GMO-PGの推進する「銀行Pay」のような「銀行口座即時引き落とし型のQRコード決済」については、今秋からは日本電子決済推進機構(Jデビット運営団体)の「Bank Pay」がスタートする予定です。こちらは三菱UFJや三井住友FGなどをはじめ、1000以上の金融機関が参加するとのこと。これだけの金融機関が参加するのであれば、現在、LINE Payや楽天Payが利用できる店の大半がBank Payも使えるようにすると思われます。
LINE Payや楽天Payなど「クレジットカード型のQRコード決済」や「プリペイド型のQRコード決済」が普及しつつありますが、まだまだ現金決済重視の人たちの取り込みができている状況にはない、と言われています。多くの金融機関が参加するBank Payの開始時には、コンビニなどの利用できる店舗が相当数確保され、また現金決済派の人たちに向けた「銀行口座即時引き落とし型のQRコード決済」の広告宣伝活動が本格化すると思われます。
それではBank Payが開始すると、GMO-PGの銀行Payにどのような影響があるのか?ですが、結論から言えば「Bank Payの開始は銀行Payの実質的なスタートとなり、普及が加速する」と推測しています。
GMO-PGの銀行Payは、Bank Payとの間での加盟店の相互開放を表明しています。つまり、Bank Payが使える店では銀行Payも使えるようになるということですから、Bank Payの開始に伴い、銀行Payで利用できる店舗も一気に増えるはずです。
「銀行口座即時引き落とし型のQRコード決済」を始める人の大半は、すでに持っている銀行口座を使うと思われます(QRコード決済用の口座を作る人でも、資金移動が容易な同じ銀行に作るでしょう)。加盟店がどちらにも対応するならば、自分の銀行が銀行PayだろうがBank Payだろうが、利便性に大差はないはずです。
これは交通系電子マネーにちょっと似ていますね。例えば、JR九州の「SUGOCA」を持っている人は、東京に来てもコンビニ等で使えます。東京で「SUGOCAで払います」といっても通じないけど、「交通系電子マネーで払います」と伝えればOKですから、全国どこでも使えるわけです。
福岡銀行に口座を持つ「よかペイ(ふくおかFGの銀行Pay)」利用者が、名古屋で使う場合は「銀行Payで(またはBank Payで?)払います」と言えば通じるでしょう。他地域で使うからといって、全国に支店があるメガバンクの○○Payを持つ必要はないはずです。
そもそも、JPQR(統一QRコード)が普及すれば、「〇〇Payで支払います」などと店頭で告げなくても大丈夫になっていくとは思いますがw。
銀行PayとBank Payは、自行に新たに口座を開設してもらうための施策ではないので、両者にシェア争い的なことは存在しません。競争相手は、LINE PayやPayPayなどのノンバンク系。対抗するために協調して「銀行口座即時引き落とし型のQRコード決済」を普及させていくことになると思われます。
GMO-PGにとってQRコード決済事業は、直接の利益にはさほど大きな貢献はしません。中長期的には重要な施策ですが、今期の業績にさほど影響はないでしょう。
しかしながら、QRコード決済によりキャッシュレス決済やクレジットカード利用が普及することで、電子決済市場全体が底上げされ、GMO-PGの主戦場である決済代行事業に中長期的には大きく寄与するであろうと考えられます。
QRコード決済は、GMO-PGが以前から提唱している、付加価値サービスが主力事業に還流し拡大を続ける「還流モデル」の付加価値の部分、ということですね。
1Q決算、順調でした。
https://corporate.m3.com/ir/library/presentation/pdf/20190725_03.pdf/
期初の連結業績予想の半期、通期の対前年同期比を見ると、上半期は抑制気味で下半期に売上収益、利益ともに拡大が加速するようなイメージでしたが、今回の1Q決算の対前年同期比は、上半期予想を売上収益、利益ともに大きく上回っており、業績の回復が前倒しで起きていることを感じられます。
前期4Q決算の説明会資料で先行投資の成果が出つつあるようなコメントがあったし、また、先日の株主総会でも同様の印象を受けたから、予想通りと言ったところです。まだ1Qだし、1Qの決算数値だけで今期の良し悪しを占うことはできませんが、これは良い兆候であることは確かですねw。
昨秋から株価は低迷し、中長期スタンスの投資家は辛抱してきましたが、ようやく光が見えてきた感じです。もっとも株価低迷時は仕込み時。持ち株数を増やした中長期投資家も多いとは思いますがw。
さて以下、気になった点。(カッコ内は決算説明会資料のページ)
○新規連結アルトマークが貢献(P5)
メディカルプラットフォーム事業で「新規連結アルトマークも貢献」とあるのは、もともとエムスリーがアルトマークに支払っていた情報料が今年2月の買収によりなくなったことも大きいかもしれません(あくまでも推測)。アルトマークの既存事業に対するシナジー効果が出る施策は、むしろこれからでしょう。
○大型PVプロジェクト終了の影響が発生(P11)
エビデンスソリューション事業で売上、セグメント利益ともに対前年同期比マイナスとなったけど、前年度決算の説明会資料に「大型PVプロジェクト終了の影響が今後発生」「ファーマコビジランス(PV)の大型プロジェクトが終了」とあり、これは既報。
○海外事業(P18~)
・「アジア地域の事業が成長軌道に乗る(一過性のものではなく、持続的)(P5)」「中国等のアジア地域の事業展開がペースアップ、利益は前年比数倍(P19)」とのこと。ようやく中国が立ち上がってきたようです。
MR君や転職サービスのような仕掛けは、国土が広大な中国での効率的なマーケティングには日本以上に効果的なはず。中国には皆保険制度がなく、今後高齢化が急速に進む状況。また偽薬や贈収賄の横行、詐欺的医療などの課題も多いと言われています。医療問題や高齢化問題は中国は国を上げて改善に取り組む必要に迫られている状況で、医療制度の整備は国家的な課題のひとつ。これはエムスリーにとっては大きなビジネスチャンスです。エムスリーは中国では現地の医療大手企業とJVでビジネスを展開しており、役人等からの不当な介入で潰される類のリスクは低いと推察します。
株主総会の質疑応答で「中国事業は好調。今後、中国から日本への医療ツーリズムも考えている。」というような説明がありましたね。
・今回の決算説明会資料では触れられていませんが、3年前のフランス・VIDAL GROUPの100億円規模の大型買収について、株主総会の質疑応答で「VIDALは大きな会社で、企業カルチャーの融合に時間が必要だったが、準備は整い、近いうちに何らかの発表ができると思う」というような説明がありました。こちらも楽しみなところです。
○AIプラットフォーム(P26)
「AIプラットフォームは年内ロンチ予定」とのこと。エムスリーは1年前、以下のプレスリリースを出しています。
■医療用画像診断支援AIオープンプラットフォーム「Doc+AI」(ドクエイ)の構築を開始 ~ あらゆる医療向け画像診断支援AIアルゴリズムを利用可能 ~
https://corporate.m3.com/press_release/2018/20180725_001400.html
このプレスリリースの中で「「Doc+AI」(ドクエイ)は2018年秋頃のリリースを予定しております。」とありましたが、ロンチされたという話はありません。株主総会の質疑応答にもこの件の質問はありませんでしたので真相は不明です。
今回の決算説明会資料は「AIプラットフォーム」とあり、「画像診断支援」という文言が消えています。今回ロンチ予定の「AIプラットフォーム」は、画像診断支援のみならず、AI技術を用いた他のサービスも含む包括的なAIプラットフォームを構築する、ということなのかもしれません。
◎その他
・今回の決算説明会資料には、2月の第三者割当増資で手に入れた430億円の使いみちについて特に説明はなし。エムスリーはLINEヘルスケア(LINEとのオンライン医療事業会社)やエンフィール(ドコモとの健康経営サポート会社)など、大きなプロジェクトが目白押しですから、お金の使いみちに困ることはありませんが、M&Aもエムスリーの得意分野。
今後、大きな買収案件が出てくるかもしれませんね。
7payのトラブルで、QRコード決済を否定する声がテレビやネットでも目立ちます。某有名ブロガーがツイッターで「ポイントに釣られる愚かな連中が使っているだけ」と腐したり、利用者を小馬鹿にするような発言を繰り返す人たちも出てきました。
そこで「QRコード決済は普及しないだろう」とする否定派の人たちの意見を整理し、敢えて反論してみます。
最初に断っておくと個人的には「QRコード決済はいずれ淘汰は起こるだろうけど、ある程度は普及するのではないか」と考えています。
自分は、少額決済は「クレカ機能付PASMO」を利用することが多いものの、オートチャージ機能の月額上限が5万円で、タクシー等で多用すると上限額をオーバーしてしまう(PASMOは5万円を超えて使う場合は券売機等で現金でチャージしなければならない)ため、コンビニ等、コード支払いが使えるところでQRコード決済(LINE-PAYとPayPay)を使うようになりました。高額決済はクレカ、少額決済はPASMOとQRコード決済、という感じで利用しています。
さて、否定派の主な意見は以下のようなものです。
①QRコード決済は乱立し、混乱している。
②レジでわざわざアプリを立ち上げるのは面倒。
③アプリをインストールし、クレカや銀行口座を登録するのは面倒。
④SUICAやPASMOなどの交通系ICカードのほうが便利。
⑤クレジットカードで十分。中国以外でQRコード決済なんて普及していない。
⑥QRコード決済は中国でも不正が起きておりセキュリティが不安。
以下、上述の否定的な意見に対する反論を考えてみました。
①QRコード決済は乱立し、混乱している
確かにQRコード決済は一気に増え、似たような割引サービスが多いため、どれを使うのかを迷うことはありそう。だけど「どれを使うのかを迷う」のと「混乱している」というのは違います。メディアだと記事を書く人や番組制作の人が、たくさんあってうまくまとめることができず、「混乱」という言葉で無理に問題提起して、お茶を濁す場合も多いように思いますw。
特定のQRコード決済を利用することを決めれば、利用は難しくなく、混乱しません。まぁ、QRコード決済は確かに乱立気味で、いずれ淘汰されていくとは思います。中国もAlipayとWeChat Pay以外にもたくさんあったみたいですから(シェアは小さいものの、中国では現在も続いている他のサービスもあるようです)。
②レジでわざわざアプリを立ち上げるのは面倒
QRコード決済を利用するには予めアプリを立ち上げる必要がありますが、実際に使うとそれほど手間だとは感じません。レジに並んでいるときに、予め支払い画面を出しておけばいいだけです。レジにカゴを置いてからカバンに入っている財布を取り出すより、並んでいるときにアプリを立ち上げる方が全然楽です。並んでいるときはカゴを持っているから、カバンから財布を出して支払いの準備をすることができないですからね。
③アプリをインストールし、クレカや銀行口座を登録するのは面倒
確かに最初は面倒ですが、ネット通販で何かを買うときと同程度。いったん設定すればチャージ等にさほど手間がかかるとは感じません。
④SUICAやPASMOなどの交通系ICカードのほうが便利
「アプリの立ち上げよりSUICAを出すのが楽だろ」と言う人もいるけど、世の中、パンツのポケットにパスケースを入れてすぐに取り出せるような人ばかりではありませんw。
そもそも電車をほとんど使わない人はSUICAを持ち歩いていないし、電車通勤をしている人でも、女性にはカバンの中の財布かパスケースにSUICAを入れている人も多いです。
お昼ごはんをコンビニに買いに行くのに、キャッシュレス決済のために(クレカや会員カードをいっぱい入れて重くなったw)財布やパスケースを持ち歩かなくても(あるいはSUICAやクレカを財布から取り出して持っていかなくても)、スマホがあれば支払いができるQRコード決済は便利なはずです。
⑤クレジットカードで十分。中国以外でQRコード決済なんて普及していない
確かにコンビニでもクレジットカード決済、デビットカード決済ははできるけど、財布から取り出して店員に渡す必要があります。海外ではタッチ式の決済機能が付いたクレジットカードやデビットカード(及び専用決済端末)が普及しているけど、日本ではまだまだ。日本でSUICA等の規格の異なるタッチ式決済が普及したため、クレカのタッチ式決済は普及が遅れているという事情があります。コンビニで使えるのはローソンだけじゃないかな?
中国以外でQRコード決済が普及していないのは、クレカによるタッチ式決済が普及しつつあるからではないでしょうか? クレカのタッチ式決済も徐々に普及してくるとは思いますが、SUICAの端末とは別の専用端末が必要であることから、ある程度時間がかかるように思います。
⑥QRコード決済は中国でも不正が起きており、セキュリティが不安
どんな決済方法でも不正は起きうるもの。キャッシュでさえ詐欺に合うこともあるしw。QRコード決済でも不正はあるけど、不正防止や不正検知、対処方法のノウハウは蓄積されており、コントロールできているからこそAlipayやWeChatPayが普及、現在でも使われているということ。企業により差はあれどQRコード決済導入にあたり、日本でも中国の不正事例は研究しているでしょうから、IDやパスワードの管理をしっかり行えば、さほど心配しなくても良いようにも思います。始まったばかりだし、今般の7payのようなセキュリティがガバガバのところもあるかもしれないけど、やがてノウハウも蓄積し、落ち着いてくると考えます。
QRコード決済を否定している人たちは「電車やバスで通勤するためのSUICA等の交通系ICカードを保有、ポケットに入れていて、すぐに取り出せる人」で、自分が利用するシチュエーションしかイメージできずに否定している人が多い印象です。
例えば、
「自動車通勤、徒歩や自転車で通勤通学するため、SUICAを持たない人」
「財布やパスケースをカバンに入れいていて持ち歩かない人」
「複数のクレカや会員カードなどで大きく膨らんだ財布を持っている人」
「小さい子供を連れて買い物する人」
みたいな人たちは、スマホで決済できるQRコード決済の利便性はそこそこ高いのではないか、ということです。
最近「わざわざ支払いのためにアプリなんか立ち上げるか!」みたいなツイートをあまり見かけなくなったのは、自分で使ってみて、そんなに面倒じゃないことに気づいた人が多いのかもしれませんねw。
セブン&アイグループのQRコード決済「7pay」の不正利用が問題となっています。今回の事件で「QRコード決済は危ない」というような印象を持つ人もいるんだろうけど、中長期的に見れば、キャッシュレスの流れはそう簡単には変わらないでしょう。
そもそも今回の事件は、QRコード決済自体の瑕疵ではなく、システム設計上のミス。現在、QRコード決済に対する風当たりは強いけど、今回の不正がキャッシュレス、電子決済の利便性を揺るがすようなものではないですから。
さて、会見によると7payのシステム開発は、協力会社で行ったとのこと。会社名は明かされませんでしたが、ネット上では問題のあったオムニ7のシステム開発はNTTデータ、NEC、野村総研、日本オラクルなので、この4社が関与しているのでは、と囁かれています。7payのシステム開発にGMO-PGは関係していなさそうですね。
NTTデータやNECのような一流の会社で、決済というある意味デリケートなシステム開発でこうした単純な欠陥が起きるのはちょっと信じられません。これらの会社は他の決済システムも請け負っているでしょうから、顧客への説明で大慌てでしょう。
5月の決算説明会によれば、QRコード決済は26社存在するとのこと。「よくわからないけど、大手に任せておけば大丈夫なはず」みたいな安直な経営者も多そう。7payの会見を見ると、決済システムをちょっとナメてかかっていたみたいですしねw。
決算説明会によればGMO-PGは、QRコード決済は26社中15社に関与しているとのこと。
①決済基盤の提供:6社
②チャージインフラの提供:4社
③基幹システムに実装:7社
①が決済システム全体の受託で、GMO-PGとしては①の形態の関与を増やしていきたいとのことでしたが、7payの不正を受けて、中長期的には①のような一括の受託が増えてくると推察します。
「餅は餅屋」ということでしょうww。
○メディカルプラットフォーム事業の現状について
→現在の2020/3期1Qは、昨年度4Qの好調を維持しているとのこと。
これは昨年度、先行投資等により営業人員を増強したことに加え、個別案件のマーケティングだけではなく、企業や特定分野の部門と売上アップを図るようなコンサルティング的なビジネスの引き合いが強いことも、好調の理由。
(メディカルプラットフォーム事業はエムスリーのコアビジネスであり、その増強は将来の成長に必要不可欠だから、一時的にセグメント利益の成長が鈍化してもやむを得ないところでした。2019年度の決算説明会資料で、メディカルプラットフォーム事業が4Qで回復してきたとの説明がありましたが、株主総会では1Q以降も好調が続きそうな印象を、個人的には持ちました。)
○情報漏洩対策について、個人情報漏洩の懸念
→ 情報漏洩には細心の注意を払っており、M&Aを行うような場合は、相手先のシステムを精査して問題がないかどうかを細かくチェックしている。個人情報を扱う電子カルテ事業は今のところ国内だけだが、細心の注意を払っている。
○LINEとオンライン医療事業を始めるとのことだが、規制が厳しく困難ではないか?
→ オンラインによる医療相談には規制もあるが、医療の効率化が必須である現状から国も推進したいと考えている。小さなベンチャーが取り組むのではなく、大手のエムスリーとLINEが取り組むということで、期待されていると思う。
○配当をもっと増やしてほしい
→ 配当は本来、事業に使うお金が余ったら行うというのが基本的な考え方なので、配当を積極的に増やしていくことは考えていない。
○2016年のフランスのVidal Groupの買収は、100億円超(約1億ユーロ)とかなり大きな規模だったが、買収後の成果がまだ見えない。近況が知りたい。
→ Vidal Groupは歴史のある大きな企業であり、エムスリーのカルチャーを理解してもらい、企業カルチャーを融合させるのに2年ほど要した。新しいビジネスの準備が整いつつあり、近いうちに何らかの発表ができると思うので、期待してほしい。
・今後のM&Aについては具体的な話はなかったけど、2月末にプレスリリースされたNTTドコモとソニーへの第三者割当時に、手に入れた430億円の使途を「事業基盤の獲得・拡大を目的としたその他のM&Aに伴う株式取得費用等」としていたから、 大きな買収を考えているのかもしれません。エムスリーのM&Aチームは優秀ですから、楽しみですね。
・配当については、いろんな考え方があると思うけど、成長株に長期投資している投資家には、まったく不要と考えている人も多いんじゃないでしょうか? ある程度の配当は必要なのかもしれませんが、せっかく投資したお金が配当というかたちで税金が引かれてたくさん戻ってくると、なんだか損した気分になりますから。
西山ファームの件。
個人にクレカ決済によりいったん化粧品等を購入させた後、広告代金数%を上乗せした額で買取業者に売却することで儲かることに加えてクレカのポイントも稼げる、というような謳い文句で"個人投資家"を募っていたみたいですね。買取代金等の入金が滞り、クレカの支払いが不可能となった模様。
どうやらGMO-PGが決済代行事業者として、このクレカ決済の部分で絡んでいたみたい。
この騒動は1,2ヶ月前から報道されていますが、2019/6/3付の日本経済新聞に以下の記載がありました。
”同社は「取引先のカード決算代行業者が関わって事業の枠組みができた」と主張している。”
これは、あくまでも西山ファームの主張。("決算代行"って何?w)
GMO-PGがこんな怪しいビジネスの"枠組み作り"に積極的に関与するとはちょっと考えにくいです。まぁ特定の社員が個人的に絡んでいる可能性は排除できませんが、GMO-PGが組織的に関与することはありえないでしょう。GMO-PGは、そんな怪しいことにかかわらなくても十分儲かっているし、そもそも公序良俗に反するような企業の決済代行は引き受けないポリシーだしw。
西山ファームの元弁護士が、被害者にGMO-PGへの損害賠償が可能とか文書を配っているみたいな話もありますが、最近クビになった弁護士が守秘義務を無視しているようにも見えるけど大丈夫なのかな?この弁護士もなんだか胡散臭い感じですw。
では万が一、GMO-PGの特定の社員が犯罪行為に関与していた場合はどうなるか? 結論から言えば、GMO-PGの業績への影響は軽微でしょう。
GMO-PGは、2017年3月に社員のミスにより情報漏洩事件を起こしましたが、業績への影響はほとんどありませんでした。GMO-PGの主要な顧客である大手企業の場合、決済代行事業者を容易に乗り換えることは困難です。社内のシステム改修など、乗り換えには相当な労力が必要です。決済代行業者は黒子的な存在であり、どの企業を使っているのかは通常、表に出ていません。会社ぐるみの犯罪と特定でもされない限り、顧客が離れることはないでしょう。
また、情報漏洩のときのように対策費が必要となる事案でもなく、GMO-PGの中長期的な成長に影響はないと考えるのが自然です。
GMO-PGの株価はすでに直近高値(4/24, 9080円)から2割ほど下げているけど、この西山ファームの件も関係しているのかな?2017年の情報漏洩事件のときも一時的に大きく下げたけど、すぐに戻り、結果的に買い増しのチャンスでしたが、今回はどうでしょう?
5/31に、2019年9月期2Q決算説明会が開催され、説明会資料とビデオが公開されました。
http://www.irbroadstreaming.net/ir/4346/2019_2q/m/tablet.html#pc=true
ビジネスが全般的に順調であることは確認できましたが、いくつか興味深い内容がありましたので、まとめておきます。(一部、前回の決算説明会の内容を含む。*は自分のコメント)
◎ネクシィーズ・ゼロ
□LED照明のネクシィーズゼロ導入件数
3.6万件(2018/11末)→ 3.8万件(2019/4末)
半年で+2,000件と順調に件数を伸ばしていますが、ネクシィーズ・ゼロの導入はわずか1%。日本全体のLED照明普及率はまだ30%であり、まだまだ開拓需要が存在。
*未導入70%のうちどれだけネクシィーズ・ゼロの対象物件となりうるのかは不明だけど、直感的にみてもまだまだ伸び代が大きいのは明らかです。
□LED商材以外の売上が前年比1.5倍
*ネクシィーズ・ゼロの売上は、器具や機材の販売収入ではありません。ネクシィーズ・ゼロを契約した顧客が毎月支払うサービス料。契約が成立すれば継続的(LEDなら5年間)に収入が得られる仕組みで、万が一、何かのトラブルで一時的に新規契約がストップしても、過去の契約分の売上が入るので売上急減は起こりえず、収入は安定的です。(前期の説明でも"前年比1.5倍"とのことでしたが、継続課金だから急に比率が変わることはないでしょう。)
□新規顧客の50%が既存顧客の紹介。
以前から近藤さんが重要視している点。自身の導入満足度が高いからこそ、知人を紹介してくれる。飛込み営業やアポ電営業がほとんど不要。営業担当者は一般的に一年で数十%辞めると言われるが、ネクシィーズは数%程度でほとんど辞めない。
*営業人員の予想数は半年前の説明では2020/9に700名だったが、今回の説明では600名と修正。今期の採用は202名で総人数は388名→530名(+142名)とのことなので、来期の採用は今期の半分くらいか?
予想を100名減らした経緯は不明だけど、今期より採用・教育コストが抑制されれば利益が出やすくなるはずで、短期的な業績にはポジティブかな。ちなみに来期は事務所移転経費(今期1.9億円)も減るはず。
□分煙対策 喫煙室・喫煙ブースのネクシィーズ・ゼロでの提供
*2020年4月施行の健康増進法を見据えてのビジネス。既存顧客へのアプローチでクロスセル(アップセル?)が比較的容易か?もともと、LED商材の顧客からのニーズに対応して空調機器や厨房機器等に展開した経緯もあり、同様の展開が可能ですね。
◎セルフエステスタジオ BODY ARCHI
□表参道店は会員700名達成。場所の悪い渋谷店でも5ヶ月以内に600名。西新宿店も3か月以内に600名達成予定。表参道店は当初、1年で500名を目標としていたが、大幅に上回る結果。5/30時点で初回体験予約に250名以上の待ち。
□来店率(体験来店÷予約)=77.3% 入会率(入会÷来店)=88.9% 会員平均年齢は34.6歳。
入会率が非常に高く、他のヨガなどの入会率の倍ぐらい。
□3年で100店舗に拡大予定。パートナーをしっかり選んでいきたいこともあり、今期は最大15店舗に留める。
□ハンドエステはエステティシャンのテクニックが重要だが、BODY ARCHIのようにマシンを使うエステは、かけ方がわかれば良く、セルフで可能。
*これまでセルフエステは「エステティシャンがいないから効果が低い」と言われることがあったけど、ハンドエステのエステティシャンとマシンエステのエステティシャンのテクニックの重要性を混同している人が多そうです。
経験が浅いエステティシャンが、マシンで高額な施術を行っているようなエステサロンが多いのであれば、エステティシャンの存在を省いて人件費を浮かせることが可能。こうしたエステマシン(1台300万円?)はメーカー(販売元?)の利幅が大きそうだし、大量購入で大きな値引きが可能なのかもしれません。マシンの価格は平均的なエステサロンの経営が成り立つ金額に設定されていると仮定すると、会員数が多くてマシンの稼働率が高いエステサロンの利益率は高そう。以前、近藤さんはBODY ARCHIの利益は「飲食店の数倍」とも話していましたね。
*主力商材であるネクシィーズ・ゼロに比べれば、BODY ARCHIはまだ小さなビジネスですが、今後の成長が楽しみなところです。
GMO-PGの株価が急落しました。
2Q決算発表後に約1割強急落、直近の時合悪化を受けて更に1割強の急落といった感じで、4/26の直近高値9,080円から約3割も下げました。
こうした調整はGMO-PGのようなハイバリュー株(高PER株)ではしばしば起こること。業績悪化懸念が出たわけでもないし、もともとGMO-PGは値動きが激しい株。経験上、プラスマイナス10~15%ぐらいは簡単に動く株ですから、こうした大きな調整も仕方のないところ。
最近は、フィンテック銘柄として囃され、株式投資ではなく、株価の上げ下げを使ってギャンブルをやる人がたくさん入り込んでいるみたい。最近のYAHOO!掲示板が投資情報としての質が下がり、ギャンブラーに占拠されているかのような状況になってしまったことからも明らかで、以前にも増して、株価の値振れが大きくなった印象です。
値振れが大きくなっても、掲示板であることないこと悪口を書かれてもw、会社の本質的価値には影響しません。GMO-PG株を長期保有している株主は株価のクセも理解しているし、さほど心配はしていないでしょう。中長期の投資家から見れば、狼狽売りや損切りが増えるほうが投資機会は増えますから。吹き値売りのチャンスも増えるしww。
今年の年初の株価が4,500円だったことから、6ヶ月チャートとかを見て「株価が2倍に急騰したのだからバブル。急落は当然で再び5,000円ぐらいに戻る。空売りのチャンスだ。」みたいなことを言う人もいます。しかしながら、GMO-PG株はここ1年、だいたい5,500円から7,500円のレンジで推移していた株。感覚的には6,000円から7,000円ぐらいのレンジワークで、たまにはみ出るイメージでしたねw。
年初の株価は4,500円と上記内容と矛盾しますが、昨年末の地合悪化の中で、親会社のGMOインターネットが突然、GMO-PG株10%弱を売り出すと発表したこと、またその引受先が不明とのニュースを受け、需給悪化懸念からの狼狽売りで一気に急落して4,300円台を付け、しばらく5,000円以下でうろうろしていて年越しをしたのが、その経緯です。
ちなみに、GMOインターネットが売却した株を誰が引き受けたのかは未だに不明ですが、政策投資的なかたちで複数の大口投資家または金融機関が引き受けたため市場には出てこない、と推察しています。
□GMOインターネットが売却したGMO-PG株の行方(個人的な推察)(2019/1/10)
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12431922930.html
売却した株が市場に出てこない安心感からか、狼狽売りで下げすぎた株価は次第に元に戻り、非現金決済関連ビジネスの注目度が高まったことと相俟って、4/26に直近高値9,080円を付けたというのが、年初からの流れです。
確かに年初の4,500円から2倍にはなっていますが、長い間5,500円から7,500円のレンジで推移していたことを考えれば、決して暴騰したわけではないと考えるのが自然です。むしろ業績好調を受けて、レンジワークを脱したところですから、今回の急落の7,000円前後の株価は買い場と考えます。まぁ、5,000円前後で買った人たちもたくさんいるから、利益確定の売りものが続く可能性もあり、地合い次第ではまだ下げる可能性もあるんだろうけど、中長期スタンスの投資なら、ここから少し下げても地合いが良くなれば回復してくる水準だと考えています。
さて、4/27に三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJMS)の荒木さんが、新しいアナリストレポートを出しました。目標株価は8,000円から9,000円に変更、オーバーウェイト継続とのこと。三菱UFJMSは、中長期的に高い利益成長が見込める企業として、GMO-PGのアナリストレポートを継続的に出しています。株価9,000円は、2023年9月期の利益と企業価値の予想値から算定しています。
ちなみにアナリストの荒木さんは一時、楽天に手厳しいレポートを書いて三木谷さんの逆鱗に触れて、楽天から出入禁止を言い渡された人気アナリストですww。以下にこれまでの推移をまとめました。
★過去の三菱UFJMSのレポートと関連エントリ
□2015/8/27付 株価=3,615円, 目標株価=5,800円
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12066881958.html
*補足
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12068762758.html
□2015/11/20付 株価=5,570円, 目標株価=5,900円
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12099096461.html
□2016/ 3/15付 株価=7,060円, 目標株価=8,800円
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12139607311.html
□2016/11/21付 株価=4,680円, 目標株価=8,800円
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12222431416.html
□2017/ 3/13付 株価=5,560円, 目標株価=8,800円
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12256340060.html
□2017/11/ 9付 株価=8,520円, 目標株価= 9,500円
□2018/ 2/22付 株価=9,150円, 目標株価=11,000円
※2018/10/1 1:2分割
□2018/11/20付 株価=5,530円, 目標株価= 6,700円
□2019/ 2/27付 株価=6,610円, 目標株価= 8,000円
□2019/ 5/27付 株価=7,640円, 目標株価= 9,000円
先日、デジタルガレージのクラウドペイについて書きました。
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12461779790.html
日経の記事中に、「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」のQRコード決済の統一コード「JPQR」について触れられていないのはおかしいと書きましたが、その後、日経は申し訳程度にJPQRのことを追記したみたいです。記事が片手落ちだと批判でもされたんでしょうかw。下記のJPQRの検証のニュースについても、ネット系メディアは一斉に報じたのに日経は載せていません。この件に限ったことじゃないけど、最近の日経は偏っているというか、引っ込みがつかない状況になると無視するというか、そんなことが増えていると感じる今日このごろですw。
さて本日(2019/5/20)、このJPQRの効果検証が開始されることが明らかになりました。
■総務省が推進する統一QRコード「JPQR」--普及事業にPayPayやLINE Payなど決済9社が参画
https://japan.cnet.com/article/35137180/
キャッシュレス推進協議会は2019/3/29、JPQRへの切替目標を2019/8/1に設定すると発表していましたが、その後の具体的なスケジュールが発表されたということです。
参加する決済事業者は、NTTドコモ(d払い)、Origami(Origami Pay)、KDDI(au PAY)、福岡銀行(YOKA!Pay)、PayPay(PayPay)、みずほ銀行(J-CoinPay)、メルペイ(メルペイ)、ゆうちょ銀行(ゆうちょPay)、LINE Pay(LINE Pay)の9社で、8月1日から岩手県、長野県、和歌山県、福岡県で開始するとのこと。効果検証の地域の関係で横浜銀行やりそな銀行等は不参加ということでしょうね。
記事にGMO-PGの名前はありませんが、銀行PayのOEM「ゆうちょPay」と「YOKA!Pay」が入っています。またメガバンクの一角、みずほ銀行の「J-CoinPay」が名を連ねていますね。ネット系と銀行系の主要なQRコード決済が共通のQRコードを利用できるようになるのは、QRコード決済の普及には大きな前進です。
ちなみに、GMO-PGの「銀行Pay」と東京三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループの進める「Bank Pay」は加盟店の相互開放をすでに表明していますが、「Bank Pay」は10月1日スタートですから、この検証には不参加といういことでしょう。
とりあえず9社での検証ですが、「Bank Pay」もこのJPQRを採用するのは間違いないでしょうから、ネット系も銀行系も、大半のQRコード決済はJPQRとなるのは明らかです。
2019/2Qの決算説明会によれば、GMO-PGはネット系QRコード決済事業者26社中15社に関与しているとのことですから、このJPQRの推進に深く関与していると推察されます。
デジタルガレージのクラウドペイは「Alipay」と「WeChat Pay」も使えるQRコードで、LINE Payなど一部のネット系事業者が参画を表明していますが、JPQRに参加する銀行系○○Payの多くが参加するとも思えません。そもそもデジタルガレージはJPQRの検討メンバーのうちの一社だし、対立や競争をしているわけでもなさそうです。
大株主の電通の意向なのか、デジタルガレージは昔から派手で、ともすると大風呂敷なプレス発表をするのが好きですから、今回もそんな感じだったのかもしれませんw。無論、「Alipay」と「WeChat Pay」と共通のQRコードが必要な店もあるでしょうから、クラウドペイが無意味だとはまったく思いませんが。
2019/5/16付の日本経済新聞に「日中5社がQRコード共通化 LINEやアリババ、円滑決済へ統一基盤」という記事が出ました。
乱立気味のQRコード決済を統一する仕組みをデジタルガレージが開発した、というような内容で、“サービスの乱立から各社が選別される段階に入り、利便性の向上を目指した取り組みが進む”と〆ています。
記事を読むと、なんだかデジタルガレージ主導でQRコード決済システムを統一する動きが出てきたかのような大きな話に読めますが、この記事で、キャッシュレス推進協議会の進めている統一QRコード「JPQR」について全く触れられていないのは???です。
記事をよく読むと「デジタルガレージの決済システム「クラウドペイ」の店舗で使えるようになり」とあるので、この5社共通化の話は「クラウドペイ」を導入した店舗だけのようです。「JPQR」のことをすっ飛ばして、共通化が始まったかのように書くのは、かなりミスリードのように思います。
後述するように、本日(2019/5/16)にデジタルガレージはクラウドペイを発表しましたが、このプレスリリースに先んじて、日経が不正確な飛ばし記事を書いた(あるいはデジタルガレージが書かせたw)ということではないでしょうか?
さて「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」は、経産省が1年ほど前に公表した「キャッシュレス・ビジョン」に基づき設立されたキャッシュレスビジネス最大の業界団体。2019/3/29に「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン」を公表、2019/4/26には、利用者提示型(利用者が店にQRコードを見せるタイプの決済)について、統一コード「JPQR」への切替目標を2019/8/1に設定したと発表しています。要は、統一コードの動きは既に進んでおり、もうすぐ動き始めるところまできているということです。
以下、キャッシュレス推進協議会のプレスリリース。
□「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン」「統一用語集」を策定しました(2019/3/29)
https://www.paymentsjapan.or.jp/news/20190329_jpqr%E2%88%92guidelines/
□利用者提示型コード決済におけるJPQRへの切替目標を「2019年8月1日(木)午前0:00」に設定いたしました(2019/04/26)
https://www.paymentsjapan.or.jp/news/20190426-cpm-migration/
さて本日(2019/5/16)、デジタルガレージから以下のプレスリリースがありました。
□デジタルガレージグループ、読み取り支払い型のマルチQRコード決済ソリューション「クラウドペイ」を提供開始
~d払い、Alipay、WeChat Pay、メルペイ、LINE Payが簡易に一括導入可能に~
https://www.garage.co.jp/ja/pr/2019/05/20190516.html
プレスリリースによると、d払いを6月末から、それ以外は順次対応(開始時期未定)とのことですから、クラウドペイが本格的に立ち上がるのはまだまだ先の話みたい。
8/1までにJPQRコードに切り替われば、日本のQRコード決済はほぼ統一化されるわけですから、d払いやメルペイ、LINE Payは統一化されるはず。確かに将来クラウドペイが、AlipayやWeChat Payにも対応すれば、JPQRよりも多少は便利な場面もあるのかもしれないけど、JPQRコードと中国のコードの2つの切り替えて対応しても、ほとんどの店舗で問題ないでしょう。こういう共通化が必要なのは中国人、日本人がバラバラと大量に押し寄せるような店ぐらいでしょう。そんな店があるかどうかは知らんけどw。
ということで、クラウドペイが「QRコード共通化」を売りにして、一気に広まるということはなさそうだと考えます。
《関連エントリ》
□統一QRコード「JPQR」について