撮影日   2024.1.21

撮影場所  熊本市交通局 上熊本電停(3枚目は県立体育館前)

 

先日熊本を訪れたら市電唯一のレトロ調電車・8800形101号が

運用に就いていました。

以前この記事でも紹介しています(2022.4.12)が、今回車内も

撮影出来たので再度掲載します。

熊本市交通局 8800型 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

 

(一枚目)

・臨時系統 辛島町行きの101号です。

途中折り返しの為臨時系統となっており、珍しい行先・系統です。

 

101号は1993年に1両がアルナ工機で製造されました。本車は

市電開業70周年及び当時開催予定の地方博覧会に合わせてイメージ

アップを図り、レトロ調デザインとなりました。

この時期には9200形が製造されていましたが、何故か前形式の

8800形の一員となっています。8800形も前後ドアで異端的な存在

な為、特殊な車両という事でまとめたのかも知れません。

車体長は他の8800形より少し短く13,500㎜で、9200型と同じです。

ドア配置は9200形と同じく前中4枚折戸です。

 

レトロ調という事で角ばった車体となり、屋根上機器もカバーされ

二重屋根風となっています。

前面窓は大型の1枚窓で前照灯も窓下1灯、前面床下には救助網が設置

され側窓も2段窓?になっています。

塗色も茶色ベースでレトロ調となっています。

当時はバスでも観光地向けにレトロ調の特別デザインバスが登場して

おり、当時の熊本市営バスでも大型車と小型車を採用しています。

小型車は熊本城周遊バス用でしたが、大型車は一般路線バスに入って

いたのが特筆されます。

(二枚目)

反対側の前面で、車端部は絞られています。

前照灯はLEDぽく見えますが?

熊本市電では顔認証実験の取組を行っており、そのステッカーが

貼られています。他にもクレジットカードのタッチ決済やQR

コード支払いにも対応しており、かなり先進的です。

 

製造以来、大きな変化は有りませんが近年機器更新が行われ

制御装置が9200形と同じくIGBT素子の物に交換されています。

集電装置は新型Zパンタのままで行先表示器も幕式を堅持して

おり、側面はサボを併用しています。

尚撮影時は市電開業100周年という事で記念のラッピングが

施されていました。

(三枚目)

・同車の全景です。

写真右側の運転台側には昔の路面電車でのお馴染み・ポールが

付いていますがダミーで集電には使われません。

二重屋根も機器を隠すだけのダミーです。

 

レトロなスタイルですが足回りは当時最新のもので、VVVF

制御装置で回生・発電ブレーキ併用の直通空気ブレーキです。

駆動装置はWN駆動で50kwモーターを2基装備します。

台車はインダイレクトマウント式のコイルバネ台車でシェブロン

ゴム式軸箱支持方式の住友製FS-89Bで、9200形と同じ

足回りです。

(四枚目)

・上熊本から県立体育館前までの一区間ですが乗車しました。

まずは運転台です。

外観とは裏腹に近代的で、2ハンドルですがデスクタイプです。

運転台部も木目調となっています。

運賃箱はクレカ決済にも対応している新型です。

(五枚目)

車内も外観に合わせ木目調の化粧板・床板となっており、袖仕切りは

木製です。又丸形の照明や真鍮製のパイプでレトロ且つ古風な感じを

演出していますが、天井は平天井となっています。

運転台仕切り上部の黒いものは顔認証用のモニターです。

(六枚目)

座席はオールロングシートです。モケットは元々赤紫系で

したが、近年市電標準の緑系に張り替えられ優先席は上写真の

様に背もたれが青色です。

カーテンは横引きで窓枠にはRが付いており、優美に見せています。

吊手は一般的なオニギリ型です。

(七枚目)

ドア付近の座席は左右側面とも一部が折り畳み式となっており、

9200形と同じく車椅子に対応しています。

ドアの内張りも木目調で、各所を可能な限りウッディにしています。

機器更新やモケット張替が行われていますが床は草臥れており、

使い込まれた木の質感、とは言えません。

(八枚目)

吊手に貼られたタッチ決済の案内も気になりますが、車内には

100周年にあたって行われたフォトコンテストの写真が展示されて

いました。この様なイベント事にはもってこいの電車です。

 

以上です。