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投資は自己責任で

〜 中長期保有前提で成長株中心の”ゆるい投資”を行っています。
  目先の株価を予測したり占ったりすることには、興味がありません。

2019年3月期の3Q決算が発表されました。
■決算短信
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/20190125_01.pdf
■決算説明資料
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/20190125_02.pdf
売上高    837億円(前年比+22%)
営業利益  230億円(前年比+11%)
税引前利益 231億円(前年比+12%)
純利益     160億円(前年比+12%)

概ね順調な決算でした。
利益成長が11%であり、一見すると、利益成長が鈍化しているかのような印象がありますが、具体的にはメディカルプラットフォームのセグメント利益が△7%と、全体の足を引っ張ったためです。
メディカルプラットフォーム事業の利益がマイナス成長となったのは、AI事業等の先端医療分野の取り組みや製薬・医療機器企業向け営業チームの強化等、将来の成長に向けた積極的な先行投資を行ったことによるもの。
メディカルプラットフォーム事業の先行投資については2Q決算でも説明はありましたが、今般の3Q決算説明資料には「来期は利益も2桁%以上の成長に戻る見込み」と明記されました。メディカルプラットフォーム事業は、最も大きな利益をあげているセグメントであり、利益成長が2桁以上に戻ることは、利益へのインパクトは大きいですね。

3Qの決算説明資料の「第3四半期サマリー」(P4)には、各セグメントの事業サマリーに加えて、「先行投資」について、以下の通り記載されています。
□先行投資
成長への種まきは順調に進展。既存事業のオーガニックな成長に加え、来期で20~30億円規模の増益インパクト(将来は数百億円規模のポテンシャルが存在)

先行投資については決算説明資料のP24以降に詳しく説明がありますが、①デジタルカルテやPatient Support Programなどの新規事業、②製薬マーケティング関連、③AI分野、④LINEとのJVの4つに分類されています。①②については来期から、③は来期~再来期、④は再来期から収益化するとのこと。

「来期で20~30億円規模の増益インパクト」があるとのことですから、これらのビジネスの成長を見込んで「(メディカルプラットフォーム事業は)来期は利益も2桁%以上の成長に戻る見込み」ということですね。

 

メディカルプラットフォーム事業の先行投資については、これまでも決算説明資料にて説明されてきましたが、いつまで先行投資が続くのか、また投資が実を結ぶのがいつ頃になるのかは示されておらず、将来の不安材料のひとつでした。
今般、その先行投資が一段落して収益化するタイミングのガイダンスが示されたのは、長期スタンスの投資家には安心材料です。

2019/1/15受付(報告義務の発生は2019/1/7)でHarding Loevnerからエムスリー株に係る、変更報告書が提出されました。
提出者はHarding Loevner LP、保有株数は32,706,152株で5.05%。Harding Loevnerはアメリカのファンド?で、以前からエムスリー株の大量保有報告書を提出しており、2013年には保有割合7.14%まで買い進めたこともある、長期スタンスの大口投資家です。
あたかも、Harding Loevnerが株価下落に乗じてエムスリー株を大量に取得しただけのように見えますが、これはさほど単純な話ではありません。

 

変更報告書というのは、大量保有報告書を提出した後、株式等保有割合が1%以上増減した場合などに提出されるものですが、今回の変更報告書に
「株式分割により、平成30年10月1日に17,442,907株を無償で取得(うち、当基準日までに6,095,062株を処分)」
とあり、Harding Loevnerは、2018/10/1時点で17,442,907株✕2 = 34,885,814株、5.38%を保有していたことがわかります。
また"6,095,062株を処分"とあり、今回の取得を進める前に、一時的に保有株を29,081,152株まで減らしていたようです。(直近60日間の290,400株の処分がこの6,095,062株に含まれると仮定すると、約580万株を売却したということになります。) この変更報告書を見る限り、11月以降は買いに回ってたようですが、そういえば株価は11月になると一時的に下げ渋っていましたねw。

この29,081,152株の保有割合は4.49%。保有割合の減少幅は0.89%で変更報告書の提出はなかったものの、かなりのボリュームの売却。この売却が10月のエムスリー株急落の一因となったことは間違いないでしょう。Harding Loevnerは変更報告書を出さないよう、意図的に売却を1%以下に抑えたと考えるのは穿ち過ぎでしょうかw?

さて、変更報告書には「【当該株券等の発行者の発行する株券等に関する最近60日間の取得又は処分の状況」が記載されています。
これを見ると、今回の下落局面でHarding Loevnerが、11月から買い下がっていたことがわかります。特徴的なのは12/27から1/7までの4日間で1,805,900株も取得していること。「相場の反転を的確に捉えた」のか「相場の反転を主導した」のかはわかりませんが、年末にかけてエムスリー株が更に大きく下げたことや年末年始がマーケットの地合いが底だったことを考えれば、非常に良いタイミングだったことは間違いないですw。

ちなみに最近60日間の取得株総数は2,912,800株。終値ベースで移動平均をとり、平均取得株価を推計すると1,595円となります。

 

今回、なぜHarding Loevnerが保有するエムスリー株をいったん売却し、買い戻したのかは不明ですが、今回の急落で個人の狼狽売りがかなり出たような印象がありますから、急落に耐えきれずに振り落とされた個人も多そうです。今回の変更報告書ではHarding Loevnerの保結割合は5.05%ですが、過去の実績を踏まえると、彼らはもう少し買い戻しを進めるかもしれません。

 

話はちょっとズレますが、年末の急落はHarding Loevnerではなく、個人投資家の税金対策が大きく影響したように推察しています。

昨年の相場は9月までは好調で、売却益がかなり出ている個人投資家も多かったはず。ところが、10月以降はここ数年、経験したことがないような急落に見舞われました。確定申告で譲渡益課税は売却損益に対してかかるため、含み損を抱えた株をいったん売却して売却損を出し、確定申告の課税額を減らす行動に出た投資家は、自分も含めて少なからずいるはずですw。

自分の場合、ディーリングはしないので取得した株は原則保有し続けますが、今回は税金対策で年末に一部売却しました。自分のような長期スタンスの投資家で、同じような行動をとっている人は多そうです。

 

今回、エムスリー株は急落しましたが、「エムスリーは長期投資に向いている株」との考えが揺らぐようなことが起きたわけではありません。長期スタンスの投資家には投資行動が慎重な人が多いけど、いったん売却した人も今後、少しずつ買い戻しを入れ始めると考えています。

 

GMOインターネットが12月21日にSMBC日興証券に売却したGMO-PG株720万株(9.7%)について、GMOインターネットは「(SMBC日興証券は)直ちに転売する予定」としていました。その後、この売却にかかる大量保有報告書や変更報告書が出ておらず、まだ抱えているのか、小分けにしてすでに転売したのかがはっきりしませんが、プレスリリースに「直ちに」という表現があることから、すでに転売した可能性が高いと考えています。

GMOインターネットの保有比率が、51.7%から42%に過半数割れとなる720万株、383億円という重要かつ大きなボリュームの売却であることから、この売却は資本提携などに絡む政策投資目的の可能性が高いと推察しています。
ところで2015年に資本業務提携している三井住友銀行は2018年9月30日現在、GMO-PG株を125万株、3.3%保有しています。今回の720万株を三井住友銀行がすべて買い増したのであれば、保有比率が5%を超え、いわゆる5%ルールにより変更報告書がEDINETに提出されるはずですが、今のところ見当たりません。今回の売却分を買い増ししたとしても、1.7%未満で5%ルールに抵触しない範囲での取得、ということでしょうね。

では、GMO-PG株はどうなったのか?

GMO-PGは、住友三井フィナンシャルグループと「次世代決済プラットフォーム」の構築に取り組んでいます。次世代決済プラットフォームは住友三井FGだけではなく、多くの金融機関、決済事業者、一般事業者に利用してもらう必要があります。
またGMO-PGは、ゆうちょ銀行やりそなグループ、横浜銀行などにスマホ決済のシステム「銀行Pay」を提供していますが、軌道に乗せるにはより多くの金融機関、決済事業者、一般事業者の参加がマストでしょう。

このような状況を踏まえると、今回売却されたGMO-PG株の大半は、住友三井FG以外の複数の企業(金融機関?)との資本業務提携(政策投資)に使われた可能性が高いのではないか、と考えています。
新しく提携する企業の出資比率が、三井住友銀行(住友三井FG)程度、或いはそれ以下としているのであれば、5%ルールに触れることはなく、EDINETへの大量保有報告書の提出は必要ありません。

もしこの推察が正しいのであれば、次世代決済プラットフォームや銀行Payに関する新たなパートナーの発表などの際に、売却先が次第に明らかになってくるのではないか、と考えます。

しかし、GMO-PGの「銀行Pay」を使った、ゆうちょ銀行「ゆうちょPay」は2月スタート予定とのことでしたが、広告宣伝はいつから展開するんでしょうか。気になるところですw。

 

以上、個人的な推察ですので、悪しからず。

LINEとエムスリーが、オンライン医療事業の新会社を設立したとプレスリリースがありました。
□LINEとエムスリー、オンライン医療事業を目的とした共同出資の新会社「LINEヘルスケア株式会社」を設立
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/20190108_01.pdf
プレスによると、
「LINE」を活用した医療に関するQ&Aや遠隔健康医療相談、オンライン診療をはじめとするオンライン医療事業を展開してまいります。まずは、2019年中に、遠隔健康医療相談サービスの開始を予定しており、さらに、法整備の進展を見ながら「m3.com」の薬剤師会員基盤を活用した処方薬の宅配サービスなども検討していく予定です。
将来的には、例えば、病院での待ち時間の解消や、診療時だけでなく患者の日常生活における実態を把握した上での最適な医療の実現、病気や様々な症状に悩む患者様のプラットフォームとして医療業界の課題解決に資する様々なサービスの提供を目指します。
とのこと。

ちなみに、アメリカ最大手の「オンライン医療事業」といえば、Teladoc Health。オンライン診療とTeladoc社については、アメリカ部さんのサイトに非常にわかりやすくまとめられています。
□オンライン診療サービス(バーチャル・ケア)が世界で急拡大している
https://www.americabu.com/virtual-care
□テラドック【NYSE:TDOC】米国でNo.1シェアのオンライン診療サービス
https://www.americabu.com/teladoc
上記まとめによれば、Teladoc社の遠隔診断のマーケットシェアは70%程度あり、会員数は2200万人以上、登録している医師・医療従事者は3100名とのこと。また「テラドックを通じた初診で92%が問題が解決されたと報告し、顧客満足度は95%」とのことで、引き続き急成長が期待されている企業です。

アメリカの場合、国民皆保険制度ではないし、国土が広いことなどもあって、こうしたオンライン診療のニーズが高いのかもしれず、ビジネス環境が日本とアメリカで一致しているわけではありませんが、Teladoc社の事業をみるとオンライン診療だけに留まらず、いろんなビジネスを展開していることがわかります。今回のLINEとエムスリーのオンライン医療事業の展開は、医療の将来を見据えた面白い取り組みだと考えます。

12/26日付で、三井住友フィナンシャルグループ、国部社長のインタビュー記事が出ました。
毎日新聞「スマホ決済、年度内に導入 三井住友FG・国部社長が明らかに」
https://mainichi.jp/articles/20181225/k00/00m/020/212000c
共同通信「三井住友FG、新決済サービス 年度内にも、端末共通化」
https://www.47news.jp/news/3113773.html

三井住友FGは2015年に第三者割当でGMO-PG株を取得して資本業務提携をしています。2018年5月には、GMO-PGと三井住友FGが提携して取り組む「キャッシュレス決済推進のための次世代決済プラットフォーム事業」が発表されましたが、今回のインタビューはこの発表に沿った内容です。

「次世代決済プラットフォーム」というのは、乱立気味の決済手段を統一的に管理できる仕組み(決済プラットフォーム)を作り、効率的な決済の実現を目指すということ。コンビニに無造作に並んだSUICAやらQuickPayやらの決済端末が1台になれば、決済端末にかかる費用が安くなる。加えて、決済手段ごとに異なる与信の問い合わせを一元的に管理できるようにして、より安価なキャッシュレス決済を提供できるようにするということです。

新しい内容的はありませんが、国部さんはインタビューで「2018年度内にも小売店など事業者向けに、現金を使わないキャッシュレス決済の新たなシステムを提供する」と、具体的なスケジュールが明らかにしています。

GMO-PGの相浦さんも11月の決算説明会で「2,3ヶ月後には、具体的な内容を発表できるんじゃないかと思う。」と話していましたから、年明けからいろいろ発表がありそうですね。

□仮想通貨マイニング事業の再構築に伴う特別損失の計上に関するお知らせ
https://ir.gmo.jp/pdf/irlibrary/gmo_disclose_info20181225.pdf
GMOインターネットが取り組んでいる仮想通貨マイニング事業について、以下の特損を計上するとのこと。
(1)自社マイニング事業
 連結決算:減損損失115億円
 個別決算:子会社株式売却損140億円
(2)マイニングマシンの開発・製造・販売事業
 連結・個別決算:債権譲渡損175億円、貸倒引当金繰入35億円、その他合計240億円

連結決算で355億円の特損を計上するようですね。

 

GMOインターネットは先日、GMO-PG株720万株を約380億円で売却したため「仮想通貨マイニングの特損を相殺するためにGMO-PG株を売却したに違いない」みたいなことを言ってる人もいますが、GMO-PG株売却時のプレスリリースには
「連結決算上は同社が連結子会社であることに変更がないため、資本剰余金の変動はあるものの、連結損益への影響は軽微」
とあります。つまり、GMO-PG株の売却益は出ないので、今回の仮想通貨マイニングの連結決算の特損の埋め合わせはできないということです。
確かに個別決算上には、関係会社株式売却益として特別利益が計上できるので埋め合わせは可能ですが、あまり重視されていない個別決算の見栄えのためだけに、GMO-PG株を売却したとはちょっと思えません。

また、GMO-PG株の売却でGMOインターネットは、約380億円の現金を手に入れていますが、今回の特別損失は減損損失や貸倒引当金、債権譲渡損など、現金支出をほとんど伴わない科目ばかり。ということで、先日のGMO-PG株売却は資金流出の埋め合わせ目的でもなさそうです。

ということで、今回のGMOインターネットの特損計上と先日のGMO-PG株の売却は、直接的な関係はないと思われます。
 

GMOインターネットが売却したGMO-PG株9.7%、720万株はかなりのボリューム。未だに大量保有報告書や変更報告書は提出されていない模様です。
金融機関等に政策投資的に保有される可能性が高そうですが、売却先を早く明らかにしてほしいですね。

 

GMOインターネットのGMO-PG株720万株(9.7%)の日興証券への売却額が、38,363百万円に決まりました。割り算すると1株あたり5,328円での売却です。プレスリリースは本日12/18の午前中だったけど、今日の始値に近いところで決定したみたいですね。
地合いが最悪な中で株価は異常なほど下げましたが、落ち着いてくればこの5,328円を意識した動きとなるのでしょうか?

一般論ですが、今回のように大株主の売却が報じられると「需給悪化懸念」云々と囃されて株価が大きく下げることが多いです。ただそのほとんどは、個人の狼狽売りと短期勝負の人たちの損切り、またそうした人たちを狙い撃ちする売り仕掛けで「需給悪化→株価の下落→需給悪化→株価の下落・・・」みたいなスパイラルとなるもの。実際の売却により直接的に需給が悪化することは、まずありません。

今回売却された720万株も、すぐに市場に出てくるものではないでしょう。日興証券が「直ちに転売」することで需給を懸念する人がいるみたいですが、日興証券が自分で抱える(つまり、相手を見つけながら少しずつ売却する)ほうが、需給的によっぽど怖いってことがわかっていないみたいですねw。これだけの規模の株を、たくさんの機関投資家に小分けして売るとか、考えられないですけどねw。

今回の売却先はまだ公表されていませんが、昨日書いたとおり、三井住友FGが引き受けて資本関係の強化等を図る、いわゆる政策投資の可能性が高いと考えています。三井住友FGは15年6月に資本業務提携をしたときから、将来の資本増強を約束していた可能性もありますね。
まぁ近いうちに大量保有報告書(変更報告書)で最終譲渡先は判明するでしょう。その前に日経がなんらかのリーク記事を出すかもしれませんがw。

これだけの規模のディールだと、GMO側、最終譲渡先側ともに、かなり前から準備しなければなりません。最終譲渡先が政策投資目的なら、資金手当に加えて社内決裁(取締役会決議)も必要だし、だいたいの売却額もあらかじめ決めて計画を進めてきたはず。
昨日から株価が大幅下落したところでの売却額決定となりましたが、地合いが悪い中で相手先も明かさずにこうしたプレスリリースを行うと、株価が大幅下落するであろうことは想定内でしょう。

ひょっとすると双方が合意した売却価格帯に近づくよう、数週間前からある程度の株価コントロールをしていたかもしれません。日興証券は決して認めないんでしょうけどw。

 

《参考》

GMOインターネットによるGMO-PG株式の一部売却について その1【GMO-PG】

https://ameblo.jp/2sc372/entry-12426594843.html

 

GMO-PGは、2018年5月に、三井住友FGとの「キャッシュレス決済推進のための次世代決済プラットフォーム事業に関する新たな提携協議の開始について」というプレスリリースを出しています。

https://corp.gmo-pg.com/newsroom/press/gmo-paymentgateway/2018/0508.html

この「次世代決済プラットフォーム」というのがちょっとわかりづらいんですが、三井住友FG(三井住友グループ)のページのほうが、詳しくてわかりやすいです。

※SMBCグループのキャッシュレス決済戦略 ~キャッシュレス社会の実現に向けた着実な一歩~

https://www.smbc-card.com/company/news/news0001373.jsp

要は、乱立気味の決済手段を統一的に管理できる仕組み(決済プラットフォーム)を作り、効率的な決済の実現を目指すということ。コンビニに無造作に並んだSUICAやらQuickPayやらの決済端末が1台になれば、決済端末にかかる費用が安くなる。加えて、決済手段ごとに異なる与信の問い合わせを一元的に管理できるようにすれば、キャッシュレス決済がより安価となるということです。

 

 

 

GMOインターネットがGMO-PG株720万株を日興証券に売却すると、GMOインターネットから発表がありました。売却予定日は2018/12/21、日興証券は「直ちに転売する予定」とのことですが、転売先はプレスリリースには書かれていません。
時価総額ベースで400億円以上。「直ちに転売」とあるため、市場で売ってくると考えて不安視する人もいるみたいだけど、常識的にみて、それだけのロットを市場に投げることは考えられません。譲渡先はすでに決まっていると考えるのが自然です。

ところで、日興証券は「SMBC日興証券」。つまり、「株式会社三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)」の100%子会社です。
GMO-PGは、2015年6月に三井住友FGと資本業務提携を行っており、その際、GMOインターネットと三井住友銀行が第三者割当により計80億円をGMO-PGに出資(分割後換算で1株あたり1546円、GMOインターネットが267万株、三井住友銀行が250万株)するとともに、JV子会社「SMBC GMO PAYMENT株式会社」を設立しています。

その後、GMO-PGは三井住友FGと良好な関係を続けており、今年6月には「キャッシュレス決済推進のための次世代決済プラットフォーム事業に関する新たな提携協議の開始について」というプレスリリースが出ています。

https://corp.gmo-pg.com/newsroom/press/gmo-paymentgateway/2018/0508.html
11月の決算説明会で相浦社長からは、
「三井住友FGとキャッシュレス、EC、対面、非対面等々への取り組みについて骨組みを作っているところ。少しずつ具現化してきており、2,3ヶ月後には、具体的な内容を発表できるんじゃないかと思う。」

「JVのSMBC GMO PAYMENT社は、設立から3年経って黒字に近づいてきた。」
といった説明もありました。
ちなみに、三井住友銀行のGMO-PG株の現在の保有数は250万株、保有比率は3.3%で、第三者割当増資から変わっていません。

今回の売却株数は720万株で、議決権総数の9.7%。GMOインターネットの保有比率は51.7%から42.0%に低下して過半数割れとなり支配力の低下という意味でかなり重要な売却となります。GMOインターネットにとってGMO-PGは稼ぎ頭であると共に、戦略的にも非常に重要な子会社であり、自身の影響力が小さくなるような売却を漫然と行うとは常識的には考えられません。

このタイミングで日興証券を通じて、GMOインターネットが、保有比率3.3%の三井住友FGよりも影響力が大きくなるような投資家に株式売却を行うとは考えづらいことから、三井住友FGがその大部分を引き受け、GMO-PGとの資本関係の強化を図るんじゃないかな、と推察しています。三井住友FGが本気で「次世代決済プラットフォーム事業」を一緒にやるつもりなら、GMO-PG株を12~3%程度保有していても不自然じゃないですしねw。

地合いも悪いし、「親会社の売却」に反応した個人の狼狽売りも出るかもしれないけど、売却が直接的に業績に影響することはありません。

もし、この推理?どおり、三井住友FGが引き受けるならば、今後の中長期的なビジネスの広がりを考えれば、GMO-PGにはメリット大ですね。

「主催者サイドが人気薄のアーティストのチケットをさばくため、転売ヤーの取り締まりや高額転売対策に本腰を入れてこなかったのでは?」というようなこと主張する人たちがいるようです。

そもそも興行を行う側は、動員数を予測してライブ会場の規模を決めますが、ライブでチケットの売れ残りが出たなら、次のライブで会場を小さめにすれば調整でき、これは転売とは関係ない問題です。
仮に、転売に極端に依存したアーティストがいた(いないでしょうがw)としても、そうしたアーティストのアミューズの損益への寄与はそもそも僅少ですから、業績への影響はほとんどないでしょう。

それよりも高額転売の規制で人気アーティストのライブで転売ヤーに流れていたお金が、グッズ購入や他のライブチケット購入等に回るようになることは、業績へのインパクトははるかに大きいです。アミューズに限らず、芸能プロは人気アーティストが利益の大半を稼ぐ構造ですからね。
だから、一部の"芸能界通"の人たちが主張(妄想?)するような「主催者は、人気のないチケットをさばくために転売を積極的に規制していない」なんていうことは、ビジネスとしてありえないでしょう。

電子チケットはスマホの十分な普及でようやく可能になったばかりだし、顔認証技術も満足できる精度とスピードになってきて、転売の温床である紙チケットの全廃がようやく見えてきたところ。コンピューターによる顔認証は以前からあったものの、入場スピードが遅くなってしまう問題がありましたが、高速な顔認証システムが開発され、入場時間の問題はようやく解消された模様です。
先日の宇多田ヒカルのライブでの徹底した転売対策の成功は、ひとつの転換点なのかもしれません。宇多田ヒカルはアミューズじゃないけど、アミューズ子会社のテイパーズがチケット業務を担当しています。
(GLAYとかのライブで携帯電話の通信不具合による電子チケットの入場トラブルがありましたが、こうした緊急時にはフリーwi-fiを使えるようにしておくとか、チケットの場合の対策は比較的容易。「やっぱり紙チケットじゃなきゃだめ」なんてことにはなりませんw。)

ちなみに転売対策は主催者だけでは不可能だというのは、ずっと昔から言われてきたことです。
ダフ屋が条例でしか取り締まれなかった問題に加え、転売ヤー(ネット販売)だと取り締りすらできない。また、転売は素人のお小遣い稼ぎだけではなく、暴力団やら半グレ、不良外国人の資金源にもなっており、とても主催者だけで対応できるようなレベルの話ではありません。

転売対策が技術的にも可能となってきたタイミングで、法律と技術の挟み撃ちで高額転売を規制する体制を整備するということで、今回の高額転売規制法案は大きな意味があると考えます。

アミューズの大里さんはキャンディーズの元マネージャー。高額転売規制のライブ・エンタテインメント議員連盟の会長は元全キャン連の石破さん。また陰謀論とか妄想を膨らませる人もいるかもww。
 

チケットの高額転売を規制する法案が成立する見込みとなりました。勘違いしている向きもありますが、これは"高額"転売の規制です。利益を目的として、定価を上回る転売や譲り受けを行うことの規制ですが、組織的かつ大量にビジネスとして転売を行う連中が実質的なターゲットでしょう。

高額転売がなくなれば、ライブ参加者が余計に支払っていたお金が、アーティストや主催者のために使われることになるはず。正規の値段で購入できたチケットのライブでは物販の売上増につながるでしょうし、もっと長い目で見れば他のライブへの参加回数の増加や、アスマートなどで買えるオフィシャルのアーティストグッズ等の購入増等にもつながるということです。

ちなみに、アミューズの2018年3月期の会社全体の営業収入は473億円。うち、ライブチケットの売上等である「イベント収入」は159億円で、ファンクラブ会費やアーティストグッズの売上等の「ファンクラブ・商品売上収入」は175億円。アミューズは、チケットの収入をファンクラブ会費や商品売上の収入が上回っています。

つまり「ファンクラブ・商品売上収入」の増加が期待できるチケットの高額転売規制は、アミューズの業績にとってインパクト大ということ。まあ、すぐに利益の大幅増につながるかどうかはわかりませんが、少なくとも中長期的にはこの法律の業績へのポジティブな影響は大きいはずです。

こうした法律の規制に加え、顔認証とかLINE TICKETのような電子チケットの導入によって、技術的にも不正転売が困難になりつつあります。更には、主催者による二次流通市場(公式の転売サイト)も整備されつつありますから、転売ヤーみたいなビジネスは減るはず。個人認証が甘い、紙のチケットの転売とかは残るかもしれないけど、そういうチケットのライブは将来的に減っていくでしょう。

「いくら規制しても転売ヤーは根絶できないよ」とか言い出す人もいるんだろうけど「根絶できないから法律は無意味」っていうことにはならないです。完全になくならなくても、ほとんどなくなれば、アミューズのような会社には十分メリットがありますからねww。