3θのブログ -10ページ目

TRUSTRICKのステージ⑳(PREMIUM LIVE UNION 2016 9月25日)

TRUSTRICK(神田沙也加×Billy)の久々のライブに行ってきました。

今回のタイトルは

「TRUSTRICK PREMIUM LIVE UNION 2016」。

デビューから公演を追うごとに会場が広くなってきて、

今回は赤坂BLITZということになりました。

 

ライブや新アルバムのプレス情報も出揃ったところで、

当日を振りかえってみたいと思います。

 

沙也加さんのライブとしては珍しく好天。

物販開始に合せて早目に到着しましたが、もうすでに行列ができていました。

皆さん出足が早いですね。

相変らずファン層は幅広く、まさに老若男女という感じです。

 

今回から物販が日本コロムビアさんに替ったようですね。

残念ながら、ICカードステッカーは寸前のところで売り切れでした。

 

17時から入場となります。

Aから順番に列を作っていきます。
A700を数えたところで、2階席の入場、

最後にBという運びでした。

 

2016年9月25日(日) 18:00~ 赤坂BLITZ 2階指定席G列 下手寄り

 

今回、私の席は今回2階の指定席。

ステージはやや遠いけれど、座って観られるのは楽なので、

今回トライしたところ運良く取れたものです。

 

1階ロビーで飲物をもらってからお花をひと眺め。

着席してからは、2階の関係者席に座っている芸能人らしき方を

あれは誰だろうかと考えてみたり、1階の状況を眺めていたりしているうちに、

開演時刻となりました。

 

まずは過去の映像が連続で正面スクリーンに映しだされます。

こうして続けて観ると、それぞれの曲についての思い出がよみがえり

何か感慨を覚えますね。

 

バンドメンバーが次々に登場します。

並びはいつもと同じで、下手から順に

ベースのやまちゃん(山崎英明さん)、

ドラムのかっくん(角本雄亮さん)

キーボードのこばやん(coba84さん)

最後にギターのBillyさん。

 

そして拍手に迎えられて最後に沙也加さんが登場します。

 

1曲目は「ATLAS」。

デビュー曲にして王道のバラード。

沙也加さんの声が響き渡ります。

まさにTRUSTRICKの代表曲という感じです。

 

2曲目はこれもバラードの「beloved」。

熱唱が続きます。

沙也加さんの詞は切ないですね。

 

3曲目。

沙也加さんの合図で始まった手拍子をバックに、滑らかなギターのイントロが

流れ始めました。

「If -君が行くセカイ-」ですね。

「ATLAS」とリード曲を争っただけあって、いい曲です。

沙也加さんの指先の動きもきれいです。

 

4曲目が始まる前にポーズをとる沙也加さんのシルエットが見えます。

少し足を広げたところで、力が入りました。

おや「FLYING FAFNIR」かな。

 

当りでした。

「行くよ~」と客席を煽ります。

上から見る1階席も、みんな手を振り上げてノリがいいです。

Billyさんの間奏でさらに盛り上がります。

熱い演奏が終了したところで、下手に退場しようとする沙也加さん。

あわてて引きとめるBillyさん。

 

沙也加さん曰く、

「この流れでは終了でしょ」

 

いやいやそうじゃないということで、最初のMCが入りました。

まずは改めてのご挨拶。

「こんばんは」

「TRUSTRICKです」

 

今回のライブはファンによるリクエスト投票制であることを紹介。

ここまでの4曲は、そのランキング通りだそうです。

 

そして、ここからは東京だけの選曲とのことでした。

 

最初は「TRICK or HOLIC」。

聴きなれているCDとは違って、ライブでのアレンジもまたいい感じです。

投票した曲でもあり、しっかり楽しみました。

 

続いてはノリのいい「kissing」。

そして「Jealousy Jelly」。

この辺りは定番の人気曲なので、客席もしっかり手を振り、

ステージと一体化して大盛り上がり。

2階から見ても気持ちが良かったです。

 

曲終りで沙也加さんが

「暑っついねえ」

「ちょっと汗ふいてくる」

と言って袖に引っ込みました。

 

そこでBillyさんのMC。

新アルバムのトラックダウンが終わったことをまず報告。

あとは客席から声がかかり、梅田ライブの際の寝坊事件などのトーク。

 

沙也加さんがなかなか戻ってこないので、あたふたし始めたところに、

客席から「ギターソロ」との声がかかりました。

 

Billyさんは救われた感じで即採用。

少しフレーズを弾いた後、メンバーに 「業務連絡 Eフラでお願いします。」

 

ドラムがリズムを刻み始めると、すぐにキーボード、ベースがそれに合せ

Billyさんのソロを盛り上げます。

Billyさんは時折下手袖に目をやり、状況を確認しながら演奏を続けます。

 

流石、手練れの面々。

Billyさんのリーダーぶりもいいですね。

素晴らしいセッションでした。

 

戻ってきた沙也加さんはすかさず客席に向かって「ありがとうございます」。

「さらっさら」とも。

 

ライブ後半の1曲目は、これも東京だけとの前置きの後、

「いつかの果て」。

 

次は「アコースティックなコーナー」。

 

ライブ会場では初の試みとのことで、前々からやりたいと思っていたそうです。

ちょっとヴィーナスフォート教会広場のミニライブを思い出しました。

 

最初は、ものすごく順位が高くて意外だったという曲。

曲紹介に当って沙也加さんから会場に2択の質問が投げかけられました。

 

「イントロを聴いてうわっとなるのと、曲名を聞いてうわっとなるの どっちがいい?」

「イントロ うわっ」が選択されました。

 

キーボードとメロディとギターのアルペジオで始まりました。

最初のフレーズではわかりませんでしたが、すぐに「うわっ」となりました。

ライブでの選曲は「Iolite」以来ということでしょうか。

坂本真綾さんカバーの「雨が降る」。

「意外と思った」のも納得です。

 

澄んだ高音がよく響いていました。

アコースティックで聴くには本当にピッタリの選曲でした。

 

次は「MIRRORS」。

Billyさんのコーラスも素敵です。

 

コーナーの最後は「Escape」。

これはすごく気持ち良く聴けました。

アレンジも良かったし、沙也加さんの声がとてもよく伸びていて、

Billyさんのつけるハーモニーともぴったり。

かっくんが叩くカホンの音色もいい味でした。

 

続くMCで、新アルバム「TRICK」発売決定の紹介。

EPに入っている曲も収録しているので、

「新しい曲が全然ないのは、いやじゃん」ということで

「15曲入り」を持ってきたそうです。

 

しかけがスゴクあるそうで、「言いたいわぁ」と2度も言っていました。

でもダメだそうです。

ツアーについてもアナウンスがありました。

 

さて、ライブも終盤ということになりました。

 

「mint gum」。

最近のリリースですが、これも人気が高い曲みたいですね。

ノスタルジックな感じが支持を集めているのでしょうね。

 

「innocent promise」。

メイド姿が浮かんできます。

アニメの内容にも合ったいい曲ですね。

オープニングの映像が眼に浮かんできました。

 

そして最後は「Proud」。

ランキングの上位にあるそうです。

自分の気持ちに近いところで書き起こせたという曲。

もともとはDVD「Iolite」のエンディングとして作られていたと思いますが、

ファンに寄り添ってくれる沙也加さんを感じさせてくれますね。

 

沁みる詞とメロディ。

余韻を残して本編が終了となりました。

 

拍手に応えてアンコールに登場。

今度は衣装も江ノ島盾子チックに変身しています。

 

そして待ちに待った、 「Recall THE END」です。

アップテンポなメロディに乗って、沙也加さんが客席を煽ります。

 

アニメの内容を充分に意識しての歌詞。

最終回を控えてのタイミングでの披露となりました。

 

続いては、ダンガンロンパつながりの「REBORN AT CAUTION AREA」。

再演舞台「ダンガンロンパ THE STAGE 2016」の主題歌ですね。

カーテンコールのバックに流れる音楽として、耳馴染みはありますが、

こうして生演奏を聴くのは初めて。

江ノ島盾子の熱演が眼に浮かんできました。

 

メンバーがいったんはけてから、ダブルアンコールに登場。

沙也加さんは黒の衣装に着替えていました。

 

ここでサポートメンバーが紹介を受けながら順次呼び入れられます。

今回、ステージの上手下手前方にちょっとしたお立ち台が作られていましたが、

こばやんがその上に立って、喝采を受けていました。

 

ダブルアンコールはまず「未来形Answer 」から。

これもアニメ主題歌ですね。

沙也加さんの書く歌詞は、いつもアニメの内容をしっかりと理解した上で、

愛情をもって取り組んでいるのがとてもいいですね。

 

しめくくりの曲は前回ライブで、これを終わりの定番曲にしたいと言っていた、

「それが奇跡だと知らない」。

手拍子もありました。「タンタンタンタン タンタンタンタタ」

 

客席との掛け合いのあるリズミカルな曲。

この曲をもって、楽しかったライブも終了となりました。

 

大満足のセットリストでした。

お気に入りの「TRICK or HOLIC」や「If -君が行くセカイ-」も聴けました。

最終投票結果の発表も早く見たいものです。

 

 

セットリストです。

ロビーに張り出してあったリストの標記通りに掲げておきます。

 

 

TRUSTRICK PREMIUM LIVE UNION 2016

        TODAY’S SETLIST

 

M1  ATLAS

M2  beloved

M3  If -君が行くセカイ-

M4  FLYING FAFNIR

M5  TRICK or HOLIC

M6  kissing

M7  Jealousy Jelly

M8  いつかの果て

M9  雨が降る

M10 MIRRORS

M11 Escape

M12 mint gum

M13 innocent promise

M14 Proud

     ENCORE

M15 Recall THE END

M16 REBORN AT CAUTION AREA - thema of danganronpa the stage 2016-

    DOUBLE ENCORE

M17 未来形Answer

M18 それが奇跡だと知らない

 

 

最後にロビーのお花です。

当日はわかりませんでしたが、その後のアルバムの詳細内容解禁や

テレビの放映で納得できました。

 

 

大地真央さん     

  「 1周回って知らない話」で、沙也加さんがコメントを寄せていましたね。

SUGIZO

  「TRICK」内の楽曲「I wish you were here. 」にバイオリン演奏で参加。

黒崎真音さん

  アニサマで共演、「DEAD OR LIE」でコラボ。

chelly(EGOIST)さん

  「TRICK」内の楽曲「TRICK 」にゲストヴォーカルで参加。   

ふなっしーさん

  おなじみですね。

NACK5さん

  ラジオ番組「GOLDEN 4 EGGS」でおなじみですね。

ダッチママスタジオさん

  TRUSTRICKのレコーディングスタジオですね。

コロムビアソングス株式会社 前山寛邦社長

  TRUSTRICKの所属レーベル会社さんですね。

 

 

 

神田沙也加さんのステージ36(ダンガンロンパ THE STAGE 2016 まとめ編)

再演となった舞台公演
「ダンガンロンパ THE STAGE 2016」
に行ってきました。

全33公演が無事に千穐楽を迎え、沙也加さんのブログもアップされた
ところで、感想をまとめておきたいと思います。
ネタバレがありますので、ご留意願います。

マイ初日は、公演2日目の6月17日(金)の六本木でのマチネ、
マイ千穐楽は、大千穐楽の7月16日(土)の関内公演でした。
それぞれの会場での千穐楽を観ることができました。

日を追うにつれ、著しく進化を遂げていく舞台を、追っていけたのは
とても楽しかったです。
席も良かったですしね。(2列目センターという日もありました。)

初演の内容とは、「かなり変わったな。」というのがマイ初日を終えての
印象でした。

今回、演出が田尾下哲さんに替っています。
お初かと思って経歴を調べてみたら、オペラやミュージカルを手掛けることが
多い方のようです。
あれ一回、田尾下さんの演出を観ていました!
2012年1月の「BONNIE & CLYDE」でした。

田尾下さんのTwitterにも注目していました。
すると開幕を直前に控えて、興味深いつぶやきが・・・。

その一は、5月10日。

「公式でも発表してもらいましたが、今回は “おしおき” をやります。」

どうやって再現するのだろう…。

そしてその二は、6月13日。

「江ノ島盾子役の神田沙也加さん。ついに一緒に仕事が出来る日が!!
into the woodsも、woman in whiteも、みな客席で見ていました。
沙也加さんとエノジュンを一緒に作れる喜び…。沙也加さんの芝居を見て
新たに追加したあのシーン…withhighly respects」

新たに追加したあのシーンで何だろう???
期待が膨らみます。

マイ初日は、初の特別傍聴席でした。
特典の台本を受け取って席に着くと、すぐに2幕後半をチェック。
クライマックスのシーンの台本は初演時と変わっていないようです。
ということは・・・。

舞台に目を向けると、ステージ中央に赤を基調とした希望ヶ峰学園の校舎。
ステージ奥が高くなっていて、ここも舞台になっているようです。

さあ、開演です。
客席後方から苗木くんの声が響き始めました。
初演とは異なり、冒頭に「プロローグ」が追加されていて、
苗木くんの状況説明の台詞から始まるようになっていました。

苗木くんが舞台に上り、赤いパネルの中へ入って行きます。
扉が閉じて・・・。

音楽とともにパネルが開きます。
2階部分には大きなLEDがあって、希望ヶ峰学園のエンブレムを
映しだしています。
そして、1階部分は教室になっていて生徒が二人座っています。
苗木くんと舞園さんのようですね。
ここからは、見覚えのある展開になっていきます。

今回ブログを書くに当って、新旧の台本をじっくりと比較してみました。

すると、思っていたより変更箇所が多いことを発見。
同じ台詞でも、しゃべる人が変わるところも。
やや冗長なところをカットした箇所や。シーンの順番を入れ替えて
いるところもありました。
変更後の方がずっと締まっていることになるほどなと。

そして、田尾下さんが「本郷奏多、苗木誠の視点で描く物語」と
言っていたことがよくわかりました。
演出家の意図を汲みとることができたかなと、ちょっとした自己満足。

再現場面は全て中央奥の舞台で行われていたので、
どの席からも見やすかったのでは。
またセリが効果的に使われていました。

キャストのみなさんは、キャラクターに忠実な演技をしていました。
初演と替ったキャストさん達も違和感なく溶け込んでいました。
ダブルキャスト、トリプルキャストの配役も多くあったので、
さぞかし息を合せるのが大変だったろうなと思っていました。

本郷奏多くん演じる苗木誠。
台詞が多く、出ずっぱりでの熱演。
こちらもキャラクター通り。
「それは違うよ!!!」が決まっていました。
終盤の江ノ島盾子との掛け合いは息がぴったり合っていて、
何度観ても引き込まれました。

岡本玲さん演じる霧切響子。
重要な役どころを好演。こちらも台詞が多い。
初演の時より一段と進化していました。

そして、今公演もチビモノクマダンサーズが大活躍。
左右を白黒に顔を塗り分けているので、表情が読みにくい。
無機質感が増したことによりおしおきのインパクトが強まりますね。
左手が徐々に上がっていくのが怖い!

特におしおきではとても大きな役割を担っていました。
裁判台の設営でも大活躍でした。
お仕置きされた人たちのプラカードも持っていましたね。

学級裁判は傾斜をつけた裁判台で行われましたが、
ここで手すりがうまく活用されていましたね。

手すりに沿ってキャストが歩いて回る
手すりを飛び越える
手すりに乗る、そこから飛び降りる
手すりの上を歩くことも

最後に沙也加さん演じる江ノ島盾子に触れておきましょう。。
全面的にパワーアップしていました。
ステージを重ねるごとに凄味が増していったように思います。

とにかくこの難役を33ステージもこなすなんて大変なことです。
新旧の台本を比較して、江ノ島盾子の台詞が結構変わっていたことに
気がつきビックリ。
短期間の稽古でよく仕上げたなあと。

台本を見ると、彼女の演じるキャラクターは、

素 キザ ぶりっ子 女王 凶悪 メガネ モノクマ 陰気 

これらの人格を、ポーズや声色や小道具を巧みに駆使して、
パーフェクトに演じ分けていました。

圧巻は最後の苗木くんとの台詞の応酬。
裁判台の手すりを回りながら、お互い180度の位置を保ち、
台詞を投げ合います。
これが大迫力!
江ノ島盾子は台詞ごとにキャラクターが変わっていきます。
何度観ても素晴らしい。
リスペクトし合っている二人ならではの感があります。
 
そしておしおき。
田尾下さんが江ノ島盾子の演技を観て、必要性を感じ、台本を変えた。
Twitterにはこうありました。

「先にツイートしたように、エノジュンのおしおきは、神田沙也加さんのお芝居が必要性を語ってくれました。」


特に
バイクに乗りながらハンドルから片手を離して、にこやかに手をふるところ
さらに、火あぶりのシーンで、体をゆらしながら手をふるところは
その表情もともに、まさしくアニメの完コピでした。

そして好きな台詞。
ジェノサイダー翔が出現して、初めて江ノ島盾子を見ての会話。

翔           へむ? あの映像?…って、あんた誰よっ?
江ノ島(陰気)    あ、【黒幕】ですけど…。
翔           あっ、はじめまして!
江ノ島(陰気)    あ、こちらこそ…。


カーテンコールにふれておきましょうか。

東京千穐楽では、奏多くんから「みんなもこの人の声が聞きたいと思う」という
前振りの後で、あいさつを促されましたが、自分のことと思っていなかったようで、
ちょっとあたふた。
でも落ち着いた内容のあいさつに続き、地方を回ってさらに高い次元の
舞台にするとの宣誓をしていたのが印象的でした。
二人でハグをしてがっしりと肩を組んでから退場となりました。
 
大千穐楽。
奏多くんから順次役名で紹介しあいさつするという段取り。
十神、腐川コンビはお姫様だっこで登場、次は赤ちゃんを抱いていました。
さくらちゃんは、筋肉をネタに笑いをとっていました。

そしてラス前に沙也加さん。
放心状態になってしまってとの前置きのあと、役への想いを語ってくれました。
いつもの滑らか淀みなくという感じではなく、言葉を噛みしめるように。

時折視線を奏多くんの方に向けながら、「長くなってごめんね」と、
言葉をはさみます。
生身の江ノ島盾子はこれが最後とも言っていました。
前回は殻をかぶっていたが、今回はキャストとごはんも行けました。
ブログ書きますと締めくくって終了。

最後に苗木くんとハグ。
他のメンバーがはけた後、女王様然とした態度で手を伸ばして苗木くんに
対します。
苗木くんも少し勿体をつけてから、手の甲にチュッとして場内を沸かせて
退場しました。

もう一度にカーテンコールがあって、そこでスタオベの流れと思っていたら
ジャンと鳴ってスクリーンに映像が…。
「2017年にダンガンロンパ2再演」の告知映像でした。
そのまま終了してしまったのでちょっと残念でした。

お約束の沙也加さんのブログは7月17日の深夜にアップされていました。
江ノ島盾子にかける思いの丈が綴られていて、とても読み応えがありました。

いったんアップした後も手を入れていたようです。
(更新通知が来たので比較することができました。)
追加した2箇所が印象的だったので紹介しておきますね。

「違うな、いっそ取り憑かれたかったんです。」

「実写化って絶対に賛否両論あるものだから、そこの'否'をどれだけゼロに近づけて行けるか、それだけを考えていたし、自分が観客なら、どんなエノジュンなら納得するか考えたら、完コピの1択しかなかった。」


今回は、舞台の近くから観ることができたので、細かい動きも
よくわかりました、

他の人の台詞の際の細かな動き
顔つきの変化
目の演技
足を踏みならしたり、いらいらして足をゆする

とにかく迫力がスゴかったですね。
まさに「完コピこれに極まれり」。

だれもが納得できるエノジュンを毎回完璧に演じてくれた沙也加さんに
大きな拍手を送りたいと思います。

神田沙也加さんのステージ35-2(1789-バスティーユの恋人たち- 帝劇まとめ編)

「1789-バスティーユの恋人たち-」の帝国劇場公演は、無事に千穐楽を
迎えました。
そこで、公演を振り返ってみたいと思います。
ネタバレがありますので、ご注意を。

初めは楽曲になじみがありませんでしたが、次第にメロディが
耳に残るようになり、より楽しむことができました。
今でも頭の中で音楽が鳴っています。

急に音が上がったり、男性でも裏声を使わざるを得ないような難しさも
あったかと思いますが、日を追うにしたがってこなれてきたような。

今回は、生オーケストラでなく、録音された音源が使われていた
わけですが、このオケ音源の中に事前録音した本人の声と生の声を
重ねることも随所で行われていて、これがとても面白い効果を出していたと
思います。
厚みとか、迫力が増していましたね。
私の気がついた範囲では、ソレーヌ、ロベスピエール、アントワネットなど。

そんな中で、楽曲の私のベスト3を選んでみました。

第3位は、
マリー・アントワネットの「神様の裁き」。

この曲はゆっくりとしたテンポで、アントワネットが情感を込めて歌います。
メロディもゆるやかに上下し、アントワネットの心情が胸に沁み入ってきます。
歌い終えたところで、ギロチンの落ちるシャープな音とともに印象が強く
残ります。
花總まりさん、鳳稀かなめさんとも、それぞれの良さがあって、
甲乙つけがたい歌唱だと思いました。


第2位は
「耐えてみせる」。

監獄で、ペイロール伯爵がロナンを鞭で責めるシーンの歌です。
プログラムには、
ロナン/ペイロール伯爵/囚人たち/兵士たち とあります。

アップテンポの力強いリズムに乗って、ペイロールが迫力のある
歌唱でロナンに迫ります。
メロディはここより後のシーンでも出てきていますが、この場面では
全く違う曲にも聞こえます。
岡ペイロールの圧倒的な歌声と、打ち鳴らす鞭の音。
低音もよく響いて大迫力です。

抵抗するロナン。
銃を持った兵士たちが足を鳴らし、銃を持って威嚇します。
ロナンが胸に焼印を押されてこのシーンが終わります。


そして1位は
オランプの 「許されぬ愛」。

直前のシーンで、ロナンとのデュエット曲「この愛の先に」を、
白の衣装のダンサーを交えて、踊りながら歌いあげます。
そして、ロナンが、「俺たちは 敵同士」と歌い終えた余韻が残る中で、
ひとりでゆっくりと歌い始めます。

王太子を死なせてしまった責任感に苛まれながら、
「私は 許されぬ 罪を 犯して しまったの♪」

「許されぬ 愛だと 知りながら 」
「あきらめる ことなど できない」

「もう 後戻り できないの 私」 
ロングトーンと合間の息使いが、切ない想いを伝えます。

次第に感情が高まってきて、胸が詰まるような想いを
切々と訴えます。

そして最後は低音で静かに歌い終えます。
「どんな 罰を 受けようと」

このナンバー、何度聴いても胸を打たれました。
回を重ねるごとに良くなっていったように思います。


他にも好みの曲が沢山できました。
ソレーヌ/女たち 「世界をわが手に」
デムーランたち  「武器をとれ」
ロナン・オランプ・革命家たち 「サ・イラ・モナムール」
最後はロナン、オランプ、アントワット、フェルゼンの四重唱で終わる
「世界の終わりが来ても」
全員で歌うフィナーレ曲 「悲しみの報い」


一方、お芝居の面でも、日を追うにつれ、カンパニー全体として
より深みが増していったように思います。


そうそう今公演では、色々な席から観劇することできました。
特に、マイ楽となった5月12日のソアレでは、2列目下手から見ることが
できたのも、ハイライトとなりました。

間近で観る、芝居、歌、踊りは、迫力があり、遠くからでは見えない
表情や、細かな芝居もじっくりと観ることができました。
特にパレ・ロワイヤルのシーンでは、正面にバイオリンや手風琴の奏者が
来たのですが、人形振りをしていたのに初めて気がつきましたし。

2階最前列からの光景も忘れられません。
この位置からだと、照明の変化もよく見え、群舞のフォーメーションを
より楽しむことができました。

1階S列上手側の日には、球戯場へ向かうロベスピエール達の
通り道に面していましたので、真横から表情と肉声を味わえました。


好きなシーンでは、台詞と声がリアルに浮かんできます。
メインキャストの感想と、私のツボとなったシーンを紹介します。

Wキャストの面々は、それぞれ異なった個性を発揮していて、
いい配役だったと思います。

まずはロナン。

小池徹平さんは小柄ですが、バイタリティ豊かなロナンを演じていました。
歌も高音がよく伸びていましたね。
台詞も聴きやすくて良かったです。
全体的な印象として、華と言うか、明るい色を感じました。

加藤和樹さんは、全体的に落ち着いた印象を受けました。
長身なので革命家と並んだショットがよく映えます。
マイ楽の時には、下手に立ったロナンを至近距離から見ましたが、
凛々しい立ち姿と、鍛えた筋肉が印象的でした。

オランプは神田沙也加さんしか見ていないので夢咲ねねさんは
省略させてもらいます。
(夢咲ねねさんはうまくチケットがとれず、ゴメンナサイ。)


マリー・アントワネット。

花總まりさんは、初見でしたが、とても良かったです。
これが、娘役トップの実力でしょうか。
歌声は安定していて、全般的に優しい印象を受けました。
舞台上方から登場する時の華やかな出で立ちと歌声が印象的。
さらに、「神の裁き」で見せる穏やかな表情と歌声が胸を打ちました。
凰稀かなめさんは、長年の男役を離れ、これが「女性」としての初舞台とのこと。
でも、違和感なく王妃役を演じていました。
歌の方も、高音もきれいに出ていて、「全てを賭けて」のハイトーンもOK。
終盤のルイ16世とのやりとりや、オランプとのやりとりについても、優しさが
にじみ出ていて、とてもいい演技でした。
長身なので、フェルゼンとのデュエットはとても素敵に映りました。


次はシングルキャストの面々。

ペイロール(岡幸二郎さん)の怖さは半端なかったですね。
歌唱も迫力がありましたが、ロナンに対する鞭使い、ロベスピエールを
足蹴にするところ、兵士に号令をかけるところ、
など見所が沢山でした。
マントさばきにも、眼を奪われました。

アルトワ伯(吉野圭吾さん)がフェルゼンを見つけて 「フェルゼーン」の高いトーンで
呼びかけるところもいいですね。
オランプを誘惑しようとして甘い言葉をかける妖しげな感じも、
吉野さんならではでした。

ロマール(坂元健児さん)のオランプ推しも面白かったです。
「オランプちゃーん」と通路を走っていくところも楽しい。
笑いをとる役柄ではありましたが、ポイント部分の歌唱はさすがでした。
特に三部会のギニヨールを動かすところでの歌は良かったです。

ルイ16世(増澤ノゾムさん)もいい味を出してくれました。

「アントワネット。 君は? オーストリーに帰るのか?」
と問いかけるところ。
「いいえ」  「私は陛下とともに」。
この辺りの夫婦のやりとりの中での表情の変化が見逃せません。
ギヨタンの改良の話にそらしてしまうところも、らしいところでした。

ポリニヤック夫人(飯野めぐみさん)は、いいめぐさんが自身のブログで、
演出に関わる心情の変化を綴っていたので、興味深く演技を観ていました。
ひと癖ありげな表情や台詞回し、眉毛もしっかりと拝見しました。
回転しながら、「ロワイヤール♪」と歌いながら、上手袖に消えていくのも
見せ場でした。

ロベスピエールは(古川雄大さん)は長身で立ち姿が美しい。
歌も甘めの声。
2幕冒頭に客席から舞台へ向かうシーン。
目の前を通り過ぎて行きました。華がありました。

デムーランは、これまた長身の渡辺大輔さん。
「我々に紋章はない。だが今ここパレ・ロワイヤルから立ちあがる
 シトワイヤンは、この緑の葉を希望のしるしとして身につけるのだ」
の台詞が何とも格好よかったですね。

ダントン(上原理生さん)はやはり歌唱力がスゴイ。
でも今回はダンスでも頑張っていたのが印象的でした。

ソレーヌ(ソニンさん)はソロナンバーが沢山。
本人の録音の音声に生声が重なる曲は、迫力がすごかったです。
ダンスも見逃せないところ。

フェルゼン(広瀬友祐さん)はこれまた長身のイケメン。
アントワネットとのデュエットは見栄えもよく、歌もきれいに響いていました。
最後にアントワネットに別れを告げる場面、
「もしご一家が危機に瀕することあらばこのフェルゼン、命を懸けて
お守りいたします」 も泣かせます。

シャルロット(齋藤さくらちゃん、志村美帆ちゃん、万座みゆちゃん)は、
いずれも芸達者で、ダントンとのからみもグッド。
歌も上手でしたね。

王太子ルイ・ジョセフ(鈴木和弥くん、大河原爽介くん)は可愛い。
「ボンニュイ」のところはさらに可愛い。


最後はオランプを演じた神田沙也加さんのまとめです。

役作りについて事前のインタビューなどで話していた通りのオランプでした。 
キャリアウーマンとしての芯の強さや、凛とした佇まいがとても素敵でした。

歌も連日安定していました。
デュエット曲ではロナンに合せて支えるように
ソロは感情豊かに、しっとりと。

主なナンバーは4曲でしたね。

①ロナンとの「この愛の先に」
②ソロ曲「許されぬ愛」
③ロナンとのデュエットで始まり、アントワネット、フェルゼンを加えた
 四重唱となる、「世界の終りが来ても」
④フィナーレで歌われる「悲しみの報い」 
 冒頭で歌い出すシャルロットにそっとハーモニーをつけます。

印象に残ったシーンです。

アルトワ伯からパレ・ロワイヤルへの案内を請われて、
「王妃様のお許しを得ずして、王族の方と出歩くのはもっての外で
 ございます」とキッパリ断ったところ。
 アルトワ伯に思わず「小賢しい」と言わしめる演技でした。

ロナンの脱獄のシーン。
「一番小さい兵士を探せ」 と言われて、つま先立ったり、急いで走る姿が
微笑ましい。
すぐにドレスに早替えをするところも、見逃せません。

アルトワ伯に銃を向け、
「父より射撃の訓練を受けました。腕には自信がございます。」
撃鉄を起こすところは、2階席からバッチリ見えました。

ロナンの死に耐えるシーン。
5月4日の徹平ロナンの日には、ずっと涙が止まらなかったのも
印象に残りました。

最後の「自由とは…」の台詞回しと、立ち姿が凛々しい。

アントワネットからお暇をいただくシーン。

「私は陛下にお仕えしたいのです。」に対して、
「恋をあきらめられるの?」
さらに強く「選ばなくてはいけないわ」と諭されると
最後には、 「おいとまをいただきます」

心の揺れや、立ち去る時の惑いが印象的でした。
観る回ごとに、お芝居が違っていたように思えます。


というわけで色々思い出が残る楽しい作品でした。

好みのWキャストは、
小池徹平さん、神田沙也加さん、花總まりさんになりますかね。
(夢咲ねねさんはうまくチケットがとれず、ゴメンナサイ)

再演が待たれるところです。