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投資は自己責任で

〜 中長期保有前提で成長株中心の”ゆるい投資”を行っています。
  目先の株価を予測したり占ったりすることには、興味がありません。

2019/12/19、LINEとエムスリーの合弁会社「LINEヘルスケア株式会社」が、オンライン健康相談サービス「LINEヘルスケア(β版)」の提供を開始しました。

■いつでも全国の医師にLINEで相談できる「LINEヘルスケア(β版)」を提供開始 ネット検索では解決しにくい、健康に関する悩みや不安を信頼できる医師が解決
https://corporate.m3.com/press_release/2019/20191219_001525.html
会社設立のプレスリリースは2019/1/8、約1年かけてのサービス開始です。

まだβ版ですが、チャット形式とテキストメッセージ形式で医師に相談できるサービスとなります。
エムスリーには医師に相談できるサービス、AskDoctorsがありますが、LINEヘルスケアのほうが、よりパーソナル、プライベートなサービス、ということでしょうか?AskDoctorsのノウハウも活かせそうですね。

「こんなサービス、大した利益にもならなさそう」「利用する人なんかほとんどいないのでは?」という印象を持つ人もいそうですが、オンライン健康相談はオンライン診療への布石であり、当面の採算は関係ないでしょう。こうしたバーチャルケア、テレヘルスと呼ばれる分野は、海外では急成長しています。

アメリカにオンライン診療を行うTeladoc Health(以下、テラドック)という企業があり、ビデオチャットなどで医師の診療を受けられるサービスを提供しています。

テラドックは月額課金によりオンラインで24時間365日、10分程度の待ち時間で登録医師の診療を受診できるサービス。忙しくて医者に行くかどうか迷っているようなときに気軽に受診でき、オンラインの医師が対面診療が必要と判断した場合は、近所の提携する病院を紹介する仕組みです。
このサービス、有料会員数は5460万人。個人が自腹で契約しているケースもありますが、企業が従業員向けの福利厚生として提携したり、保険会社がオンライン診療を割安で受診できるサービスを提供したりするかたちが多いとのこと。個人が自身で料金を払うのではなく、企業が払うBtoB形式というのが、テラドックのビジネスのポイントです。ちなみにテラドック以外にも同様のビジネスを展開する企業がたくさんあるようです。


企業にとっては体調不良を抱えて休みがちになるような従業員が減るというメリット、保険会社には契約者の早期受診が増えて健康な人が増加すれば、支払う医療費の抑制につながるというメリットがあります。国民皆保険の日本と異なり、契約する保険会社が医療費を負担するアメリカでは、保険会社が導入に積極的なようです。こうした取り組みで早期診療に行く人を増やしたり、医師から健康指導を受ける人が増えたりすれば、医療費削減につながるわけで、誰が医療費負担を行うかに関係なく、本質的な部分は日本も海外も同じです。

オンライン診療は「日本は医療機関が充実しているから、ニーズがなさそう」とか言う人もいますが、うつなどの精神疾患について病院に行く前に専門医に相談できることはニーズもあるだろうし、中国や東南アジアなど日本人の医者が少ない地域の現地法人に勤務する日本人従業員への福利厚生とかにも使えそう。そもそもちょっとお腹が痛くて近所の病院に行き、1時間待たされたうえ、3分の問診で胃薬を出されて終わり、みたいなことも多いですから、慣れさえすれば使う人が増えてくるようにも思います。企業の従業員への福利厚生や保険会社の契約者向けサービスとして、個人負担が少額になることがカギとなりそうですが、β版運用でノウハウを蓄積しながら方向性を固めていくんでしょうね。

さて、従業員の健康管理ということであれば、2019/2/28にプレスリリースされたNTTドコモとの合弁会社「株式会社empheal(エンフィール)」があります。こちらは健康経営コンサルティングを提供するとのことですが、上述したようにオンライン診療は企業の福利厚生や健康保険とも関係が深いことから、この2つの事業は将来的に、なんらかの繋がりが出てくるのかもしれませんね。
今後の展開が楽しみなところです。

株主総会で気になった点を2つほど(メモ)。

○来年5月のゴールデンウィーク明けぐらいに3ヶ年計画を出す予定。
近藤さんは総会後、Facebookに「今期中に『未来業績 3カ年計画』を示そうと考えています」と書き込んでいますから、今期中に発表することにしたのかもしれません。

○「2020年9月期の業績予想では営業利益が22億円で、これは前期比+10%弱。前年度に大量に採用を行った割には、ちょっと伸びが低いのでは?」(質疑応答での質問)
近藤さんの回答「 昨年、大量の新卒を採用し、すでに営業を始めてはいるが、まだ未熟。第一線で活躍できるようになるには2,3年は必要と考えている。現在活躍している営業職が若手の教育に時間を取られているのも事実。現在の状況に満足しているわけではなく、今の要員がフル稼働すれば、営業利益で50億円は可能だと思う。」

総会後のFacebookに「(未来業績 3カ年計画で)2025年を目処に次元の違うレベルに、飛躍させる戦略を描いております。」とも綴られています。

昨年度、営業担当の大量採用に舵を切りましたが、その効果がフルで寄与し始めるのは来期以降(2021年9月期から)、ということでしょう。まあ、新人の営業担当も徐々に利益貢献してくるでしょうから、2020年9月期の+10%弱というのは、ちょっと保守的な印象も受けますが、どうなるでしょうw。

クラウドサインの将来性を考えるとき、この先、アメリカの電子契約大手であるDocusignがクラウドサインのシェアを奪うことになるのか?という懸念が生じます。

結論から言うと、当面の間はそうした心配は不要と考えます。

まず、Docusignの説明から。
先週、3Q決算が発表されが、3Qの1株あたり利益は$0.11。コンセンサスは$0.03だったので予想を大きく上回り、発表翌日の株価は+8.7%と急騰しました。

Docusignは電子契約ビジネスで世界シェア60%と言われる大手。日本では紙とハンコの契約書がいまだに大勢を占めていますが、世界的には紙を使わない電子契約が、デジタルトランスフォーメーションの流れもあり、急速に拡大しています。
直近、Docusignの2019/1期の年間収入は7.0億ドルですが、2020/1期は3Q時点ですでに8.3億ドル。拡大戦略を取っているため、まだ通年で利益は出していませんが、クラウドサインのビジネス規模と比べるとアリとゾウぐらいの違いがありますw。まあ、Docusignの時価総額は約1.4兆円、弁護士ドットコムは約1000億円なのでそこまで差はありませんが、これは裏を返せば、日本がこの分野で遅れているため、トップシェアのクラウドサイン(弁護士ドットコム)に期待が寄せられている、ということでしょうね。

Docusignは、クラウドサインのようなある意味単純な電子契約でスタートしましたが、今では契約締結・管理にかかる業務全体をSaaSのシステムとして提供する "Agreement Cloud"を主力事業に据えています。Agreement Cloudでは、契約にいたるまでの交渉の管理、契約内容の作成支援、社内稟議、契約締結、契約の保管、契約更新管理 といった契約にかかるワークフローを一気通貫で管理することが可能です。
日本ではクラウド型電子契約のシェア80%のクラウドサインの存在感が大きいですが、Docusignは世界的にはクラウドサインに大きく先行しています。

それでは、日本で電子契約を簡単に導入できる企業がどれだけあるのか?
紙とハンコを頑なに守り続けてきた大半の日本の企業は、日本以外で人気のDocusign Agreement CloudやDocusign Negosiateのようなものをいきなり導入することは困難でしょう。企業が大きくなればなるほど現場が導入したくても経営者の腰は重そうだし、導入するためには文書管理規程、契約規程等々、社内規程の全面的な改定が必要となるはず。多くの会社の総務、法務部門は超保守的(というか超現状維持主義w)ですから、基本的にあーでもないこーでもないと抵抗したり、法的見解がどうのこうの言い始めるだろうから、試験的、限定的に導入しながら進めざるをえないでしょう。日本の大企業の法務、総務系の高齢の役員は「労務は得意だけどパソコンは苦手」みたいな人もいまだに多いし。

ところで、世界の電子契約の潜在市場価値は250億ドルと言われていますが、そのうちDocusignの売上はまだ10億ドル。電子契約ビジネスは世界的に拡大期にあります。Docusignにしてみれば、日本だけに通用するややこしい商慣習に合わせるために経営リソースを割くより、欧米中心にビジネス展開するほうが先、という経営戦略が理に適っているように思います。
日本のDocusgnのHPを見てもアメリカのサイトの日本語訳みたいなページが大半だし、そもそも日本での利用料金はドルで払うかたちみたいですw。海外企業の日本法人や多国籍企業、欧米で幅広くビジネスを展開している日本企業にターゲットを絞っているような印象です。それだけでも今後、十分に大きな潜在需要がありそうです。つまり、クラウドサインとDocusignは十分に棲み分けが可能ということ。お互いに無駄な消耗戦をやっているヒマはないでしょうしねw。

さて、クラウド型電子契約ビジネスの日本市場は、外資の参入障壁が大きいということは、現在、日本で80%のシェアを持つクラウドサインには非常に有利な状況ということです。クラウドサインは、Docusignがこれまで手掛けてきたビジネスをいわゆるタイムマシン経営的に行うことができる環境にあるということでもあります。
クラウドサインは不動産ビジネスで電子契約を進めていますが、Docusignが初期に手掛けて成功し、知名度を上げたのは不動産ビジネスとのことですね。

先日、電子契約に加えて前後の営業プロセスを自動化する"クラウドサイン Sales Automation(クラウドサインSA)"を発表しましたが、将来的にはDocusignの"DocusignのAgreement Cloud"のような高レベルのサービスを目指すんでしょうね。というより、日本のデジタルトランスフォーメーションの深度化にあわせて、つまり日本企業が電子契約を含めたデジタル移行を進めていく過程にあわせて、適宜、投入していくようなイメージでしょうか。

 

日本でデジタルトランスフォーメーションが進むのは間違いないですし、電子契約についてもかなり動きが出てきた感じです。今後の動きが楽しみですね。

 

《参考》

電子署名ビジネスの競争激化?(2020/6/16)
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12604558399.html?frm=theme
電子署名ビジネスの競合各社(2020/6/18)
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12605031373.html?frm=theme
 

株式会社ビジョナリーホールディングス(以下、ビジョナリー)との資本業務提携及び第三者割当増資が発表されました。
○エムスリーのプレス資料
■株式会社ビジョナリーホールディングスと資本提携 ~ 7P プロジェクトとして、眼科を中心とした疾患課題の解決を目指す~ 
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/191213_01.pdf
○ビジョナリーのプレス資料
■エムスリー株式会社との資本業務提携及び第三者割当による新株式の発行、その他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動(予定)並びに資本金及び資本準備金の減少に関するお知らせ 
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9263/tdnet/1777860/00.pdf
■子会社の設立及び当社子会社である株式会社メガネスーパーによる会社分割(簡易吸収分割)並びにエムスリー株式会社との合弁事業開始に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9263/tdnet/1777861/00.pdf

第三者割当増資によるエムスリーの出資額は42億円、出資比率は33.3%となるとのことで、エムスリーの出資としては比較的大きな規模。上場企業のの三分の一を取得というのはこれまでなかったかも。ちなみに今春の日本アルトマーク(非上場)の買収は66億円でした。

エムスリーは「ネットを活用した業界特化型プライベート・エクイティ」を標榜、社内にM&A推進チームを保有しており、エムスリーにとってM&Aは重要な事業戦略のひとつ。一般的な事業会社とはスタンスが異なります。2018年3月期の決算説明会資料によれば「過去5年で50以上のM&Aを実行、多くのケースで想定以上のシナジーを創出」とのことです。(ちなみに広義のM&Aには資本提携、業務提携、JV等を含みますので念のため)

2019年3月期の決算説明会資料によれば、エムスリーの2018年度のM&A検討数は144件。今年2月に発表のあったドコモとソニーへの第三者割当増資で取得した500億円を使い、M&Aを進めているところ。今回の出資もその一環ということでしょう。

エムスリーのM&A推進チームは非常に優秀です。
多くの日本企業が高確率でM&Aに失敗するなかw、エムスリーのM&Aは成功確率の高さで傑出しています。普通のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と異なり、エムスリーには自身の様々な医療分野の経営リソースを組み合わせてシナジー効果を出せる優位性があります。新興企業のインキュベーションに加えて、あまり利益の出ていない企業をM&Aによって短期間で利益がしっかり出る企業に仕立てて企業価値を高める、いわゆるターンアラウンドが得意。

ところで、2017年3月期の決算説明会資料にエムスリーのM&A推進チームについて紹介されています。
エムスリーのM&Aの推進チームは、投資銀行やVC等、金融ビジネス出身者が在籍する約10名のプロフェッショナルチームで、発足以来10年間(2017年3月時点)、退職者ゼロとのことです。おそらく今はかなり増強していると思われます。

ビジョナリーはプライベート・エクイティではありませんが、事業内容はしっかりしているし、エムスリーが好きそうな企業。今後の展開が楽しみなところです。

弁護士ドットコム株は発行済株数2173万株、11/28現在の株価は6,100円なので時価総額は1,325億円と、ここのところの急騰で膨張しています。時価総額1000億円以下を小型株と定義していることが多いですが、この定義に従えば弁護士ドットコムは中型株になったところ、ということでしょうか。

さて、四季報によれば弁護士ドットコム株の浮動株比率は5.3%、特定株87.0%。浮動株比率とは、上場株式のうち、実際に市場で流通する可能性の高い株式(浮動株)の比率のこと。また、特定株は、上場企業の株式の中で、創業者一族やその企業の役員、関係会社などの大株主(少数特定者)が常時保有していて、株式市場には流通しない(出回りにくい)株式のことです。
弁護士ドットコムは、創業者の元榮さんが実質69%を保有していますが、それ以外の役員等の大株主が18%を保有、さらに大口の機関投資家などが8%程度を保有しているようなかたちです。

さて、株式市場で流通している株式は5.3%、115万株程度ということになりますが、弁護士ドットコムの事業の成長性、将来性から中長期スタンスで投資している投資家が増えていそうです。中長期スタンスの投資家はいったん取得すると基本的にあまり売買しません。中長期投資家に吸収されていけば、実際に市場に流通する株式はどんどん少なくなっていかざるをえません。

市場に流通する株式が少なくなれば値動きが荒くなり、短期勝負でギャンブルまがいの売買をする人たちがますます集まってきて短期売買を繰り返すから「出来高」はあまり減らないかもしれませんが、投資家が買える株数が減っていくことには変わりありません。

先日のエントリで、弁護士ドットコムがハイバリューなのは、投資家がクラウドサインの将来性に期待していることが大きな要因と書きましたが、上述のような状況も弁護士ドットコム株が割高になってしまう一因でしょう。中長期スタンスの投資家から見れば、需給要因で株価形成が歪なかたちとなってしまうことは、たとえ短期的に株価が騰がっても、あまり喜ばしいことではありません。

流通する株式数に正解があるわけではないけれど、個人的にはもっと流動性を高めたほうが良いように感じます。

弁護士ドットコムは、法務、税務まわりで、インターネットを用いたビジネスを展開していますが、2019/11/22時点の終値は5,880円、予想PERは384倍で、かなりのハイバリュー、高PER株です。

弁護士ドットコムは、あくまでも感覚的な話ですが、これは医療まわりでビジネスを展開するエムスリーと少し似た部分があります。どちらも資格が必要ないわゆる士業にかかるビジネスを展開しており、エムスリーは日本の医師32万人のうち28万人が登録、看護師等の医師以外の医療従事者の多くも登録しています。一方、日本の弁護士の数は4万人程度と、医師に比べてはるかに少ない。弁護士ドットコムには「日本の弁護士の4割強が登録」とのことですが、エムスリーが展開する医療関連市場とくらべると、法務関連ビジネスの潜在的な市場はかなり小さいと思われます(税務まわりのビジネスを加えても、その潜在市場規模は限られます)。
この弁護士ドットコム、税理士ドットコムのビジネスだけでは、例え中長期的な成長を折り込んでいると考えても現在の高PERは説明ができないレベルだと考えます。

ところで弁護士ドットコムは、クラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」を展開しています。
一概に"契約"といっても、世の中に存在する多くの契約は雛形があって形式的なもの。加えてほとんど同じ内容なのに定期的に契約書類を締結するような形式のものや、形式的な契約にも関わらず課税文書にあたるため、収入印紙の添付が必要なものも数多く存在します。にもかかわらず、ほとんどの企業は、形式的な契約でも書類を2通作成してハンコをついてお互いに保管するという非効率的な作業を続けています。物理的な書類の保管には当然、鍵のかかるロッカーを用意して管理責任者を決めて管理するコストが生じます。
複雑で重要な契約であれば、コストがかかっても物理的な書類を手交して管理する必要があると考える経営者、管理者もまだまだ多いかもしれませんが、単純で形式的な契約なら効率化してコストダウンしたいはずで、電子契約の潜在的需要は膨大であると推察します。
こうした非効率を打開するサービスが電子データで契約を締結するクラウドサインですが、ようやく世間的な認識されつつある段階といったところです。

以前から使い勝手の悪い電子契約サービスは存在していましたが、クラウドサインは非常に導入しやすく使い勝手も良いとのことで、業界シェアは80%とのことです。アメリカの大手、Docusignも日本市場に参入しており今後、他の企業も参入してくる分野と思われますが、非常に大きなブルーオーシャンであり、当面、競争激化を心配するような状況ではありません。

弁護士ドットコムの株価は急騰していますが、高PERはクラウドサインのビジネスポテンシャルを反映したものと推察しています。というか、現在の収益は弁護士サービスの利益のみで、将来のクラウドサインがもたらすであろう大きな利益が業績予想に入っていないことを考えれば、PERでもって弁護士ドットコム株の割高、割安を判断するのは無意味です。
ちなみに上述のDocusign社は赤字会社ですが、クラウド型電子契約サービスの将来性から株価は年初来6割以上値上がりし、11/22の終値は71.12ドルと最高値を更新しています。Docusignは契約にかかる一連の作業をクラウドで提供するサービスで、クラウドサインよりも多角的なビジネスを展開していますが、7億ドルも売上があるのに4億ドルの損失を計上しています(2019/1期)。赤字ですからPERは算出不能ということですが、アメリカのDocusign投資家もPERは見ていないということです。


無論、弁護士ドットコムの現在の株価が妥当な水準か否かはわかりません。
弁護士ドットコムは小型株で浮動株も5.3%しかなく、株価の変動が大きくなりやすい性質も持っています。また、クラウドサインの成長ポテンシャルは非常に高いとは思いますがいつ頃、どの程度の規模で収益化できるのかは、今のところまったく不明です。Docusignはちょっとビジネスの内容が少し異なり単純比較はできませんが、それでも7億ドルも売上があるのに赤字状態が継続していることから、クラウドサインの収益化にはまだ時間を要するのかもしれません。また、現在の株価水準は、短期勝負の個人が値動きの軽さに惹かれてギャンブルみたいに買い上げた結果なのかもしれません。

クラウドサインもDocusignも現在は顧客獲得のフェーズであり、利益をベースに株価の妥当性を考えるPERの概念はあてはまりません。どれだけ顧客を増やしたか、また契約締結にどれだけ利用されたのか、という会社の成長性を見るKPIで見ていくほかはないのかもしれません。
それでも株価の妥当性の判断はつきかねるわけですがw。

 

電子契約サービスまわりのビジネスは今後、急成長が見込まれる分野。その中心的存在であるクラウドサインを擁する弁護士ドットコムは、投資先として面白いと考えます。株価水準の妥当性は不明なのは仕方ないところなので、時間をかけて徐々に投資額を増やしていくつもりです。

GMO-PGの2019年9月期決算が発表されました。
https://corp.gmo-pg.com/newsroom/pdf/191112_gmo_pg_ir_tanshin.pdf

営業利益、税引前利益は、業績予想とほぼ同額で好調な決算、数値に特段の問題なしという印象です。Macro Kioskでの減損10億円弱が発生していますが、特に問題はなさそうです。

2020年9月期の業績予想は、売上収益366.18億円(対前年比+14.0%)、営業利益103.76億円(同+25.0%)。「2020年に営業利益100億円」が中期目標でしたから、中期目標を達成する見込みということです。以前から決算説明会で達成を確実視している旨、相浦社長はコメントしていました。
業績予想を見ると、2Q累計の営業利益が対前年比+2.5%の予想とかなり弱い印象を受けますが、通期で見れば+25.0%だし、短期的に成長鈍化や競争激化が急に起こることもちょっと考えられません。
14日の決算説明会で、何らかの説明があるでしょう。
決算短信に「~次世代決済プラットフォーム「stera」については、サービスが具現化し、本格的な営業を開始するため、2020年9月期以降の業績に貢献すると見込んでおります。」とありますが今後、どの程度の業績貢献を見込んでいるのか、来期の業績予想にどの程度見込んでいるのかについて、決算説明会で説明があることを期待しています。
 

☆2019年9月期決算説明会

https://www.irwebcasting.com/20191114/4/d6a3e65ecf/mov/main/index.html
 

決算説明会によれば売上高の業績予想が+14%と小幅な伸びに留まったのは、大型案件が増えて開発期間が長くなったことで売上計上時期が偏ったこと、後払い決済の未回収率が大きく低下して健全化したため、利益率は上昇したが売上が下がったこと、レンディング大きく伸びてコントロールできなくなったことによるもの。事業の成長性に懸念が生じたわけではないですね。

 

最後に相浦社長から「売上の見通しがちょっと低いとの懸念を持たれるのは承知しているが、一旦出した数字を変えたくないからこういう売上、利益の予想とした。来期は間違いなく、売上は+25%の基調に戻っていく。今期だけは端境期ということで見守っていただきたい。」というような内容の話がありました。
一方、説明会の途中では売上収入は今後、毎期安定的に伸びるかたちにはならないかもしれない、というような説明もされていました。GMO-PGのビジネスは、売上の大きさだけで成長性を判断できるような単純なものではなくなってきている、ということなんでしょうね。

さて今回の決算説明会では、2025年に営業利益を250億円とするための克服すべき4つの課題、8つの施策についての説明がありました。
4つの課題についてはすでに抜本的対策に手をつけているとの説明で、来期以降に効果が現れてくるとのこと。その中で「ユーティリティ業界へのプラットフォーム事業開始」が面白そうです。具体的な内容は明らかにされませんでしたが、2年越しで開発しているとのことです。ユーティリティが電力なのかガス、水道の類なのかさえもわかりませんが、フィー売上の成長率に影響を与えるほどのインパクトですから、かなり大掛かりなものと推察されます。

 

弁護士ドットコムは、弁護士や税理士が提供する法務・税務まわりのビジネスを生業としていますが、電子契約サービス(Web完結型クラウド契約サービス)である「クラウドサイン」が本格的に立ち上がってきています。また、対⾯型クラウド申込み・契約サービスである「クラウドサインNOW」も開始しています。

今のところ、前者の法務・税務まわりのビジネスが収益の柱であり、安定的に成長していますが、後者の電子契約サービスは今後、急速に拡大していくポテンシャルがあると考えています。

現在、日本のビジネスではほとんどの契約で"紙の契約書"を用いています。紙の契約書は管理が煩瑣となることに加えて、「課税文書」に該当する場合は印紙税(収入印紙の添付)が必要となります。一方、電子契約の場合はシステム内に保管できるので管理が容易であり、印紙税も不要となります。

一概に契約書といっても様々なものがありますが、その多くは同じ内容のものを繰り返し使ったり、雛形があったりするようなものです。継続的にビジネスを行う相手との形式的な契約でも、収入印紙を貼った紙の契約書を保管しているケースが数多く存在します。また、信頼性の高い大きな企業と個人が契約を結ぶようなときに雛形的な契約書を用いるような場合でも同様です。

形式的な契約書であっても契約書は契約書です。契約書である以上、守秘義務があったり個人情報が記載されていたりすれば、保管・管理にはセキュリティ面も配慮しなければならず、結果的に膨大なコストがかかることも少なくないはず。世の中全体で見れば、こうした契約書の管理が非常に大きな社会的コストとなっていることに間違いありません。

これはある意味、紙の契約書は現金の非効率性に似ています。キャッシュレスの推進が社会的な課題であるのと同様、契約のペーパーレス化の推進も大きな社会的課題のひとつと考えます。

ちなみにクラウドサインが登場する前から、電子契約は存在していますが、使い勝手が悪いうえに費用も馬鹿にならない印象がありました。個人的な経験ですが5,6年前に仕事で導入を検討し、「顧客がついてこれなさそう」「基本使用料も1契約あたりの単価も高くて不採算」という理由で見送ったことがあります。契約先は長年付き合いのある数百社程度、同じような内容の契約ばかりでしたが、それでも敷居が高くて導入を見送りました。クラウドサインはそうした複雑さを極力回避しているようですね。

弁護士ドットコムのクラウドサインは電子契約サービスでのシェアが80%とのこと。また決算説明資料を見ると、導入企業数、契約締結件数ともに加速的に伸びてきています。9月には三井住友フィナンシャルグループとの合弁会社「SMBCクラウドサイン」を設立していますが、11/11にはソフトバンクがクラウドサインとクラウドサインNOWの販売を開始するとのニュースもありました。テレビコマーシャル(東京の地下鉄でも見かけますね)も始まり、クラウドサインの普及拡大に向けて、本腰を入れてきている印象です。
ドキュサインなどの競合他社も普及に力を入れてくるでしょうけれど、電子契約サービスはブルーオーシャン状態ですから、競争激化を心配するようなフェーズでははないでしょう。


弁護士ドットコムのPERは300倍超ですが、これはおそらく、クラウドサインの将来性や関連ビジネスのポテンシャルを株価が織り込んでいることによるもの。弁護士ドットコムの現在の収益は、法務・税務まわりのビジネスによるものですが、そのビジネス領域での成長性に期待して買われた結果のPER300倍超ではないはず。
クラウドサインで成功すれば、法務・税務まわりのビジネスを遥かに凌ぐ利益が得られることは確実ですし、電子契約サービスにも様々な法務・税務に関係する付帯的ビジネスがありそうですしね。

まずは目先の利益よりもクラウドサインを普及させることが重要ですから、現在のPERを考えてもあまり意味はありません。

2Q決算、順調でした。

https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/1024_72%29IR%E8%B3%87%E6%96%99FY2019%202Q%E6%B1%BA%E7%AE%97%EF%BC%88%E5%92%8C%EF%BC%89_%E9%85%8D%E5%B8%83_v1.0_%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E7%89%88.pdf/

H1は、売上高が対前年同期16%増の615億円、営業利益が同19%増の165億円。1Qは売上高、営業利益ともに14%増だったので、成長が加速してきています。

セグメント別に見ると、主力ビジネスのメディカルプラットフォーム事業が売上収益、利益ともに1Qより成長が加速してきています。受注残も41%増と高水準をキープ。また、会社全体の前年からの増益分 26.74億円のうちメディカルプラットフォーム事業が12.7億円寄与しているとのこと。メディカルプラットフォーム事業は昨年度、一時的な成長の減速が起きることを受け入れて、成長再加速のために先行投資を行った効果が、出てきているようです。成長鈍化懸念が払拭されつつあるように思います。

また、海外事業も成長が中国でのビジネスを中心に加速しています。
中国のビジネスが軌道に乗ったことは非常に大きなターニングポイント。中国市場は巨大ですが、医療や福祉分野は日本や欧米と比べるとかなり立ち遅れています。また詐欺やら偽薬、賄賂などなど、さまざまな犯罪も多く、問題が山積している状況です。一方、中国は過去の一人っ子政策のハレーションで高齢化が急速に進むことが確実視されており、医療・福祉関係の諸問題の解決は国家的な課題と言われています。そうしたマーケットで収益化に成功しているわけですから、今後、中国でのビジネスがどこまで成長していくのか非常に楽しみなところです。相手は中国だからリスクもいろいろ存在するんだろうけど、現地パートナーとの合弁ビジネスであることや、国家的な課題解決とベクトルが同じ医療の効率化に資するビジネスであることなどを考えれば、嫌がらせや見せしめで当局から潰されるリスクは低いのではないでしょうか?

今年度中に、LINEとのJVであるLINEヘルスケアや、AIプラットフォーム事業も立ち上がってくる予定。また、半年ほど前にNTTドコモへの第三者割当増資で約430億円を確保しており、M&Aや先日プレス発表のあった社内CVCファンド「1人1円ファンド」等に用いるキャッシュは潤沢です。資金面だけ見れば、大型のM&A案件とかでも可能な状況です。

株価は、昨年の9月末とほぼ同水準ですが、昨秋~年末にかけて、成長鈍化懸念等で暴落したことから、年初から見ると2倍近くになっている状況。また10月からの日経225採用もあり、現在、株価はちょっと不安定な感じの動きをしている印象です。
中長期スタンスで投資であれば、短期の値動きに振り回されないように動きたいものですね。

昨年10月の株価急落の一因と推測している、Harding Loevner LPが変更報告書を提出しました。2019/1/15付の変更報告書では5.05%、32,706,152株を保有していましたが、2019/10/11時点で3.31%、22,424,018株まで減らしたとの変更報告書です。
提出者のHarding Loevnerはアメリカのファンド?で、以前からエムスリー株の大量保有報告書を提出しており、2013年には保有割合7.14%まで買い進めたこともある、長期スタンスの大口投資家です。
以下のエントリに詳しく書きましたが、昨年10/1時点で34,885,814株、5.38%を保有していたこと、また昨年の10月中に600万株ほど処分した後、11月からは買い下がり、12月末から1月初にかけての地合い悪化による一段安のタイミングで1,500円以下のレベルで180万株ほど大量取得しています。
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12433304346.html?frm=theme

今回の売却では1,000万株強、3.31%まで保有比率を落としていますが、計1,000万株強の売却といっても、そのうち520万株は市場外での取引、また日経225採用絡みで出来高が急増した9/30に380万株強を売却していることから、市場で放出したのは売却株の1割程度、100万株に過ぎないです。

ちなみに昨年は、9月末の2分割の影響もある中で上述の600万株の売却があったからか急落、2018/10/26には前月末終値2,578円から3割以上下げて1,677円を付けています。昨年、Harding Loevnerが10月のいつ売ったのか、また市場外取引がどの程度あったのかは不明ですが。
日経225採用でしばらくは大きなロットの動きが出るでしょうし、短期勝負の売買も増えているから、しばらくは値動きが荒くなるのは仕方ないところですが、需給バランス自体が悪くなっているようなことは、今のところなさそうです。

前年度と比べれば今期業績の不安要素は少ないし、分割による需給懸念もありません。一方で第三者割当増資による400億円強の潤沢な資金によるM&Aや、LINEヘルスケア、AIプラットフォームなど新規事業の立ち上げ、更には中国事業の収益化など、ポジティブな要素も多く、面白くなってきたところです。

昨年9月末の株価は2,578円で、年単位で見ればほとんど株価は騰っていない状況。中長期スタンスで、株価が2倍ぐらいになるのを狙うのであれば、株価動向に注意は払いつつも±100~200円ぐらいの値動きであれば気にせず、泰然と構えているのが良いのではないでしょうかW。