撮影日   2024.4.30

撮影場所  JR九州久大本線 由布院駅

 

今年のゴールデンウイーク期間中、臨時快速「ゆふいん」号が

久大本線の久留米駅から由布院駅間に1日1往復運行されました。

運行日は4月27・29・30・5月1~4・6日までの8日間限定で、

途中は日田駅しか停車せず特急停車駅の天ヶ瀬駅や豊後森駅にも

停車しない異色の列車でした。

全車指定席で、観光列車扱いで指定料金券は¥1,680となって

いました。

停車駅数は少ないですが、後述する様な使用車種の関係もあってか

2時間20分程掛かり、1時間40分台で走破する特急「ゆふ」

「ゆふいんの森」より所要時間は掛かっていました。

 

たまたま乗車する機会が有りましたので、今回からその際の記事を

掲載して行きます。

 

(一枚目)

・今回は由布院駅から久留米駅までの上り列車に乗車しました。

私は行程の都合上、大分駅から由布院駅に至り、一度下車してから

「ゆふいん」号に乗車する事にしました。

 

これは黒く塗られた駅舎が特徴的な由布院駅です。

生憎の雨模様でしたが、インバウンドの利用客も多く見られ大変

賑わっていました。

(二枚目)

大分駅からの普通列車を降りると、既に構内に快速「ゆふいん」

号が停まっていました。

由布岳を望みつつ、一時の間休んでいました。

 

この「ゆふいん」号に使われていたのは、何と先日引退した

「SL人吉」号に使われていた50系客車700番台でした。

牽引機は残念ながらDE10形でしたが、これはこれで貴重です。

何と言ってもこの「ゆふいん」号は久々にJR線で設定された

客車普通列車だったという点が貴重です。

「SL人吉」号の運行終了後、50系客車は団体等で使われた事は

有りましたが、そのまま引退かと思っていたので大変驚きました。

(三枚目)

・由布院駅の駅舎とキハ200形、そして快速「ゆふいん」号です。

さほど広くない構内は観光客と「ゆふいん」号目当ての利用者で

賑わいを見せていました。

 

尚久大本線ではかつて50系客車使用の定期普通列車が長く走って

いました。民営化後も九州では12系客車と50系客車が筑豊本線や

久大本線で普通列車として残存しており、他社での客車普通列車が

消える中でも残っていました。

DE10形が牽引しており、「タウンシャトル」のヘッドマークを

付けていた事、50系客車は冷房化され1000番台となり車内に

冷房機器が設置され、末期はベンチレーター撤去車がいた事、

汚物処理装置の関係から末期の50系客車は12系客車と混結して

いた事等が記憶に有りますが、1999年に久大本線の普通列車は

廃止、筑豊本線も電化に伴い2001年に客車列車は廃止され、

それによりJR線内から快速「海峡」以外の50系客車の定期運用は

消滅しました。

よって実に25年ぶりに久大本線に臨時ながら一般乗車可能な

50系客車の普通列車が蘇った事になります。

(四枚目)

3号車、オハフ50 702の展望室です。

久留米駅から到着したので、こちら側が最後部でした。

恐らくこの後、機回しを行ったのかと思いますが一度途中下車

していて不在だった為、その時の光景は撮影出来ず。

隣の草生した側線を使ったのでしょうか?

尚4月27日と5月6日はプッシュプル運行だったそうです。

(五枚目)

同車のドア付近のロゴです。

去る3月23日を以って「SL人吉」号は運行を終えましたが、

ロゴ類はそのまま残っていました。

引退直前、鹿児島本線で撮影した時と外観は変わっていない

様でした(2024.3.19)。

間もなくお別れ SL人吉(1) | 303-101のブログ (ameblo.jp)

(六枚目)

JR九州はサボにはこだわりがあるのか、臨時列車でも

しっかり作られる印象が有ります。

このサボは「快速 ゆふいん 由布院⇔久留米 指定席」と

なっています。車体色に合わせて黒地に金色です。

(七枚目)

暫くして戻ってみると、既に機回しが行われDE10形が久留米駅

方面の先頭に立った後でした。

ホーム上屋も列車も黒く塗られ、まるで示し合わせたかの様に

統一が取れています。

ホームでは多くの人が撮影を行っていました。

(八枚目)

牽引機はDE10 1207でした。

1969年から登場した1000番台車の一員で、エンジンがDML61

ZB(1350PS)に変更され、蒸気暖房(SG)を備えたグループです。

1200番台は1210がラストなので、末期の製造分で1972年

川崎重工製のA寒地仕様車、3軸台車がDT141となった車両です。 

(九枚目)

DE10形はセミセンターキャブ機で、運転台前後でキャブの

長さが異なっています。

又運転台が入換時の利便性を考慮し、横向きになっているのが

特徴的で、今回の様な長い仕業だと大変なのではないでしょうか。

 

新鋭・DD200形の登板も期待していましたが、ベテランDE10が

登用されました。久大本線では長くDE10形が使用されており、

DD200の久大本線でのハンドル訓練が行われた話も聞かないので、

仕方が無いでしょう。

(十枚目)

こちらは長い方のキャブ側面です。

JR九州では現在でも事業用や客車牽引の為に複数のDE10形が

残存しており、全車黒塗り+金色の手すり+赤ステップに

なっているのが特徴です。

但し用途の一つであった「ななつ星」の回送時の牽引には

新鋭電気式機関車・DD200が使われる様になり、一方新型

検測気動車BE220導入でマヤ34の牽引は消滅する見込みです。

DD200の増備予定も有るので先行きは短そうです。

(十一枚目)

所属表記は「熊」となっています。名札タイプでは無く

車体に直接書かれています。転属の可能性は無いのでしょうが、

実際は竹下に常駐する車両もいます。

換算表記は「積 6.5 空 6.0」です。

川崎重工の製造銘板が付いています。

(十二枚目)

改めて客車の写真で、3号車オハフ50 702です。

この車両に乗ったのは2回目で、同時に50系客車に乗ったのも

2回目となります。

前回は「SL鬼滅の刃」に充当された時だったので、今回は

初めて元の姿での乗車となります。

以前乗車の際の記事はこちらです(2020.11.22)。

SL鬼滅の刃に乗車(壱ノ型)! | 303-101のブログ (ameblo.jp)

元はオハフ50 40で富士重工製、1988年に改造されました。

(十三枚目)

「SL人吉」の前身、「あそBOY」用客車に改造され700番台と

なり、両先頭のオハフ50形は片側に展望室が設置されました。

各車とも二重屋根となり、片デッキに改造されています。

又冷房化も施工されています。

窓は原型の2段窓ですが、車体に合わせ黒く塗られています。

(十四枚目)

2号車は緩急室・トイレを持たないオハ50形オハ50 701です。

元は新潟鐵工所製のオハ50 75で、335両が製造されました。

700番台に改造の際、ドアは折戸に変更され車内にビュッフェが

設置、床下に電源装置も設置されました。

(十五枚目)

1号車オハフ50 701です。富士重工製のオハフ50 39が

種車で、JR九州では改番後も元の車両の番号が分かる様になって

いる例が多いですが、50系客車700番台は例外です。

 

「あそBOY」で親しんだ豊肥本線から肥薩線の「SL人吉」に

活躍の舞台を移した際、客車については黒一色のデザインに

ロゴが入るものにリニューアルされています。

(十六枚目)

オハフ50 702の銘板です。

ブレてしまい読みにくいですが、上から「JR九州 小倉工場

平成21年改造」、中間は不明で一番下は「宇都宮 富士重工

昭和53年?」と読めます。

(十七枚目)

オハフ50 701の標記類です。

上から「形式 オハフ50 自重 32.7t 換算 積 4.0

空 3.5」「28-3 小総車」です。

最終全検は2016年の様ですが、次回は受けられるか…。

 

次回に続きます。

 

参考HP   九州旅客鉄道プレスリリース(公式 2024.3.26)

 

      DL履歴表 Team DE10

                   

      RailFile.jp

   

      ウイキペディア 関連ページ