撮影日 2023.6.23
撮影場所 下電バス 児島営業所
※敷地外公道から撮影
JR児島駅から少し離れ、児島の町中に位置する下電バス児島
営業所は、興除営業所と共に同社の路線バスの運行を担っています。
かつての鉄道線の児島駅のすぐ隣にしており、先日訪問した際は
バラエティ豊かな車両が揃っていました。
(一枚目)
・広々とした敷地内に色とりどりのバスが停まっていました。
路線車を主力に一部特定車や貸切車が停まっていました。
下電バスの主力業務の一つとも言える児島ボート輸送用の
車も多い様です。
まずは写真中央部の車両右側から、
・H850(ブルーリボンワンステ)
・I422
・I243
・H851(96MCワンステ)です。
I422とI243は近年大量導入された小田急バス中古のエルガノンステ
です。元々下電バスのいすゞ車は少数派で、キュービックツーステが
同じく少数派の三菱車エアロスターMと共に1台ずついた程度でした。
しかし2000年頃からエルガミオノンステやガーラ貸切車等が導入され、
近年は移籍車や新車で勢力を拡大しています。
尚2台とも同形式ですがI422は前面にベビーカーマークが貼られ、
「ノンステップバス」のロゴが入り、クーラーユニットも小型です。
H850と851は後程紹介します。
・車番 I422 ナンバー 倉敷230あ422 年式 2004 所属 児島
形式 いすゞKL-LV280L1 大型スロープ付ノンステップ車
前グライドスライド中引戸 黒サッシ逆T字窓 LED表示器
アイドリングストップ装置付 新塗色
小田急バス移籍車 希望ナンバー
・車番 I243 ナンバー 倉敷230あ243 年式 2002 所属 児島
形式 いすゞKL-LV280L1 大型スロープ付ノンステップ車
前グライドスライド中引戸 黒サッシ逆T字窓 LED表示器
アイドリングストップ装置付 新塗色
小田急バス移籍車 希望ナンバー
(二枚目)
・整備工場側には特定やボート輸送用と思われる車がいました。
手前から、
・H918
・I051
・N449
・H455です。
H918号車はトップドアの特定車で、ブルーリボンⅡのツーステ
です。同社は支援学校スクールバスを多数運行しています。
I051は先代ガーラのハイデッカー(ガーラHD)で、当時下電
グループでは珍しかったいすゞ車です。写真では分かり辛いですが
11m級短尺のN尺車で全国的にも少数派です。
元は下電観光バス所属でした。岡山ナンバーで興除所属の様です。
N449号車は下電の主役だった日デ+7E路線車をボート輸送用に
転用したもので、「ボート輸送」と幕が出ています。
H455は日野セレガRハイデッカーで、一時期下電の高速や貸切に
多数いました。元は高速車で後部トイレ付きでしたが、現在は
I051と共にボート輸送用がメインの様で前面に幕が掛かっています。
現在のトイレの有無は不明です。
・車番 H918 ナンバー 倉敷230あ918 年式 2009 所属 児島
形式 日野PKG-LV234N2 大型トップドアツーステップ車
黒サッシ逆T字窓 新塗色 希望ナンバー スクールバス用特定車
・車番 I051 ナンバー 岡山230あ10-51 年式 2000 所属 興除
形式 いすゞKL-LV781N2 大型ハイデッカー車 11m級短尺仕様
スイングドア サブエンジン式冷房 黒サッシT字窓 貸切仕様
貸切色
・車番 N449 ナンバー 倉敷200か60 年式 1994 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-UA440NAN 大型長尺ツーステップ車
黒サッシ逆T字窓 前中折戸 幕式表示器 旧塗色 ボート輸送用
・車番 H455 ナンバー 岡山230あ455 年式 2004 所属 興除
形式 日野KL-RU4FSEA 大型ハイデッカー車 スイングドア
サブエンジン式冷房 黒サッシT字窓 高速仕様 高速色
(三枚目)
・中央付近は路線車がメインで停まっていました。
下電路線車の新塗色は白バンパーが多いですが、96MCボディの
H851はバンパー下部が黒く塗られている他、富士7Eボディ車は
黒く塗られています。
下電の車番はメーカーの略称+製造年の末尾なので、例えば
N449だと日産ディーゼル車で×××4年式とすぐ分かります。
又岡山ナンバーは興除、倉敷ナンバーは児島と大体分かれている
様ですが、異動でナンバーが分かるせいか最近の車は希望ナンバー
で車番と合わせています。
(四枚目)
・中央付近右側から、
・I233
・N328(推定)
・I843です。
I233は最新鋭の新型エルガノンステで、白色LED表示器です。
ジーンズバスラッピング車です。近年の新車は新型エルガが
続いています。
N328はナンバーが汚れて見えにくいですが、恐らく「岡山22か
35-75」かと思われます。
上のN449と同型ですが新塗色です。下電の路線車はKC規制の
ワンステ車から新塗色になりましたが、塗色変更は基本行わず
この様なラッピング車だけ変更した例が有りました。
前面行先表示器の「回送」が片寄っているのは分割タイプの
方向幕の為です。
I843も同じく新型エルガですが標準タイプのLED表示器です。
下電バスはかつて日野と日デ車がメインでしたが、近年はいすゞ
車が多数入っています。
・車番 I233 ナンバー 倉敷230あ233 年式 2022 所属 児島
形式 いすゞ2KG-LV290N3 大型スロープ付ノンステップ車
前中引戸 黒サッシ逆T字窓 白色LED表示器 新塗色
アイドリングストップ装置付 希望ナンバー ジーンズバスラッピング
・車番 N328 ナンバー 岡山22か35-75 年式 1993 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-UA440NAN 大型長尺ツーステップ車
黒サッシ逆T字窓 前中折戸 幕式方向幕 新塗色 富士7Eボディ
・車番 I843 ナンバー 倉敷230あ843 年式 2018 所属 児島
形式 いすゞ2KG-LV290N2 大型スロープ付ノンステップ車
前中引戸 黒サッシ逆T字窓 LED表示器 新塗色
アイドリングストップ装置付 希望ナンバー
(五枚目)
・続いて中央付近右手から、
・N842
・B021
・N332
・B305です。
N842は前中引戸の富士7E2段窓ツーステなので、一時期大量
移籍した西武中古のU規制車に見えて実は西東京バス移籍の
KC規制車です。西東京バスの7Eツーステは同時期のJP中型
ロングワンステが路線用だったのに対し特定用に導入された
ものです。移籍時に路線改造されています。
B021は下電初のエルガミオですが、初のノンステで且つ久々の
いすゞ車そして久々の中型車と初物尽くしの車でした。
下電バスは色付き方向幕を採用していた為、「回送」表示が
緑地になっています。分割式では無く一体型の方向幕です。
尚下電バスの中型路線車はC・中型ノンステはBと名乗って
いますが、大型9m車と中型ロング車は大型車と一緒です。
N332は同社唯一のJPワンステで、唯一の中型ロング車です。
西工オリジナルマスクが独特です。
「下電 鷲羽山夕陽鑑賞バス」と分割して表示されています。
後程紹介します。
B305はB021と同型のエルガミオですが、LED表示器です。
下電の中型車は少数派で、90年代初頭から暫く導入が途絶え
ましたが、2000年代にエルガミオを複数導入し経年車が置換
られました。現在の下電の中型車のメインはKK規制のエルガミオ
です。下電の車両は豪華仕様でしたが、この辺りからシンプルな
内装になりました。
・車番 N842 ナンバー 倉敷200か842 年式 1998 所属 児島
形式 日産ディーゼルKC-UA460LSN 大型リーフサス・ツーステップ車
銀サッシ2段窓 前中引戸 LED改造車 新塗色 富士7Eボディ
西東京バス移籍車 元特定用
・車番 B021 ナンバー 倉敷200か70 年式 2000 所属 児島
形式 いすゞKK-LR233J1 中型スロープ付ノンステップ車
前中引戸 黒サッシ逆T字窓 幕式表示器 アイドリングストップ装置付
新塗色
・車番 B305 ナンバー 倉敷230あ305 年式 2003 所属 児島
形式 いすゞKK-LR233J1 中型スロープ付ノンステップ車
前中引戸 黒サッシ逆T字窓 LED表示器 アイドリングストップ装置付
新塗色 希望ナンバー
(六枚目)
・ここからは営業所裏側の下電の廃線跡から撮影した車両達です。
N431号車は西武から一時期大量に入った7Eツーステで、オリジナルと
合わせて下電バスでは7Eが一大勢力を誇っていました。
この車は元3ドア車で後部ドアを埋めたのが特徴です。
中国地方では他にも井笠・トモテツ・尾道市営・サンデン等が富士
ボディのヘビーユーザーでしたが、現在でも広島バスと並び下電は
富士ボディを多数保有しています。古めの車が多いのが心配ですが、
秘宝「5E」も現役です。捕獲したのでいずれ紹介します。
その左、2枚目で紹介したH455セレガRは高速車時代の後部サボ受けが
残っています。
貸切塗色のI051と高速塗色のH455では後部が違っているのが分かります。
・車番 N431 ナンバー 岡山200か510 年式 1994 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-UA440LSN 大型リーフサス・ツーステップ車
銀サッシ2段窓 前中引戸 LED改造車 新塗色 富士7Eボディ
西武バス移籍車 元3ドア車
(七枚目)
・かつて下電バスはブルーリボンの大型長尺ツーステ車を多数導入しており、
純正及び西工58MCボディ車が存在していました。
それらは引退してしまった様で、現在残る唯一のブルーリボンのH850
号車です(他に大型9mでブルーリボンツーステが残存)。
下電で一台だけのブルーリボン純正ワンステで、下電のオリジナル大型車では
逆に?少数派の標準尺です。
下電初のバリアフリー対応車のJPワンステN332に続いて導入されたスロープ
付きワンステで、同車と共に希少な前中4枚折戸です。
窓一杯サイズの特大方向幕、角型ブレーキランプに横引きカーテンと特徴的な
車で、車内もカバー付きで厚手のセパレートハイバックシートが並び、
ワンステ車では異例の豪華仕様を誇ります。
バブリー?な90年代の下電バスの集大成と言えるかも知れませんが、この時期
新車導入が少なく2000年代以降質素な仕様になりました。
尚県内では他に中鉄にも同時期にブルーリボンワンステが導入されており、
こちらもハイバックシートの豪華仕様で、1台ずつ仕様が違います。
・車番 H850 ナンバー 倉敷230あ850 年式 1998 所属 児島
形式 日野KC-HU2MMCA 大型スロープ付ワンステップ車
黒サッシ逆T字窓 前中4枚折戸 幕式表示器 新塗色 希望ナンバー
(八枚目)
・1枚目で触れたH851号車の後部です。ラッピングされています。
下電バスは1994年頃までは景気が良かったのか?新車が多数入って
いましたが、その後新車導入が一挙に減りKC規制では1998年に3台
しか入りませんでした。
もっともこの3台は新塗色が初採用され、又ワンステとなりましたが
全て仕様が違いました。
このH851は上のH850と同型ながら西工96MCボディで、長尺と
なっており且つスロープ無しで前中折戸です。もう一台N852も
入りましたがこちらはH851と同じく長尺で前中折戸の96MC
ワンステながら日産ディーゼル車で、下電路線車で最後に導入
された日産ディーゼル車です。
又下電では58MCは多数在籍していましたが、96MCはこの2台だけ
となっています。前面分割方向幕もこの年式が最後です。
車内はツーステ時代と同じくセパレートハイバックシートが並び、
横引きカーテン付きですが窓ガラスはブロンズガラスで、H850と
共に豪華仕様です。
・車番 H851 ナンバー 岡山22か40-98 年式 1998 所属 児島
形式 日野KC-HU2MPCA 大型長尺ワンステップ車
西工96MC B-Ⅱボディ 黒サッシ逆T字窓 前中折戸
幕式表示器 新塗色
(九枚目)
・そして未だに多数残るオリジナルの7Eツーステです。
下電バスでは80年代中頃から大型長尺エアサス車で黒サッシ
逆T字窓、前面分割・側面特大方向幕にハイバックシートという
豪華仕様の車を多数導入していました。
関東ならワンロマ車と言えるかも知れません。
私が岡山にいた10年程前は既に大分数が減っていましたが、
今回訪問時も生き残っていて嬉しく思いました。
尚下電バスのドア配置は前中折戸・前中引戸・前後引戸・前後
折戸・前中4枚折戸(ワンステのみ)が時期によって入り乱れて
おり、この7Eツーステも初期車は前後引戸でしたが引退した
模様です。
KK規制以降は前中引戸に統一されました。
(十枚目)
・既にボート輸送用に転用された車も多い様ですが、このN448
号車はジーンズバスラッピングとなっているので路線運用に
入るのではないかと思います。
児島は縫製業で有名で、国産ジーンズ発祥の地となっており
ラッピング車が複数在籍する他、「ジーンズバス」として循環
バスも運行されています。車内でデニム生地を展示した専用車を
運行する力の入れようです。
7Eでは無くエルガミオなのが残念ですが。
・車番 N448 ナンバー 倉敷200か63 年式 1994 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-UA440NAN 大型長尺ツーステップ車
黒サッシ逆T字窓 前中折戸 幕式方向幕 旧塗色 富士7Eボディ
ジーンズバス
(十一枚目)
・同型のN330号車で、こちらはラッピングされておらず旧塗色が
拝めます。
この93年式が動態保存的な扱いの85年式5Eを除くと最古参と
思われ、既に30年目で県内でも古参の領域です。
・車番 N330 ナンバー 岡山22か35-77 年式 1993 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-UA440NAN 大型長尺ツーステップ車
黒サッシ逆T字窓 前中折戸 幕式方向幕 旧塗色 富士7Eボディ
(十二枚目)
・ラッピングがちょっと残念な同僚N329ですが、路線運用に入る
機会は多いのかも知れません。
幕式方向幕車の後部行先表示器は「下電バス」で固定されており
(幕式のエルガミオはそもそも後部表示器は無し)、緑地に斜体の
字体です。社名表示を出すバスも見なくなりました。
下のN332は同期の車ですが…。
・車番 N329 ナンバー 岡山22か35-76 年式 1993 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-UA440NAN 大型長尺ツーステップ車
黒サッシ逆T字窓 前中折戸 幕式方向幕 旧塗色 富士7Eボディ
(十三枚目)
・最後に、今回の訪問の目的の一つだったJPワンステN332号車です。
前面1枚窓の西工オリジナルマスクが特徴で、下電ではかつて中型
ツーステのRB系やJM系も同じマスクで導入していましたが、既に
引退しています。
この車は特徴だらけで、下電初(岡山県内初)のワンステ且つスロープ
付きのバリアフリー対応車にして下電唯一の中型ロング車です。
日デJP系は県内では他に中鉄の関東バス移籍ノンステだけです。
同時期の他の路線車と同じくブロンズガラスの黒サッシ逆T字窓
ながら4枚折戸を採用し、ハイバックシートですが同時期の車と違い
赤モケットとなっています。
又同時期のJP系では珍しくクーラーユニットが前置きで、後部ブレーキ
ランプは西鉄や北九州市導入車と同じく角型3連タイプです。
元は路線限定で導入された為、写真の様に専用塗色になっています。
色々と転々した後、児島循環バスに転用されたと聞いたので乗りに
行ったらエルガミオ…。
現在では幕に有る様に鷲羽山夕景鑑賞バス運用がメインらしいですが、
曜日限定で且つ夕方しか動かずハードルが高い運用で…。
同期の車が残っているとはいえ既に30年目の古参車で、そろそろ
先行きが不安です。
全国的にU規制のJP系は大分減っていると思われ、希少な車なので
一度は乗って見たいものです。
・車番 N332 ナンバー 倉敷200か15 年式 1993 所属 児島
形式 日産ディーゼルU-JP211NTN 西工ボディオリジナルマスク
中型長尺リーフサス・スロープ付ワンステップ車 黒サッシ逆T字窓
前中4枚折戸 幕式方向幕 専用塗色 鷲羽山夕景鑑賞バス
以上です。
参考HP 下津井電鉄株式会社(公式HP)
下電情報サイト MASAのページ