撮影日   2023.5.14

撮影場所  西武鉄道拝島線 萩山駅

 

前回に続き昨年の関東旅行の記事です。

西武新宿駅から「拝島ライナー」に乗車し萩山駅まで利用

しました。ここで降りたのは、「サスティナ車両」導入で

数を大きく減らす予定の「黄色い電車」2000系・9000系を

撮影する為でした。

余り撮影出来ませんでしたが、紹介して行きます。

 

(一枚目)

・西武鉄道は所沢近辺の路線網がかなり複雑で、この萩山駅は

拝島線と多摩湖線がクロスしています。

このジャンクションなら黄色い電車が来るだろうと踏みました。

 

やって来たのは新2000系の2055編成×8連の各停 多摩湖行き

でした。多摩湖線は一部の拝島線・新宿線直通列車を除き

基本的に萩山駅発着の線内折返し列車で、9000系のワンマン車が

使用されている様です。

代走で新2000系の4連の車掌乗務列車も走るようですが、この

列車は拝島線から直通の臨時列車だった様です。

 

西武2000系については過去に紹介しています(2018.11.9)。

西武鉄道 新旧2000系 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

6年前訪問した際はトップナンバー編成も撮影出来ましたが、

残念ながら2021年度に廃車されてしまいました。

(二枚目)

この2055編成は新2000系グループで、11次車として

1992年に西武所沢工場で製造されました。

2000系全体でも最後の増備分で、中間車の一部は1993年の

製造です。後期製造分なので貫通扉窓と側戸袋窓が大型、補助

電源もSIV、CPは交流タイプが採用されています。

同時に所沢工場で製造された2097編成は中間車の一部がVVVF

制御で、界磁チョッパとVVVF制御混成の試作編成でしたが、

既に廃車されています。

 

西武2000系はかなり車番の付け方が複雑で、2097編成の

次に導入された編成ですが車番が行き詰まるのを防ぐ為、

2055編成と若返った車番が付与されました。

尚1989年に6両の初代2055編成が登場していますが、

本編成登場前に2045編成に改番された為、この編成は

2代目です。

(三枚目)

この編成は新2000系では少数派のリニューアル車です。

行先表示器のフルカラーLED化・戸袋窓閉塞・シングルアーム

パンタ化が行われ、通風器も現在は撤去されています。

車内も大幅に変わり、写真で見える様に白系の化粧板に青い

バケットシート化及び車椅子スペース設置、車内案内装置の

設置が行われました。以前一度乗りましたが、未更新車との

内装の違いに驚いた記憶が有ります。

尚殆どの車両が更新された旧2000系と違い、新2000系の

リニューアル車は後期の6・8両の一部に留まり、多くは

部分的な更新に留まっています。

リニューアル車も置換えの見込みですが、8両編成の一部は

編成短縮されて6両になっており、最後まで生き残りそうです。

(四枚目)

こちらは多摩湖線の主役、9000系9104編成の多摩湖行き

です。新2000系と良く似たマスクですが、こちらは元々10両

固定編成での登場なので電気連結器は有りません。

又新2000系後期グループベースの車体なので貫通扉窓や側

扉窓・戸袋窓は大型で登場しました。

行先・種別表示器も同時期登場の6000系と同じく英字表示で

製造されています。

撮影時は前照灯はLED改造されており、種別表示は表示されて

いませんでした。

 

西武9000系については以前紹介しています(2018.8.27)。

西武鉄道 横瀬車両基地の保存車両など | 303-101のブログ 

(ameblo.jp)

3ドアでラッシュ時に不向きだった101系の置換の為、西武所沢

工場で101系の足回りを流用し新2000系の車体を製造、車内は

6000系ベースにしたものです。

新2000系と違って10両固定編成となり(一部は4両で早期落成)、

足回りは抵抗制御で発電ブレーキ併用の電磁直通ブレーキ(101系

時代の抑速ブレーキは撤去)で登場しました。

その後2003年から20000系ベースのIGBT素子のVVVF制御に

改造され、モーターは135kwの交流モーターに交換され駆動

方式も中実軸平行カルダン駆動となりました。

一方ブレーキは回生ブレーキ付きとなりましたが101系や4000系と

同じく電磁直通式のままで、台車も交換されていません。

 

省エネ仕様に改造され、車体は新しいにもかかわらず2017年から

廃車が発生し、8本中3本が廃車されました。

残る5本については中間の6両のみ廃車され、残る4両はワンマン

改造が行われ2020年から多摩湖線と西武園線で使用されています。

「サステナ車両」は非VVVF制御車置換予定との事ですが、本形式は

果たしてどうなるのでしょうか?

(五枚目)

この9104編成は1995年製(中間の一部は1996年落成)

で3次車です。現在は多摩湖方からクハ9000+モハ9900+モハ

9200+クハ9100形となっており、オリジナル車の両端

2両ずつを活用して4両としています。

この車両はモハ9904で、補助電源のSIVとCPを搭載して

います。弱冷房車となっています。

(六枚目)

相方モハ9204です。編成短縮により新たにモハ9900形と

ユニットを組んだものです。

この車両はパンタグラフと制御装置を搭載しています。

パンタグラフはVVVF改造でシングルアーム式に交換されており

(最終増備の9108編成は当初からシングルアーム)、更に

ワンマン改造時に2基に増設されています。

(七枚目)

登場時に比べ大きな改造が加えられていますが、行先表示器は

幕式のままとなっています。

但し種別表示部分は車体色のフィルムが貼られています。

西武でも幕式の車両は新2000系の一部や新101系、4000系、

10000系(10112編成除く)など数少なくなりましたが、9000系は

表示が限られている為か幕式のままです。

(八枚目)

戸袋窓は封鎖されましたが、外観は簡易的な仕様になって

います。車内側からは綺麗な仕上がりですが。

2013年から全編成に施工されています。

上写真の様な新2000系リニューアル車とは大きく違います。

尚他に西武では6000系アルミ車もこの様な簡易的な封鎖と

なっています。

(九枚目)

こちらは国分寺方先頭のクハ9104で、反対側のクハ9004と

違いバッテリーは搭載していません。

9000系は元々モハ9200・9900形に車椅子スペースが設置

されていましたが、ワンマン改造時に両先頭車にもフリー

スペースが設置されています。

パノラマミックウインドウにステンレスの飾り帯がカッコいい

スタイルです。

(十枚目)

こちらは同じ多摩湖線でも国分寺行きの9102編成です。

多摩湖線は国分寺駅~萩山駅~多摩湖駅間の路線で、一部は

拝島線方面に直通する他萩山駅折り返し列車も存在します。

ワンマン運転ですが車内収受は行っていません。

この編成は1993年製の1次車で、中間の一部は1994年落成

でした。

9101・9102編成はスカートの切り欠けが9103編成以降に

比べ大きくなっています。

前照灯は全編成がLED改造されています。

(十一枚目)

・クハ9102の台車、FS072です。

電動車は同型のFS372で、いずれも101系又は5000系の

廃車発生品です。

西武鉄道では101系以降2000系・3000系等で新製し、

4000系・9000系・10000系と言った改造車でも採用

されました。オーソドックスなペデスタル式のダイレクト

マウントタイプの空気バネ台車です。

西武本体のみならず系列の伊豆箱根でも採用された標準的な

台車ですが、「サステナ車両」の導入が続くと本形式が

最後となるかも知れません。

(十二枚目)

こちらはモハ9202です。

ワンマン改造でパンタグラフ増設・通風器撤去・クーラー更新・

クハ9000形へのバッテリー設置・各先頭車フリースペース設置・

行先表示器の改造・補助電源のSIV化が行われています。

転落防止幌は9107編成から新製時に設置されましたが、後年

全編成に設置されています。

(十三枚目)

モハ9902です。

9000系は西武の通勤車では最後の鋼製車体で落成し、101系

以来長く続いた新性能通勤形の黄色塗色(101・3000系は

窓周りがグレーで登場)も最後の採用となりました。

現在は9103・9108編成以外が黄色一色となっています。

果たして久々の鋼製車体となる、元小田急8000系が黄色に

なるのかどうか…。

 

次回に続きます。

 

参考文献  鉄道ピクトリアル No.716 2002.4

      臨時増刊号 【特集】西武鉄道 

 

参考HP   ウイキペディア 関連ページ