うつ病の啓発記事を読んで。
「大切な人を失わないために。」ってきれいなまとめ方にちょっとイラっとしてしまった。
大切な人を失ったあとも、人生は続く。
気をつけたら皆自殺しないのかな…。
(啓発は大切だと思いますが)
考えたことが現実化するなら、
この世から人の殺意とか、死にたいと思う気持ちとか全部消えたら、
誰も死ななくなるんだろうか。
(睡眠不足で変なこと考えた…)
人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索- 1,430円 Amazon |
母がビルから飛び降りたらしい午後8時頃、私は図書館にいた。
早く家に帰りたくなかった。
予備校の帰り、閉館するまで図書館にいた。
これから母が精神病院に入院したら、どうなるんだろうと考えたりした。
家に帰ると、玄関のドアを開ける前から電話
が鳴っている音が聞こえた。
急いで家に入って取ると、警察からだった。
母がビルから飛び降りたと言われた。
「母は大丈夫なんですか」と聞いた。言葉を濁して、大学病院に運ばれていると警察の人は伝えてくれた。
弟にどう伝えたか覚えてない。
祖父母のところに行ったら、「どうしよう、◯◯が飛び降りちゃったんだって」と祖母がうろたえていて、なんだか安心した。
れいあんしつ、が冷暗室と脳内で変換されていたけど、行ってみたら霊安室だった。
祖父が、入っていきなり母の空いた口をぎゅうぎゅうと閉めたらしく、叔母Bがショックを受け泣きながら出てきた。
叔母Aは、「バカ、って言ってきたわよ。子供がいるのに…」と言っていた。
母の遺体は見なかったような気がする。覚えてない。見ないほうがいいと、誰かが言ってくれたかもしれない。
小さな和室で警察の人と話したあと、叔父の車で家に帰った。
車の中で、叔父が、私と弟に声をかけてくれた。
「◯◯さん(母の名前)は、完璧主義なところが昔からあったんだ。」
「だから、苦しくなってしまったんだと思う。」
「自分達を責めてはいけないよ。自分のせいだなんて思わないようにね。」
この叔父さんの言葉がなかったら、私は別のパラレルワールドを生きていた。
きっと、もっと暗くて、冷たいところ。
大切な人が亡くなってすぐに、そのあとずっと、支えになるようなことばをかけてもらった。
なんて有り難かったんだろう。
母に対する優しさが、周りの誰よりも叔父さんのこの言葉にはあった。
その時は気づかなかったけど、思い返すと優しさが沁みる。
母は劣等感の固まりで、それが完璧主義からくるものだとは、本人も思ってなかったんじゃないかな。
叔父さんのこと本当に尊敬してる。本人に伝えるチャンスはないけどw
母が生きていたら?
それは、今の私の人生じゃない。
でも…。
パラレルワールド。宇宙の何処かに、母が生きてた未来もある。
そう思うと、なんだかほっとする。
その世界の私は、母がいなければ…と思うこともあったかもしれない。
でも、母を失った後の、足元が崩れたような不安定さを感じることはなかっただろう。
母が生きていた方が良かった、悪かった、とかは無い。と思う。
多分…わからないけど。
それはそれぞれ別の人生だから。
比べるものでは、ないから。