「日々の初心」能楽師・武田祥照のブログ

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能楽師の日々をつづったblogです。
日頃縁の遠いと思われがちな能楽が少しでも身近なものになれば幸いです。


テーマ:
みんなも出来る!

観世ヨリのつくり方をご紹介します。

って、多くの方が観世ヨリって何?と思われるかもしれません。

観世ヨリは翁烏帽子のヒモのことです。
下の写真が翁烏帽子。
この白いヒモを観世ヨリと言います。


通常の烏帽子は紫色に染めた組み紐を使い、それは職人さんが作ります。
しかし、翁烏帽子は組み紐ではなく、観世ヨリを使い、これは能楽師が手作りします。

なぜ、観世ヨリと言うのか、(恐らく観世撚り、もしくは観世縒りという字かと思いますが)、分かりません。

翁烏帽子は「翁」に使うゆえにその名称がついているものと思いますが、その他「春日龍神」や「歌占」などの神官の役、「小督」など貴族の男性に使うケースが多いです。

我が家の観世縒りは、12、3年ほど前に父が「翁」を勤める際に親子三人で作りました。

今回は12月に弟が「春日龍神」を勤めるので、作ることにしました。

観世縒りの材料はみっつ。
①麻紐 
完成品が2メートル50センチほどの長さが必要になります。少し太めの麻紐二本を縒って作るので、6メートル20センチ必要でした。

②和紙
これは特に指定はありません。薄い和紙を一センチ巾の短冊形に切って、握るなどしてしわしわにしておきます。
今回は奉書を使いました。

③大和のり
少し水に溶かし、筆も用意すると良いです。

材料が揃ったら、いざ。
まずは6メートル余りの紐を半分にして、麻紐の縒りをねじってさらにきつくします。


ピンと張った状態で、固定します。

次に、そこへ和紙を糊ではり、巻き付けていきます。



そのときに、しっかり和紙を紐に巻き付けることが重要です。
空気が入ってしまったり、端が浮いたりしたりして、ぶかぶかしたり、巻き付けた後の紐の太さが太くなったりすると、このあとの過程が上手くいきません。

この和紙を張るのがとても大事。
完成品の美しさが決まります。 

手がベトベトになっても、しっかり、美しく巻きます。笑
 
すべての紐に和紙を張るのに、二時間くらいかかりました。

糊が多少乾くのを待ちます。
乾きすぎると、次の過程が上手くいきません。
紐がしっとりくらいが良いです。

次に、二本の紐を縒っていきます。



ぎゅっぎゅっと折るようなイメージで、二本をねじり、縒ります。

下が完成品のドアップです。


張った状態で、糊が完全に乾くのを待ちます。

烏帽子に着けた完成品の姿は12月1日の朋之会で!
弟が「春日龍神」を勤めさせて頂きます!

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