2019/12/19、LINEとエムスリーの合弁会社「LINEヘルスケア株式会社」が、オンライン健康相談サービス「LINEヘルスケア(β版)」の提供を開始しました。
■いつでも全国の医師にLINEで相談できる「LINEヘルスケア(β版)」を提供開始 ネット検索では解決しにくい、健康に関する悩みや不安を信頼できる医師が解決
https://corporate.m3.com/press_release/2019/20191219_001525.html
会社設立のプレスリリースは2019/1/8、約1年かけてのサービス開始です。
まだβ版ですが、チャット形式とテキストメッセージ形式で医師に相談できるサービスとなります。
エムスリーには医師に相談できるサービス、AskDoctorsがありますが、LINEヘルスケアのほうが、よりパーソナル、プライベートなサービス、ということでしょうか?AskDoctorsのノウハウも活かせそうですね。
「こんなサービス、大した利益にもならなさそう」「利用する人なんかほとんどいないのでは?」という印象を持つ人もいそうですが、オンライン健康相談はオンライン診療への布石であり、当面の採算は関係ないでしょう。こうしたバーチャルケア、テレヘルスと呼ばれる分野は、海外では急成長しています。
アメリカにオンライン診療を行うTeladoc Health(以下、テラドック)という企業があり、ビデオチャットなどで医師の診療を受けられるサービスを提供しています。
テラドックは月額課金によりオンラインで24時間365日、10分程度の待ち時間で登録医師の診療を受診できるサービス。忙しくて医者に行くかどうか迷っているようなときに気軽に受診でき、オンラインの医師が対面診療が必要と判断した場合は、近所の提携する病院を紹介する仕組みです。
このサービス、有料会員数は5460万人。個人が自腹で契約しているケースもありますが、企業が従業員向けの福利厚生として提携したり、保険会社がオンライン診療を割安で受診できるサービスを提供したりするかたちが多いとのこと。個人が自身で料金を払うのではなく、企業が払うBtoB形式というのが、テラドックのビジネスのポイントです。ちなみにテラドック以外にも同様のビジネスを展開する企業がたくさんあるようです。
企業にとっては体調不良を抱えて休みがちになるような従業員が減るというメリット、保険会社には契約者の早期受診が増えて健康な人が増加すれば、支払う医療費の抑制につながるというメリットがあります。国民皆保険の日本と異なり、契約する保険会社が医療費を負担するアメリカでは、保険会社が導入に積極的なようです。こうした取り組みで早期診療に行く人を増やしたり、医師から健康指導を受ける人が増えたりすれば、医療費削減につながるわけで、誰が医療費負担を行うかに関係なく、本質的な部分は日本も海外も同じです。
オンライン診療は「日本は医療機関が充実しているから、ニーズがなさそう」とか言う人もいますが、うつなどの精神疾患について病院に行く前に専門医に相談できることはニーズもあるだろうし、中国や東南アジアなど日本人の医者が少ない地域の現地法人に勤務する日本人従業員への福利厚生とかにも使えそう。そもそもちょっとお腹が痛くて近所の病院に行き、1時間待たされたうえ、3分の問診で胃薬を出されて終わり、みたいなことも多いですから、慣れさえすれば使う人が増えてくるようにも思います。企業の従業員への福利厚生や保険会社の契約者向けサービスとして、個人負担が少額になることがカギとなりそうですが、β版運用でノウハウを蓄積しながら方向性を固めていくんでしょうね。
さて、従業員の健康管理ということであれば、2019/2/28にプレスリリースされたNTTドコモとの合弁会社「株式会社empheal(エンフィール)」があります。こちらは健康経営コンサルティングを提供するとのことですが、上述したようにオンライン診療は企業の福利厚生や健康保険とも関係が深いことから、この2つの事業は将来的に、なんらかの繋がりが出てくるのかもしれませんね。
今後の展開が楽しみなところです。