撮影日   2023.10.23

      (10枚目は2019.1.3、11~13枚目は2021.4.6)

撮影場所  各写真に記載

 

前回の続きで先日阿蘇・日田旅行をした際に熊本で撮影した

市電の写真を紹介します。

今回は80年代から90年代にかけて製造された軽快電車グループ

(8500・8800・9200形)を紹介します。

日本初のVVVF制御車、8200形は今回は見られませんでした。

 

(一枚目)

通町筋電停で撮影した8500形8502号です。

A系統 健軍町行きでエネルギー関係のラッピングです。

 

この8500形は以前こちらの記事で紹介しています(2022.4.9)。

熊本市交通局 8500型 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

8200形に続き1985・86年に4両がアルナ工機で製造された

ものですが、本形式は1200形の機器流用車となりました。

よって種車由来のスイングハンガータイプのコイルバネ台車に

直接制御、吊り掛け駆動のままとなっています。

次の8800形以降は再び完全な新車となった為、機器流用車は

本系列だけです。熊本市電で最後まで残る吊り掛け駆動車と

なるかも知れません。

(二枚目)

近年リニューアルが行われ、後述する車内改造と共に行先表示器の

フルカラーLED化が行われました。市電では9700形のリニューアル車、

9701編成と本系列だけの存在です。

英字表記も行われ大変見やすいです。

(三枚目)

8502号の車内です。

元は8200形と同じく片側ロング・片側1人掛け転換クロスという

構成で、クロスシートは8200形と違い自動転換可能でした。

しかし2021年にクロスシート部の座席は撤去され、何と一挙に

座席定員が半減してしまいました。

その際、窓には保護棒が設置され座席が少ない旨のステッカーが

貼られました。

 

しかし苦情が多かったのか、その後撤去部にはロングシートが

設置され、結果オールロングシートになりました。

写真の座席は新設部のロングシートで、元のロングシートは座席

下が暖房で埋まっているのに対し、こちらは簡易的です。

但し座席撤去時に壁側にヒーターが設置されている為座席設置後も

活用されています。

保護棒は撤去されました。

 

床は座席撤去時に張り替えられていますが、壁はそのままで照明も

蛍光灯のまま、車椅子スペースも無い為リニューアルとしては

簡易的です。モケットは既存部の座席も含め張り替えられました。

座席撤去の先駆け、JR九州も増設してくれないかな…。

(四枚目)

辛島町電停を走る8503号です。

A系統 田崎橋行きで銀行のラッピングです。

こちらも座席撤去・再増設及びフルカラーLED改造が行われて

います。

8500形は8200形と違い前ドアだけ引戸になりましたが、後継

形式では再び全て折戸になりました。

側面ドア脇は系統表示用のサボと行先表示器が有ります。

行先表示器は使用停止となっていましたが、LED化で復活しました。

(五・六枚目)

通町筋電停のA系統 田崎橋行き8504号です。

フリーペーパーのラッピングです。

8503・8504号は1986年製造分です。

 

この車も座席再増設・フルカラーLED改造が行われています。

4両全車とも座席撤去・フルカラーLED改造が実施されましたが、

8501号も座席の再増設が行われた可能性が有ります。

又、今回見た3両ともクーラーの更新が行われていましたが、

パンタグラフは新型Zパンタのままでした。

(七・八枚目)

続いて、今回1両だけ撮影出来た8800形8802号です。

通町筋電停での撮影で、B系統 健軍町行きです。

この形式は以下の記事で紹介しています(2022.4.12)。

熊本市交通局 8800型 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

 

8800形は1988年に2両、1993年にレトロ調の増備車101号の

3両がいずれもアルナ工機出製造されました。

1988年の2両は再びVVVF制御の完全新製車となり、シャープな

デザインで大幅に変更されました。

側窓は逆T字窓となり大幅に見栄えが良くなりました。

座席はオールロングシートに戻りました。

 

又この2両は過去に存在した170形(現 長崎電軌600形)以来の

前後折戸となりましたが、結局このグループだけの採用でした。

この2両はいずれも友好都市の名前が付いており、塗色も特別です。

8802号は「桂林」で、8801号はシングルアーム化されましたが

この車は新型Zパンタのままです。

クーラーは更新されていますが、101号以外はVVVF制御装置の

更新は行われていない様で(予防保全工事は施工?)、GTO-VVVF

制御のままの様です。

ドア配置の為か余り見かけない気がしますが、ドア配置は変更

されないのでしょうか?

(九枚目)

続いて、今回初紹介の9200形です。

今回全車の写真が揃ったので、過去の写真も含め紹介します。

写真は9200形で唯一友好都市の愛称を持つ9201号で、「ハイデル

ベルグ号」となっており、塗色も特別です。

(水道町電停撮影・A系統 健軍町行き)

クーラーの更新が行われています。

下の9202号と共に1992年製で、全車アルナ工機製です。

(十枚目)

過去に辛島町電停で撮影した9202号です。

A系統 田崎橋行きで健康食品のラッピングです。

8800形の増備形式ですが、前面の傾斜は抑えられドア配置は

8200形と同じく前折戸・中4枚折戸に戻りました。

側窓は逆T字窓で車内はオールロングシートです。

車体長は8800形の13700㎜から少し短くなり、13500㎜と

なりましたが、8500形の12000㎜よりは長いです。

又本形式の座席は一部が車椅子対応で折り畳み式となりました。

(十一・十二枚目)

こちらも過去撮影の9203号でお菓子のラッピングです。

11枚目が市役所前、12枚目は辛島町電停です。

 

足回りは基本的に8800形と同じで、WN駆動でモーター出力は

50kw×2基、ブレーキは発電・回生ブレーキ併用の直通空気

ブレーキです。制御装置は当初GTO-VVVF制御でしたが、2011年

から全車IGBT素子のものに更新されました。

台車は8800形を改良した、シェブロンゴム式軸箱支持装置の

コイルバネ台車、FS-89Aです。

(十三枚目)

9203号の運転台です。

ツーハンドル式で、計器類はアナログ式でデスクタイプです。

窓が大きいので見通しは良さそうですが、夏は暑いかも。

マスコンには三菱のスリーダイヤモンドが主張しています。

(十四・十五枚目)

続いて今回、通町筋電停で撮影の9204号です。

B系統 健軍町行きでテイクアウトピザのラッピングです。

9203と9204の2両は1993年製造です。同年製造のレトロ調

電車101号は機器やドア配置、車体長も9200形に準じて

いますが、特殊車故か8800形とされています。

クーラーは全車更新されている様です。

(十六枚目)

通町筋電停で撮影した、9205号です。B系統 上熊本行きです。

こちらは1994年製の最終増備車で、以後熊本市電の車両は超低床式

連接車となりました。

9200形は側面ドア脇のサボと幕式方向幕が双方活用されています。

又9205号は市電初のシングルアームパンタ車です。

(十七・十八枚目)

8802号と並んだ9205号です。

似たスタイルですが、前面は傾斜が違う他、スカートの形状も

異なります。

尚9200形は9201号以外はラッピングの機会が多く、中々

オリジナルの塗色が見られませんが9203~9205号は

写真がオリジナル塗色です。

9202は似たデザインながら緑の斜め帯が無く、窓周りが青く

塗られているのがオリジナルですが、見た事は有りません。

 

超低床車の割合が増えつつも、今後も活躍が期待出来そうです。

8200形を見られなかったのは残念ですが。

 

次回に続きます。

 

参考文献  鉄道ピクトリアル NO.688 2000.7

                  【特集】路面電車~LRT

 

参考HP   ウイキペディア 関連ページ