたいだった
それから僕はアヒルの彼女と一緒に 敷地内の食堂で簡単な食事をしたよ
彼女は ほとほとアヒルの野郎に愛想を尽かしているみたいだった
でもねミッキー
僕は彼女に 別れるべきじゃないよ って言ったんだ
おかしいだろ? この前僕は 彼女と寝たいと思っていたのに
彼女は不思議そうな顔をして「あたしと寝たくないの?」って言ったんだ
昼間のね そうだな 三時過ぎの病院で そんな会話ってないよね
僕は正直に言ったよ きみとは寝たい でも アヒルとは別れるべきじゃない
「あなた それって都合が良すぎるわよ」
「そうかな でも本心だ」
「それって 寝ることだけが目的で あたしのことなんて必要ないみたい」
「そういうことじゃないよ 誰だっていいわけじゃない」
「嘘よ あなたがゴルフ場にいったら グリーンで下着を脱ぎそうだもの」
「いや違う そんなことはないさ きみが いいんだ」
「でも あたしじゃなくてもいいんでしょう?」
僕は黙ってしまった さらに彼女は こんなことも言ったよ
「あたしが誰かさんに似てるから 寝たいんでしょ?」
ねえミッキー これは嘘じゃないんだ 本当に僕は
そんなことを意識していなかった
だけどね 確かに言われてみれば 彼女は 僕が失った あの子に
少しだけ 似てた
「いいわよ 寝てあげる」
彼女はそう言った 僕たちはコロンビアの近くのホテルで 寝た
その後で彼女はスリップを着ながら言ったんだ
「あなたが言うのなら あたしは彼と別れないことにするわ」
「だって あなたのことが好きだもの だから言われた通りにするわ」
「いいこでしょ?」
「ガアガア」
彼女はそう言って笑った アヒルの真似をして ガアガアって 笑ったんだ