撮影日 2024.7.23
撮影場所 各写真に記載
先月暑い中、涼を求め雲仙にバスで行きました。個人的に
島原には旅行や仕事で何度も行った事が有り、普賢岳の麓
付近までは行った事が有りますが、雲仙温泉に行くのは
初めてでした。
雲仙には諫早から小浜・雲仙を経て島原に向かう島鉄の路線
バスが走っています。登山路線として知られているので、
実際に乗車して乗り心地を堪能しました。
(一枚目)
・新幹線開業後、初めて諫早を訪れました。諫早駅も大きく
様変わりしていましたが、今回訪問時もキハ47の普通列車に
乗って江北駅から到達した為、まだ西九州新幹線には乗って
いません。
長崎県営バスと島鉄バスは駅前ロータリー内に共同のバス
ターミナルが設けられていますが、かつては駅前に個別に
ターミナルが設けられていました。
写真の諫早ターミナルホテルは、かつて1階が島鉄のター
ミナルでした。しかし2007年に長崎県営バスが島原半島内
から一度撤退した際、バス乗り場は近くの県営のターミナル
に集約されました。
新幹線開業による諫早駅の再開発で県営のターミナルは廃止
され、ロータリー内に新たにターミナルが設けられましたが、
ターミナルホテルは今でも残っています。
(二枚目)
・諫早~雲仙~島原間は雲仙温泉を通る唯一の公共交通機関で
有り、全国版時刻表示も掲載される観光路線で島鉄のメイン
路線とも言えます。
直通便は無く、雲仙で系統分割されています。諫早~雲仙、
雲仙~島原間はそれぞれ平日9往復で全便普通便です。
諫早駅前から雲仙までは1400円で約1時間30分です。尚島鉄
バスではこのルートを含んだ企画切符を複数発売しています。
かつては県営バスも長崎から諫早・小浜・雲仙経由で島原まで
走っており、今よりも賑やかでした。近年再び県営バスも雲仙
までの路線が復活しています。
さて、かつての島鉄バスは山間部の観光地帯を走る路線が多い
為、一般路線車はエアサスでメトロ窓のトップドア車が新製
されていました。そして大型車は高出力エンジンでした。
昔の島鉄は日野車で統一されていた為、ブルーリボンや
レインボーのトップドア車だらけでした。
県営バスの島原半島撤退で県営バスの長距離路線用三菱車
(トップドア又は前後折戸)が入り、鉄道線の部分廃止で長崎
バスから前後折戸のいすゞ・日野車が移籍し、更に首都圏
から様々な車種の移籍車が入り島鉄バスは様変わりしました。
国産4メーカー(+一時期ヒョンデの貸切も在籍)が勢ぞろいし、
今までいなかった西工や富士ボディ車も登場しました。
乗車予定のバスの前に来た、口之津行きはオリジナルのトップ
ドアレインボーが入っていたので、オリジナルのブルーリボンを
期待していましたが…。
まだまだ綺麗な諫早駅前バスターミナルにやって来たのは…。
(三枚目)
・乗車した諫早市役所・愛野(愛の夢未来センター前)・小浜
経由雲仙行きは長崎バスカラーそのままのU規制キュービック
でした。1995年式で、長崎バス時代の車番1516がそのまま
残っています。
近年島原鉄道は長崎バス傘下となり、車両の移籍が行われ
長崎バス時代のカラーのまま走っています。この車両も車体
裾の社名が変わった程度です。
行先表示器はLED改造されましたが、前面は長崎バスの特徴的な
分割スタイルのまま、側面も幕式時代の特大サイズの名残を
留めています。
リーフサスでローバックシートとは言え、比較的座席数が多く
高出力エンジンなので雲仙普賢岳越えにはもってこいでしょう。
(四枚目)
・観光路線とは言え普通の路線バス、雲仙に向かう観光客と
近距離利用のお客さんを乗せ出発しました。インバウンドの
利用者もいました。
諫早駅前を出発し市街地を抜け、暫くは島鉄線沿いに有明海
側を走ります。愛野駅近くで進路を南に変え、島原半島の
南側に広がる橘湾の方に進みます。
そして橘湾に突き当たった場所が写真の愛野展望台です。
(五枚目)
・お土産屋さんも設けられていますが、平日だった為か車は
まばらでした。この付近で長崎から橘湾沿いに進んできた
国道251号線と合流します。
(六枚目)
・同じく愛野展望台付近です。
眼下に橘湾(千々和湾)が見えます。
島原半島沿岸を走る道路でも、有明海側は比較的平坦ですが
橘湾側はかなりアップダウンが有ります。
雲仙登山の前に既にバスはかなり勇ましいエンジン音を立てて
走っています。
(七枚目)
・橘神社前バス停です。
ここは日露戦争で活躍した橘中佐を祀る為に建立された
神社です。ここには他に天正遣欧使節の一員として有名な
千々和ミゲルの記念碑も設けられています。
(八枚目)
・まだ普賢岳の登山は始まっていませんが、バスは海沿いの
アップダウンを越えて行きます。もっともこの車は長く
長崎の町中で満員の乗客を乗せ、アップダウンの坂道が続く
中猛スピードで走っていた筈なので、何の問題も無いのかも
知れません。
そろそろ小浜温泉に近い場所まで来ました。
尚かつて愛野から小浜までは雲仙鉄道が走っており、ひょっと
したらどこか廃線跡が写っているかも知れません。
(九枚目)
・島原半島西岸の著名な観光地、小浜温泉に近づきました。
海岸沿いにホテルが広がっています。
車内放送でも近づいたあたりで小浜温泉街に入ったという
アナウンスが流れました。
(十枚目)
・小浜にはバスターミナルが有ります。
構内には長崎バスの低床車塗色の中型エルガミオらしき車両が
停まっていました。
長崎バスが一時期運行していた、東長崎地区の路線向けに
中古で購入したKK規制のエルガミオワンステ(元京急バス)
でしょうか。長崎バスは中古車の導入は珍しく、逆にたまに
放出元になっていてかつては箱根登山鉄道に移籍した事例も
有ります。
(十一枚目)
・如何にも好ましいスタイルの島鉄バス小浜ターミナルです。
ここからは島原半島西岸沿いに南端の口之津まで走る路線が
分岐しており、諫早~口之津間は結構な長距離です。
ここで一度下車したかったですが、行程上下車出来ず。
名物の小浜ちゃんぽんも食べてみたいものです。
(十二枚目)
・小浜温泉街を進み、西登山口バス停で国道57号線は左折し
普賢岳への登山を始めます。
ここからいよいよ本格的な山登り始まりです。
これは西登山口バス停付近ですが、写真でも右の道とバスが
進む左の道の高低差が分かります。
(十三枚目)
・島原半島西岸の橘湾に別れを告げ、半島を横断して行きます。
高出力エンジンのキュービックとはいえ、流石に苦しい感じの
エンジン音を立てて走ります。
島鉄オリジナルのブルーリボンや、長崎バス移籍のキュービック・
ブルーリボンは高出力エンジンなのでまだ良いでしょうが、
日野レインボー長尺ノンステ(オリジナル又は東武移籍)や中型の
オリジナルのレインボーⅡ(ワンステ又はノンステ)がこの路線を
走っていたのは驚きました。床が擦らないのでしょうか?
(十四枚目)
・普賢岳に向け山道を進むとすぐに民家は無くなります。
そしてひたすらに坂道とカーブが続きます。
写真は蔭平口バス停付近だったかと思いますが、七曲に
なっていて大型のバスは運転が大変そうでした。行楽
シーズンで観光バスが連なる時は大変そうです。
尚この辺りは全く民家が無い為、時折現れるバス停も全く
乗降は有りませんでした。場所によっては藪にバス停が
埋もれていた場所も有りました。
次回に続きます。
参考HP 島原鉄道株式会社