ZOZOがYAHOOの傘下に入ったというBloombergのニュースにコメントしていた、ライトストリームリサーチがGMO-PGを訪問し、EXECUTIVE SUMMARY(レポートのサマリー)を公開しました。
■GMO PG: Key Company Visit Takeaways for Tsukebarai Business and Zozo
https://www.smartkarma.com/insights/gmo-pg-key-company-visit-takeaways-for-tsukebarai-business-and-zozo
サマリーしか公開されていませんが、ちょっと意訳しておきます。
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我々は先週、GMO-PGを訪問し、後払いビジネスの詳細と、YahooのZozoとの提携の潜在的インパクトについて議論した。訪問で得た知見は以下。
○決済処理ビジネスについては、Zozoは収入金額で見れば大きいものの、GMO-PGは将来の成長のために、商品ECよりも(決済関連)サービスと分割払いにより注力している。そのため、営業利益へのインパクトは限られるはずだ。
・D2C(企業の直接販売)のECが勢いを増してきていることはGMO-PGには追い風だが、
Zozoの成長には脅威となる。
○後払いビジネスについては、Zozoは収入では大きな割合を占めている一方、すぐにGMO-PGを他社に置き換えることは困難である。また、Zozo以外での後払いビジネスは、Zozoのそれと比べるとかなり早く成長している。
○キャッシュレスビジネスでの優位性獲得競争にインパクトを与えそうな楽天と比べると、SoftbankとYahooは消費者信用ビジネスに、より保守的なスタンスで臨んでいるのかもしれない。
○メルカリは自社で後払いを行っているが、GMO-PGの運営するものとは少しビジネスの性質が異なる。
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Bloombergの記事はちょっと??という感じでしたが、今回は概ね同意できる内容でした。取り立てて新しい情報はありませんがw。 前回の記事とその内容についてのブログエントリは以下。
■話題株:電子商取引銘柄に衝撃、ヤフーのZOZO買収で思惑(2019/9/12 Bloomberg)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-12/PXP1HAT0G1KY01
□株価急落に関するニュース記事について
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12525923954.html?frm=theme
今回のレポートは、Bloombergの記事にあったミオ・カトウ氏により作成されたものかどうかは不明ですが、ミオ・カトウさんという人は、NewsPicksをやっているUzabase出身の人のようです。Uzabaseを辞めて2017年にライトストリームリサーチを立ち上げたみたいですね。
エムスリーは10/1に日経225に採用されましたが、採用前日の9/30には出来高が 5,872万株と通常の10倍程度に膨らみました。
9/30の15分足の出来高を具に見ると、14時以降の出来高が4,000万株強もあったことがわかります。特に14:45~15:00の出来高は2,700万株ぐらいあったみたいです。おそらくその大半が大引けでの取引だと推測されます。(自分が利用可能な日足+出来高のグラフで見ているので、数字はさほど正確ではありません。)
さて本日10/3に、野村証券とJPモルガン・アセット・マネジメントが大量保有報告書を提出しました。いずれも報告義務発生日は9/30。
http://cdn.ullet.com/edinet/pdf/S100H2IG.pdf
http://cdn.ullet.com/edinet/pdf/S100H2KZ.pdf
野村証券グループの保有数は計4,341万株、保有比率は6.40%。JPモルガンAMグループの保有数は計3,879万株、保有比率は5.72%。大量保有報告書の提出義務は保有比率5%超(いわゆる5%ルール。エムスリーの場合3,400万株弱)ですが、両グループが9/30より前にどれだけ保有していたのかはわかりません。つまり9/30に何株取得して5%を超えたのかは不明です。
しかしながら、おそらくエムスリーの日経225採用に伴い、自身の抱えるインデックスファンド、パッシブファンドなどに必要となるボリュームを取得した結果、5%を超えたと考えるのが自然です。
ところで、9/30の機関投資家による空売り残高情報を見ると、
Regal Funds 0.670% 4,551,400株
JANE STREET GLOBAL 0.520% 3,557,745株
Integrated Core Strategies 1.740% 11,849,454株
となっていて、この3つのファンドだけで計2,000万株程度の空売りが発生しています。
おそらく、この空売りは株価下落を見越した空売りといった類のものではなく、上述したようなインデックス・ファンド等への組み込みに関係するものだと推測しています。
日経225採用に伴い、インデックスファンドではエムスリー株が大量に必要となりますが、市場から買い付ければ株価が騰ってしまいます。そこで、エムスリー株を保有する機関投資家に売却を依頼して必要な株数を確保する必要があります。なんらかの理由で、現物の株式を9/30にすべて売買することが困難だった、空売りに何かメリットがあった等々の理由から、特定の相手に対し、つなぎ売りみたいなかたちで保有する現物株を市場で売却せず、空売りを用いて大きなロットの売りを行ったのではないでしょうか?
この仮説が正しければ、2,000万株の空売り残高があっても、最終的に現渡しで手仕舞うでしょうから、市場での買い戻し(反対売買)は発生しないでしょう。この3つのファンドが、売却に応じた多くの機関投資家のエムスリー株を取りまとめて、どこか特定の金融機関に現渡しする、みたいな格好の取引なのかもしれませんね。
無論、大量保有報告書を出した2つの金融機関の買いが、この3つのファンドの空売りと直接関係しているかどうかは不明です。5%ルールに抵触しない金融機関の買いもあれば、空売り情報に出てこないような比較的小ロットの機関投資家の空売りも発生しているでしょうし、表には出てこない同様の動きが、9/30にはいろいろ起きていたと推察します。
空売り情報を見ていると、10/1以降もJPモルガン証券やMacquarie Bankがそれぞれ350万株の空売りをしていますが、これらも同じような動きなのではないでしょうか。
突然、大量のエムスリー株を空売りしているので、新手のヘッジファンドじゃないかと心配する向きや、強烈な空売りの買い戻しが将来的に入ることを期待する人もいるかもしれないけれど、そうした類のものではないでしょう。
この辺の事情に詳しくなく、上述した内容が、間違っているかもしれませんので、悪しからずw。
GMO-PGが三井住友カード、ビザ・ワールドワイド・ジャパンと取り組んでいる次世代決済プラットフォームの営業が開始されました。名称は「stera」。
■三井住友カードが展開する次世代決済プラットフォーム「stera」共同構築について
https://corp.gmo-pg.com/newsroom/press/gmo-paymentgateway/2019/1002.html
以下の記事が最も詳しそうです。
■三井住友カードがGMO-PG、Visaと共同で構築した次世代決済プラットフォーム「stera」の4つの強みとは?
https://paymentnavi.com/paymentnews/88044.html
■大手三社が連携、キャッシュレス決済にワンストップ対応する次世代プラットフォーム「stera」発表(2019/10/2 PHILE WEB)
https://www.phileweb.com/sp/news/mobile_pc/201910/02/1725.html
次世代決済プラットフォームは2018年5月に、GMO-PGと三井住友フィナンシャルグループの二社が、その構築について協議を開始したとのプレスリリースがありました。2019年2月にはGMO-PGおよび三井住友カード、ビザ・ワールドワイド・ジャパンの三社で、次世代決済プラットフォーム事業に関する基本合意を行い、2019年10月2日の営業開始となりました。
「日本のキャッシュレス決済は、セキュリティのレベルも低く、大変遅れている。リプレイス需要が大きな追い風になる」と説明があるように、すぐに売上があがる類の事業ではありませんが、中長期的なビジネス展開や今後のビジネスの広がりを考えると、非常に重要な事業です。
steraの特長は、記事にあるように、
・さまざまな決済へのワンストップ対応
・オムニチャネル化への対応
・世界水準のセキュリティと安定運営
・新しい高付加価値サービスの提供
の4つですが、今年2月の2019年9月期第1四半期決算説明会のビデオ「2.2.2 EC:次世代決済プラットフォーム」の部分で、その背景について説明がありました。
http://www.irwebcasting.com/20190214/5/82d2b04c0f/mov/main/index.html
エムスリーのフランス最大のクラウド電子カルテ企業を買収したとのプレスリリースがありました。
■フランス最大のクラウド電子カルテ企業を買収
~ SaaS型電子カルテでシェア50%超、2,500 万人分のカルテデータを保有 ~
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/20190927_01.pdf
プレスリリースにあるように、2016年11月に子会社化した、フランス、ドイツ、スペインの3カ国を中心とした世界各地域で医薬品情報のデータベース関連事業を行う、Vidal Groupを通じてこのWedaを買収したとのこと。
7月の株主総会の質疑応答にて、以下のようなやり取りがありました。
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Q.2016年のフランスのVidal Groupの買収は、100億円超(約1億ユーロ)とかなり大きな規模だったが、買収後の成果がまだ見えない。近況が知りたい。
A. Vidal Groupは歴史のある大きな企業であり、エムスリーのカルチャーを理解してもらい、企業カルチャーを融合させるのに2年ほど要した。新しいビジネスの準備が整いつつあり、近いうちに何らかの発表ができると思うので、期待してほしい。
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https://ameblo.jp/2sc372/entry-12492232872.html
株主総会で担当役員が「近いうちに何らかの発表ができると思う」と仄めかしていたのが、このWedaの子会社化ということのようですねw。
プレスリリースによると、
>Weda はフランスにおいて電子カルテ事業を行っています。プライマリケア向け
>SaaS 型電子カルテ市場でシェア 50%を超えるマーケットリーダーで、提供する
>電子カルテWEDAは10,000人のユーザー(うち 60%が医師)と 2,500万人分の
>カルテデータを保有します。
とのことです。
10,000人のユーザーの60%ということは約6,000人の医師が使っているということになりますが、フランスの医師数は約22万人とのことなので、まだ医師の3%程度しかWEDAを使っていないということになります。
フランスの電子カルテの導入率は約70%とかなり普及している(日本は35%程度)ようですが、プレスリリースの数字を見る限り、SaaS型電子カルテ(クラウド電子カルテ)はまだまだこれから、といったところなんでしょうね。SaaS型電子カルテは導入コストも維持コストも廉価で、サーバーのメインテナンスなどの煩わしさも不要なので、既存のシステムから置き換わっていくはず。現在の導入率が低いことは、裏を返せばWedaの成長余地がかなり大きということです。
ちなみに決算説明資料によれば、エムスリーが日本で行っているクラウド電子カルテ「M3デジカル」も絶好調。
・2018年11月にM3デジカルに名称変更後に導入が加速、導入件数は前年比2.4倍(2019/6末時点)
・クラウド電子カルテでは既にNO.1のポジション
・累計導入件数は1000件を突破、管理するカルテ数は1,400万人分に到達
ところで「2,500 万人分のカルテデータを保有」とのことですが、フランスの人口は6,700万人程度だから、利用する医師数(約6,000人)から考えると、ちょっと大きすぎる数字のような気がします。ただ、フランスの場合、「患者情報共有システム」みたいなデータベースがあり、そこにアクセスして電子カルテで個別の患者のデータを見るような仕組みたいだから、WEDAからそのデータベースにアクセスして見られるデータが2,500万人分、ということなのかもしれません。
プレスリリースには、
>今回の買収により、エムスリーはフランスでの事業領域を拡大します。~将来的には
>VIDAL France が運営する医薬品情報データベースおよび医師会員基盤と、Wedaが提供
>する電子カルテおよびそのデータを活用した新サービスの開発も視野に入れています。
とあります。
上述の株主総会の応答にあるように、Vidal Groupでの新しいビジネスの準備が整い、これからフランスで攻勢をかけていくということでしょうね。
余談ですが、フランスの医療レベルは概して高いんですが、医者の約半数が60歳以上で、医師不足が深刻化しているみたいです。これはフランスで医師になるのがかなりの狭き門で、若い医者が育ちにくいことが大きな原因とのこと。フランスでクラウド電子カルテの普及が今ひとつな現状は、"老害"も一因なのかもしれませんねw。
フランスに限らず、医療費の増大は世界的に大きな社会問題ですが、社会保障、公共サービスの観点から医療費は闇雲に抑制できないのがこの問題の難しいところ。一方、医療関連の事業には非効率的、非生産的な業務や慣習が、まだ多く残っているのも事実です。
医療の効率化をミッションとするエムスリーにとって、こうした外部環境は強い追い風です。
GMO-PG株の下落が続いています。9/9の終値は8,200円でしたが、9/13は6,540円。3日で2割も下げました。11日以降はZOZOがソフトバンクグループの傘下に入ったことで、GMO-PGがZOZOの決済から外れるのではないか、とういう思惑からの下げと考えられています。
この件について、ネット上では2つの記事が出ています。
まず、9/12のBloomberg。
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■話題株:電子商取引銘柄に衝撃、ヤフーのZOZO買収で思惑(Bloomberg、2019/9/12)
一方、GMOペイメントゲートウェイ株は12%超の急落となった。ライトストリームリサーチのアナリスト、ミオ・カトウ氏はアナリスト分析情報サイト「スマートカルマ」に掲載されたリポートで、同社の取引総額4兆円のうち約3000億円をZOZOが占めると同時に、GMOペイのマネーサービス事業の約7割を占める後払いサービスからの収益のうち半分はZOZOから得ていると指摘した。
ZOZOがヤフー傘下に入り、ヤフーの決済システムが導入された場合、GMOペイの今期営業利益は約15億円の損失になるとみる。ブルームバーグデータによると、通期営業利益計画のコンセンサスは約86億円。ただカトウ氏はヤフーがZOZOの決済を社内システムで賄うことは容易だが、後払いサービスは導入に時間を要する可能性があるとみている。 (関係箇所を抜粋)
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このBloombergの記事、かなりいい加減です。この記事を書いた牧綾香さんという記者、財務や決算の基本的なことがわかっているのか疑問です。
『ZOZOがヤフー傘下に入り、ヤフーの決済システムが導入された場合、GMOペイの今期営業利益は約15億円の損失になるとみる』
「今期営業利益は約15億円の損失になるとみる」、つまり、営業損失△15億円で赤字転落とみているということ。会社業績予想の営業利益は83億円だから、ZOZOがはずれれば△100億円ぐらいのインパクトがある、という内容です。
いくらなんでも、そんなことはありえないでしょう。はっきり言って無茶苦茶ですね。
そもそもGMO-PGは9月決算の会社で今期は残り1ヶ月を切っています。現時点で全事業をすべて取りやめても、営業損失になんてなりえません。書いた人は、昨年10月から今年8月までにZOZOから得た利益がZOZOのYAHOO傘下入りですべてYAHOOに持っていかれるとでも勘違いしているんでしょうかw?それでも赤字にはなることありえないでしょうけどww。
ずいぶんいい加減な記事ですが「年間の営業利益に△15億円のインパクトがある」と言いたかったと仮定して考察してみます。
有価証券報告書によると、2018年9月期のGMO-PGの売上収益のうち13.4%にあたる34.4億円がZOZOからの売上とのこと。年間30億円程度がZOZOから売上だと仮定すると、30億円の売上に対して15億円のマイナス要因ということならば、GMO-PGのZOZO向けビジネスの営業利益率が50%もあることになってしまいます。売上の中身は決済手数料とシステム開発・受託ですから、ZOZO相手にそんな"濡れ手で粟"のようなビジネスはやっていないでしょう。
△15億円のインパクトと言いたかったんだとしても、ちょっと大きすぎでしょう。
また、
『(GMO-PGの)取引総額4兆円のうち約3000億円をZOZOが占める』
とありますが、ZOZO全体の取扱総額は3110億円で、これは銀行振込とかも含めた数字。若年層の銀行振込みも多いZOZOでクレジットカードや後払いが、GMO-PGのクレカ決済だけでそれほど多いとも思えません。ちなみに「GMO-PGの取引総額4兆円」とありますが、これはGMO-PGが扱うクレカ等の年間決済処理金額のことでしょう。現在は年ベースで4兆3千億円に増えていますが。
この記事に出てくるライトストリームリサーチという会社も、ミオ・カトウというアナリストも全く知りませんが、Bloombergが記事にしてしまえば、内容にそれなりの箔が付くわけで、この記事を真に受けて不安になって狼狽売りをした人も多いでしょう。一定レベル以上の記者なら、提供された情報が常識的に間違っていないか、一通り検証するのでこういう記事にはならないはず。この手の間違いは、アナリストのせいにできないですから。
新米記者にポジショントーク的な情報を提供して与太記事を書かせ、自身の売り仕掛けに利用する連中がいるけど、ちょっと穿ち過ぎでしょうか?
次に、9/13(引け後)のFISCO。
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■<3769> GMOPG 6540 -290
大幅続落。ヤフー<4689>によるZOZO<3092>買収発表を受けて、同社のZOZO関連ビジネスの縮小が懸念されている。売上収益のうち約13%がZOZO関連となっているもようで、ヤフーが決済ビジネスを内製化した場合に影響を受ける。ただ、SMBC日興証券では、ZOZO関連ビジネスが収益に占める割合は5%以下とみているほか、後払いサービスは難易度も高く、完全なる代替は難しいとの指摘も。
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FISCOの記事ですが、SMBC日興証券のコメントに注目です。
『ZOZO関連ビジネスが収益に占める割合は5%以下とみているほか、後払いサービスは難易度も高く、完全なる代替は難しい』
収益に占める割合が5%以下とする根拠は不明ですが、感覚的にはこの程度でしょうね。この程度なら、残り1ヶ月を切った今期決算には、ほとんど影響しないでしょう。
後払いサービス(ツケ払い)については、完全なる代替は困難とのことですが、不可能ではないとは思います。ただ、後払いサービスは、焦げ付きを抑えながら利用者を増やしていくノウハウの蓄積が必須のビジネスモデル。そうしたビジネスに、キャリア決済が中心のソフトバンク・ペイメント・サービスが、直ちに参入する意志があるかどうかは疑問です。
GMO-PGは9月決算ですから、売上の5%以下なら今期の業績への影響はほとんどないでしょう。また、決済システムをGMO-PGからソフトバンク・ペイメント・サービスに移行するとしても、システム改修やらなんやらでそれなりに時間はかかるはず。仮に全面移行となっても、来期もZOZOとの取引はある程度残るでしょう。
そもそもGMO-PGの利益成長率は年間20~30%。決済処理金額も同程度の高い伸び。ZOZOとのビジネスが成長率を支えていたわけでもなく、収益に占める割合が5%以下のZOZOとのビジネスがなくなったとしても時間が経てば次第に影響が消えると考えるのが自然です。
ちょっと話はそれますが、9/16付の日経新聞に「ネット通販「後払い」急成長」という記事がでました。ネットプロテクションの話で、GMO-PGについては触れられていませんが、GMO-PGも数年前から、ZOZOのツケ払い以外でも後払いビジネスに力を入れています。既存顧客にラインナップとして後払いサービスを簡単に提供できるから、市場が急成長するのは追い風です。
上述したように焦げ付きを動的にコントロールしていくビジネスモデルなので、決済処理件数が多く顧客属性を統計的に高精度で把握できるGMO-PGには有利なビジネス。ZOZOのツケ払いで経験値をかなり上げ、すでに貸し倒れ率も大きく下がっているし、収益化しています。
ちなみに記事中にあるシンガポールのフィンアクセル(finaxccel)は、GMO-PGが提携している企業。給与先払いだとアメリカでシェアトップのアーニン(earnin)とも提携しています。
GMO-PGは決済の会社であり、ECの黒子的な存在。決済処理金額は、キャリア決済を抱えるソフトバンク・ペイメント・サービスを除けば業界トップで、大手企業や公共料金の決済を取り扱っていますが、どこどこの会社の決済を請け負っているとか、どこのシステムを受託したとか、セキュリティの関係上、ほとんど開示しません。
楽天PayとかスターバックスとかもGMO-PGが決済周りを受託してますが、投資家以外にはほとんど知られていないのが現状です。
一方でGMO-PGは、フィンテック関連の有力銘柄として注目されて材料株的な存在となったことから、短期勝負で信用売買をする人たちの割合が高まっています。GMO-PGの取引先はZOZOぐらいしか知らない(そもそも取引先なんて興味もないw)し、どれだけ儲かっているのかも知らないような人たちが多数、日々の値動きで切った張ったの売買をしているような状況です。
株価が急落して「ZOZOとの商売がなくなるとヤバいんだろうか」と思っていたところに、Bloombergの「今期営業利益が15億円の損失になる」というニュースが出れば、パニック売りも出るでしょうし、「そんなに悪化するならもっと株価は下がるはず」と考える人達の空売りも増えるでしょう。短期勝負の人たちは「Bloombergのニュースなら信頼できる情報だろう」ぐらいに安易に考える人も多そうですからね。
「株価下落→売り増加→株価下落→売り増加」という悪循環をこの記事が加速させたということです。
昨年12月に親会社のGMOインターネットが、GMO-PG株を9.7%、720万株を売却したときも大きな急落がありました。売却した株が市場に出回り、需給が悪化する懸念で騒がれたけど、常識的に考えれば、そんな大量の株を市場に出すわけないのに、個人がどんどん投げて急落しました。同時期にGMOインターネットの仮想通貨マイニング事業の特損計上(減損処理)もあり、「GMOインターネットがお金に困ってGMO-PG株を売った」だの「特損を埋めるための売却益が必要」だの、いい加減な噂も下げを加速する一因でした。そういえば、このGMO-PG株売却は日興証券がいったん引き受けるかたちで行われていましたね。上述の日興の「5%以下」のコメントとの関連は不明ですが。
このときの経験で、GMO-PGは不安材料で煽れば株価が急落する可能性が高いことを知っていて、売り仕掛けをしている人やファンドもいそうですね。
以下、昨年12月のエントリ。
■GMOインターネットによるGMO-PG株式の一部売却について
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12426594843.html
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12426799160.html
■GMOインターネットの仮想通貨マイニング事業の特損計上
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12428364963.html
個人的にはZOZOの影響が軽微だと推測しており、成長性やファンダメンタルズに問題はなく、やがて回復してくると考えます。まぁ、地合いも悪くなってきたし、回復に時間がかかるかもしれませんが、一気に2割も下げたし、中長期スタンスで打診買いする投資家も増えてくるでしょう。株価は昨年12月の急落と同じような動きになると考えます。
SMBC日興証券がコメントを出しましたが、他のアナリストの見解も知りたいところ。GMO-PGmのレポートをコンスタントに出している三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木さんあたりに、レポートでも出してほしいところですね。
株価が急落すると、掲示板とかSNSとかで、あることないこと不安を煽るような投稿をする人が増えます。いい機会なのでちょっと整理しておきます。
GMO-PGはPERが高すぎる
GMO-PGのPERはずっと高いです。高成長が継続している企業の株価は、総じて高PERです。
決済ビジネスは今後、競争激化が起こる
GMO-PGの主戦場である決済代行で今後、競争激化が起きる可能性は低いです。というか、決済代行はすでに競争が終わっている業界です。昔は手数料率が高く儲かる商売でたくさんの決済代行業者があったけど、度重なる決済手数料の引き下げで、ほとんどの決済代行業者は淘汰されてしまい、現在も生き残り、儲かっているのは業界大手など一部に限られる、と言われています。
ちなみに、決済処理金額ではキャリア決済をかかえているためソフトバンクペイメントサービスがトップ、2番手がGMO-PG、3番手がデジタルガレージグループ。
決済手数料が更に値下げされれば、利益が出なくなる
決済代行事業者は、カード会社にとって新規顧客の開拓などになくてはならない存在。従って手数料率を闇雲に下げることはできません。手数料率の下げは現在は一段落している状況で、これ以上、大きな引き下げは起きないと思われます。
欧米に比べて日本はカード手数料率が高すぎるから、やがて強制的に下げさせられるだろう
欧米はカードローンの利用率が高く、ローンの利息で儲ける構造ですから、手数料率が低くてもクレカビジネスはやっていけます。一方日本の場合、カードローンを利用する人が少ないので手数料率を高くせざるをえません。(ポイント制などを廃止すれば多少下げられるかもしれないけどw)
ちなみにGMO-PGの決済手数料はほとんどが3%以下。「カードの手数料で3%~7%ぐらい持っていかれるもは問題」みたいなことを言う人もいるけど、こうした高い手数料率は、新規の飲食店や風俗店などに適用されているもの。飲食店なら店が継続すれば手数料は下がってくるはずです。
決済ビジネスは今後、外資の参入が懸念される
顧客との信頼関係が非常に重要なビジネスであることに加え、多数の顧客を抱えなければ利益が出ない構造で、日本の市場に外資が参入することは困難です。というか、日本のキャッシュレス決済ビジネスの成長余地が大きいことは、ずっと前から言われているにも関わらず、欧米の大手企業すら入ってきていません。
ZOZOのツケ払いが増えているみたいだが、焦げ付きも増えているはず
GMO-PGの後払い(ZOZOでの名称はツケ払い)には契約前に審査があり、回収リスクが高ければ拒否します。後払いは、焦げ付きが増えてきたら審査を厳しくし、減れば審査を緩めるといったコントロールにより収益を追求するビジネス。(「厳しい取り立てで儲ける」なんていうことを言う人は、勘違いも甚だしいですね。たかだか5万円で取り立てになんか行っていたら、人件費倒れします。)
後払い可否の判定に関するノウハウの蓄積が進み、後払い開始当初にくらべて貸倒引当金はかなり減っています。これは取りも直さず、焦げ付きが減ってきて利益が増えていることを意味します。(決済説明資料に詳しく出ています)
余談ですが、後払いはZOZOのツケ払に限ったものではなく、急成長している分野です。ネットプロテクションズ社のように後払い、掛け払いに特化して成長している決済サービス企業もあります。焦げ付きが増えるような商売は急成長しないのは当たり前w。
ZOZOとのビジネスがなくなると業績が悪くなる
GMO-PGの決済処理金額は年間4兆3千億円。ZOZOは会社の取扱高は3100億円強、売上高が1200億円弱。取扱高にはクレカ決済や後払いではない顧客も相当数いると思われるから、決済での影響はさほど大きくはないでしょう。確かに2018/9期の有報によればZOZO向けの売上収益が2018/9期、2017/9期は売上の13%と記載がありますが、おそらくツケ払い関連の一時的なシステム開発、受託によるものも含まれているでしょう。
影響がないとは言えませんが、ZOZOに収益を依存している体質ではないし、会社全体の利益成長率が20~30%を継続していることを考えれば、さほど大きなインパクトはないと考えます。
(そもそもZOZOとのビジネスが切れるかどうか、切れるにしてもいつなのかも、今のところわかりませんw)
GMO-PGが手掛けるQRコード決済「銀行Pay」は話題にすらなっていない
ゆうちょPay、はまPayに代表される銀行Payですが、J-Debitが中心となり1000以上の金融機関で今秋からスタートするBank Payと相互利用が可能となる予定です。Bank Payはスタート時点からコンビニ等で利用可能となり、銀行Payが利用できる店舗は一気に増えるでしょうから、Bank Payのスタートが銀行Payにとっても実質的なスタートとなりそうです。
ちなみに銀行PayもBank Payも、既存の銀行口座を利用するケースが大半と思われ、競合するものではありませんから、Bank Payと一緒に口座直結型のQRコード決済を進めていくことになりそうです。
ちなみにGMO-PGは、ネット系のQRコード決済26社中、15社になんらかのかたちで関与しているとのこと(2019/5現在)。QRコード決済でGMO-PGは、黒子的な存在。そろそろBank Payも何らかの動きがあるはず。楽しみなところです。
ちなみに大失敗した7payには関与していないみたいですが、あれは安直に大手システムベンダーに頼んだことが失敗の一因と言われています。「餅は餅屋」ということで今後、GMO-PGのような決済専業の企業に開発などのビジネスが増えそうです。
2019/9/10から9/12にかけて、GMO-PG株が急落しています。9/10の終値は8,200円でしたが、9/12は6,830円。3日で16%も下げました。この下落の要因について整理してみます。
今回の下落の要因は2つあると思われます。
①VisaやMastercardなど、アメリカのフィンテック関連株が急落したこと。(9/10~12)
②YAHOOによるZOZOの子会社化で、ZOZO関連のビジネスがなくなることによる業績悪化の懸念が広がったこと。(9/12)
まず①ですが、フィンテック関連株の象徴的存在であるVisaとMastercardが、ともに9/9に史上最高値を更新した後に急落。9/11の終値で6~8%ぐらい下げています。時価総額はVisaが約40兆円、Mastercardが約30兆円とこれらは超大型株。どちらの株も年初から4、5割も上昇しており、株価が一時的に調整するのはしかたないところ。
アメリカ株は好調なので、上げすぎ気味のセクターから出遅れ気味のセクターに資金がセクターローテーションを起こしている、なんて解説も見かけましたが、そもそも出遅れセクターは利益が出ないから出遅れているのであって、そんなところに資金が長く滞留することはないので、早晩調整を終えるように思います。
次に②です。
GMO-PGは以前からZOZOの決済を請け負っていますが、ソフトバンクグループに入ることで、決済会社がGMO-PGからソフトバンクペイメントサービスに代えられるのではないか、という点から業績懸念が広がり、パニック売りみたいな状況になりました。
GMO-PGの決済処理金額は年間4兆3千億円。ZOZOの取扱高は全体で3,100億円強、売上高は1,200億円弱です。ZOZOは現金振り込みやコンビニ払いなど、クレジットカードや後払いを使っていない若年層顧客も多く、GMO-PGが関与しない売上割合も高そうです。GMO-PGが行う決済処理に占めるZOZOの割合はさほど大きくないでしょう。
2018年9月期のGMO-PGの有価証券報告書の(3)生産、受注及び販売の実績 の項目に、スタートトゥデイの売上収益が34.4億円(前年度は28.8億円)という記載があります。内容は不明ですが、ツケ払いの受託とかシステム開発といった類と推察されます。
ただし、2017年9月期以前の有報にはこうした記載がなく、ツケ払い関連のシステム開発受託とか、一過性の売上があって開示基準に引っかかり開示されたものかもしれません。
GMO-PGの売上に占める割合は13%とのことですから、それなりに大きいけど、GMO-PGの利益成長率が年20~30%を続けていることを考えれば、影響は限定的でしょう。
9/12の下げは、①が原因で急落していたところに、②のZOZOのTOBの話が出て個人ホルダーの不安心理が高まり、パニック的な投げで急落、といったところではないでしょうか。
GMO-PGは最近、フィンテック関連株の本命と呼ばれるようになり、短期勝負の個人も信用買いとかでたくさん持っています。初心者で付和雷同的に売り買いしている人たちも多い。
こうした状況だと、いったん個人の不安心理に火がつけば売り仕掛けが成功する確率は高くなるので、売り崩して個人に投げさせることで利益を狙う連中が入ってきます。場中に時々、大きな売り板が並ぶのは、安値で売らせたいそうした連中の売り注文だと思われます。
こうして冷静に考えれば、3日で16%もGMO-PG株が下げたのは、明らかに下げすぎでしょう。アメリカのVisaやMastercardの株価も、とりあえず底入れしそうな感じだし、今回の急落もそんなに心配するほどのことでもないように思います。
GMO-PGの長期ホルダーには経験上、こうした大きな下げがしばしば起きることを知っている投資家は多いです。こうした急落を絶好の買い場って考えている投資家も、少なからず存在するんじゃないかなw?
エムスリーが日経平均に採用され、需給面の改善が注目されていますが、今期の事業面での注目点を整理してみます。
1)メディカルプラットフォーム事業の拡大
・前年度の株価大幅下落は、この事業への積極的な先行投資、人員増による収益の悪化が一因。ただし、1Qから成果が出始めており、1Qはセグメント利益が対前年比+18%。「製薬マーケティング支援(≒ MR君)の1Q受注は対前年比40%増」とのことで、今後のセグメント利益にも期待が持てます。
・前年度に買収した、日本アルトマークの貢献はすでに出ているとのことだけど、各事業とのシナジーによる本格的な収益貢献は、まだまだこれからでしょう。エムスリーはM&Aのシナジー効果を早期に出す能力が極めて高い会社なので期待が持てます。
ちなみに日本アルトマークの2019年3月期の決算公告によれば、当期純利益は3.5億円でした(2018年3月期は3.1億円)。
2)海外事業の拡大
・中国等のアジア地域が急拡大。アジア地域の事業が成長軌道に乗る。「一過性のものではなく、持続的」というのがポイント。
・中国からのインバウンドの医療ツーリズムも検討しているとのこと。(株主総会での情報)
・3年前に約100億円で買収したフランスのVIDAL GROUPとの事業が、近いうちにスタートの予定。(株主総会での情報)
3)AIプラットフォーム
・現在、22の開発支援プロジェクトを持ち、AIプラットフォームは年内ロンチ予定。
2018年7月に「医療用画像診断支援AIオープンプラットフォーム「Doc+AI」(ドクエイ)の構築を開始」というニュースがあり、2018年度中にロンチ予定でしたが、音沙汰なし。読影(画像診断)にとどまらない、総合的、包括的な医療プラットフォームを構築していると思われます。
4)潤沢な投資資金(M&A?)
・2019年2月の第三者割当増資の際に430億円のキャッシュを手に入れており、投資資金は潤沢。新規事業に積極的に投資が可能。ドコモと設立した健康経営サポートの会社「株式会社empheal」、LINEとのオンライン医療事業の会社「LINEヘルスケア」などにも積極的な投資が可能な状況。
・潤沢な資金で大型M&Aの可能性もあります。円高は海外M&Aには有利な環境。無論、エムスリーは有利だからという理由だけで無闇にM&Aを行うような会社ではないけれど、もし計画があるのであれば円高はM&Aには有利ですね。
今期の利益への貢献が期待されるのは、セグメント利益が大きい「メディカルプラットフォーム事業の拡大」でしょう。
「海外事業の拡大」に成長性は高く、数年後にはかなり大きくなっている可能性はありますが、まだ規模が小さいし、「AIプラットフォーム」の収益への貢献は、しばらく時間がかかりそう。ただエムスリーは新規プロジェクトの短期収益化に定評があるので、これらの分野も2~3年で利益の目処が立つことを期待しています。
エムスリーの看板商品であるMR君は、医薬品市場の構造変化により、従来の仕組みでは利益が上げづらくなるのでは、という指摘もありますが、通常、ビジネスを行う環境は変化するもの。変化にいち早く気づき、適切な対処を行うことが肝要ですが、エムスリーは昨年度からMR君を含むメディカルプラットフォーム事業の先行投資を進め、テコ入れを行っています。
しかしながら、たしかにMR君は利益率も高く、エムスリーの成長拡大に大きく貢献してきたものの、今後も高い利益率を維持しながら永久に成長を続けることが期待できるわけではありません。
中長期的に見れば、メディカルプラットフォーム事業の看板商品である「MR君」の会社全体に占める利益貢献度は、他事業の高成長により相対的に小さくなっています。これはエムスリーがMR君の過去の成功体験に引きずられることなく、事業環境の変化にしっかり対応できている結果だと思います。
1年前の2018/8/22の株価は、分割後換算で2,195円。昨日(2019/8/22)の終値2,297円とほとんど変わりませんが、昨年は2018/9/27に最高値2,704円を付けた後に急落、2018/12/25には高値から半値以下の1,350円まで下げました。
個人的に昨年の急落の主な要因と考えるのは、次の2つ。
一つ目は業績面。メディカルプラットフォーム事業のセグメント利益が前年比マイナスとなったこと。これは営業強化等の幅広い先行投資の影響によるもので、期初から計画された戦略的なものでしたが、成長鈍化懸念が台頭、と受け止める人も多かったようでした。
二つ目は需給面。3500万株強を保有していた米系ファンド"Harding Loevner"が、去年10月に約580万株を売却していたことが、1月に出た変更報告書で判明しています。
この大量売却で10月に株価が大きく下げたことがキッカケで、一つ目の業績悪化懸念が高まり、2Q決算が良くなかったことと年末にかけての市場全体の地合い悪化が重なって、投資家の投げが膨らんだ結果、オーバーシュート気味な大幅下落となった、といった感じでしょうか。
エムスリーが高成長企業として注目され、目先のネタで横着に売り買いする短期勝負の人たちが増えたことも、下落に拍車をかけたと推察されます。昨今は信用取引で、いい加減な投資情報でドタバタ売り買いする人が増えていますから。エムスリー株はどうだか知りませんが、そうした短期勝負の個人を狙い撃ちするような短期のプログラム売買もあるみたいですしねw。
さて、一つ目の業績ですが、今期1Q決算でメディカルプラットフォーム事業のセグメント利益が前年同期比+18%、受注金額が同+40%と回復したことで、業績悪化懸念は後退しました。
二つ目の需給については予測不能ですが、これはどんな株式にも存在するリスク。ただしファンダメンタルズに問題がなければ、株価は次第に回復します。前期、戦略的な先行投資等で業績の伸びは一時的に鈍化しましたが、1Q決算を見る限り、再び成長軌道に乗ることが明らかになりつつある状況です。
ちなみにHarding Loevnerは去年11月以降、買いに転じています。年末年始の大量取得で300万株弱を平均株価1,595円にて、ちゃっかり買い戻したことが上述の変更報告書で見てとれます。
3Q決算が発表されました。
売上高 12,609百万円(対前同期比 +1.8%)
営業利益 1,325百万円(対前同期比△14.2%)
経常利益 1,450百万円(対前同期比△8.9%)
利益が対前年マイナスですが、これはある程度、予想されていたことです。事業計画で営業人員の拡大で7億円、オフィスの拡大(移転)で2億円の販管費増を見込んでおり、また「新人の戦力化に半年かかる」との決算説明会での話を考え合わせれば、3Q決算が一時的に悪くなるのは仕方のないところです。
近藤さんのFacebookに、3Q決算について、以下のような補足説明?がありました。
>ネクシィーズ社の事業拡大の為、4月に人員(202名)大幅に増加しました。
>今期は人員増や支店の移転などによる販管費が約9億円増加しました。
>早期の戦力化を図る為、研修・教育に注力しております。
>新人は入社から半年間は戦力になりません。
>正直、過去最大の拡大に対し、想定以上に既存社員の手がとられました。
>しかし、4Qにはその成果が明らかに出ます。
>ラストスパートで巻き返します!
ネクシィーズ・ゼロの事業環境が良好であることに特に変わりはなさそうですから、4Q以降、新人の戦力化により、収益力が上がることが期待できます。
7/6の個人投資家向け会社説明会で、行政(街の街路灯、小学校、消防署等)の仕事について説明があり、「行政の仕事は大手メーカーとコンペになるが、今のところ14,5勝3敗。メーカーの場合、自社製品で提案するが、ネクシィーズはいろいろなメーカーの製品を組み合わせて提案できるのが強み。」というのような話がありました。営業人員が強化されれば、こうしたコンペへの参加ももっと増えてくるでしょうね。
今期の採用は202名。来期も積極的に採用を進めるようですが、2Qの決算説明会資料に「営業人員が2020/9に600名」と記述があり、採用は今期の半分ぐらいの人数と推察されます。また来期は、オフィスの拡大も一段落でしょうから、販管費は数億円単位で改善できそうです。
また、新規事業のBODY ARCHIについては、想定以上の活況で社員教育が追いつかず、今期の出店は13店舗に留まるようですが、3年間で100店舗の予定とのこと。来期は30~40店舗程度は出店を見込んでいそうですが、7/6の個人投資家向け会社説明会で「1店舗開店すればネクシィーズに2,000万円程度の利益が(開店時に)発生する」との説明がありましたから、利益に対して数億円程度のプラス要因です。
万が一、今期が事業予想に対して未達となったとしても、特段のトラブルがなければ、来期はかなり期待できそうです。ネクシィーズは以前は「きもの学院」とか「神の手」とか、シナジー効果がよくわからない、収益性も未知数のビジネスをいろいろ抱えていましたが、今はほとんどが「ネクシィーズ・ゼロ」に関連するビジネスとなり、スッキリしました。
個人的にネクシィーズ・ゼロの将来性を考えて投資しているので、このように本業集中型のビジネスのほうが、わかりやすくてありがたいところです。
【参考】個人投資家向け会社説明会(2019/7/6)
http://www1.daiwair.jp/qlviewer/e-cast/19070643462rmxp/index.html?fbclid=IwAR0sN1-WWIaGv_HM8_bUPNECAhmSN1WaDgv-xC06pdOlcQeh9M2WgC_6BJA