能のことだま 2 緊急事態宣言3日目 | 「日々の初心」能楽師・武田祥照のブログ

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能楽師の日々をつづったblogです。
日頃縁の遠いと思われがちな能楽が少しでも身近なものになれば幸いです。

緊急事態宣言3日目が終わろうとしています。

人手は減らず、効果があるのだろうかとテレビでは評論家の方が言っています。

 

能のことだま 二日目は

前回もご紹介した「高砂」からもう一つ

 

「言の葉草の露の玉 心を磨く種となりて

生きとし生けるものごとに 敷島のかげに寄るとかや」

 

松と和歌の徳を称える、サシの部分からの引用です。

 

一昨年小学校にワークショップにお手伝いに行った際に、先輩がこの部分についてお話しをされておられて

いいなぁと思い、ご紹介することにしました。

 

言葉という葉っぱにつく雫の玉は、人の心を磨く材料となって

生き物すべて(おそらくここでは草木なども含むと思います)は和歌の徳のもとに集まるでしょう。

 

といった意味でしょうか。

 

この能のことだまという企画をしようと思ったのも、この詞章からです。

 

能の言葉が力を持ち、僕自身の心を磨き、みなさんの元へその思いが届いくならば、

能楽師としてこれほどに嬉しいことはありません。

 

そのような謡を謡い、舞台をしたいものです。