Signes et reactions de Traumatiques et son mecanisme

 

「トラウマ型の反応とメカニズム」

 

白石潔

 

1.はじめに

 

 児童思春期の事例に“トラウマ型の反応”が、多々、観られることがあり、<“発達及び成長過程の特性”・“トラウマ体験の有無”>を再度、検討してみることにした。この試みは、19世紀に報告されていた「トラウマの事例」に対しての「考察と理論と研究」に遡及しながらの作業にも成らざるを得ないことになる。

 

 そこで、或る思春期の新生児から基礎疾患を抱えた事例を通して臨床的な次元での考察とシャピロ女史が発見したEMDRの要素的原理を探求し、見い出された白石簡易型EMDR(=REM睡眠と眼球運動の生命科学的機械論型のメカニズムの統合)の技法を紹介することにした。

 

補足:大前提になっている“臨床次元”には、“外胚葉に属している皮膚疾患が在り”、例えば、“アトピー性皮膚炎”に関しての“精神医学に属する病因論(=心因・内因・外因)”には、“小児・児童精神医学の次元”には、“明確な記述”が、為されていない。また、“喘息”の臨床的様相は、“気道粘膜の痙攣”と理解されているが、小児(?)・児童・思春期の事例を診てみると、“ある種の特異性(=衝動性の亢進及び自己感覚による鎮静行為)”が、発見できる。また、“消化管機能障害型”の事例群をカテゴリー化する必要性が出現することで、果たして、<消化管の粘膜は、解剖学的には、“外胚葉”との認識が正しいのか?>という疑問が出現する。

 

①    「原始的」:精神分析に於ける極めて、新生児・小児期の精神次元の様相及び原初的脳神経学次元の複雑な機能型形成の様相動態のメカニズムとラカンが重んじたコジューブのヘーゲルの<“感覚的感覚的確信”を“Syllogisme”の“論理的次元”から“科学的次元への変換”>を試みる。

 

②    「退行反射回避型防衛」:<フロイトが、初期に取り組んでいたトラウマに対しての治療で、良好な治療経過見出された、“反復型のトラウマ場面の想起現象”>で、<神経学的には、“弓反射(=Descartの光の媒体による屈折率の発見:光は、常に、最速で在るが故に、最短距離で、速度を保つという法則は、光に意識が無い限り、経験説は在り得ない:その観測値に関しては、経験主義は、客観性を伴うSyllogismeに属ることで、問題は生じ得ない)”といわれる“入力されたある刺激量が、一瞬にして反射型の出力反応状態”を呈する>との理解をもとに、<PTSD型の体験者には、同様のメカニズムとして作用している>という理解に基づいて、論を進めてみる。

 

③    「悪性情動処理不全症候群」:情動とは、代表的には、「怒り・恐れ・喜び・悲しみ等の感情が急激に邪気されている状態」と認識されており、この情動量(=未だに、脳科学の次元でも測定されていない神経細胞の大脳辺縁系での良性・悪性のエネルギーで、良性であれば、大脳皮質との連動メカニズムによる機能分化が、ある意味、発生論的に生命負荷を最小限にする、と、考えることが出来る?)が、脳機能全般で良好な処理が出来ていない場合に、<不安の亢進・強迫性の出現・短絡的行動を代表とする行動面への異常を含めた身体化された症状(=自律神経の異常による)の出現>が、臨床的次元に診られる場合のことを示唆している。この状態に関しての脳科学の次元で、個人的に重要視しているメカニズムには、“大脳辺縁系の機能に属している要素群”が大切であると思っている。

 

④    「脱感作型」:行動医学の次元で表記されている用語。“認知行動療法”と呼ばれている治療の目的は、「不快な対象や状況に対して、“強い嫌悪・不快感や不安”による、“社会・家族的次元の円滑な日常生活の困難状態の改善”」を目指しており、「症状を抱えている本人への“段階的治療プログラム”に基づいた“暴露療法(=不安・不快・恐怖への耐性の強化)”を施行し、“数値化された変化の主観的自己評価(=及び家族等の客観的評価)”を指標にしながらの“症状の改善を目標にした治療”」と認識できる。認知行動療法の「暴露療法」は、シャピロの「脱感作」と、ある意味、“同義の次元にある治療の目標であり効果でもある”と理解できる。

 

⑤    「レジリアンス」:この用語は、機械工学に由来しうる<“物理・化学”の“量的耐性の強化による機能の向上”>との理解が可能で、人間の精神次元に対しては、極端に単純化すれば、心理学的には“ストレスになる要素に対しての耐える力の向上”と理解でき、PTSD型の治療過程での“レジリアンスの向上(=複雑な要素的精神神経学的回復力)”には、2004年にボナノの、<“精神的回復力”に伴う、“脳内へのオキシトシンの分泌増加”が観られる>との研究発表もなされている。

 

⑥    「一次的原始反射型」:精神分析の創始者であるフロイトは、<“脳神経生理学者”であり、初期の研究論文に記載された“第一トピックス”に“無意識の原本である一次過程の様相”>がある。この事実は、「弓反射」と同次元の極めて原始的な神経学的な様相との理解になり得る。

 

⑦    「二次的反応次元」:先に述べているフロイトの”第一トピックス“には、“人間の無意識と前意識と意識”に関しての“構造的動態”で、<人間の知覚している要素と“神経学的次元を原本にした心的装置の原本”>で、機械論的メカニズムが理論化されている。この書面では、<臨床的治療過程の様相を“神経学にも繋がりを持ちうる記述”>を採用しており、記述されている表記は、<“知覚された対象や状況”に対する反応が、“前意識次元の反応:大脳皮質に於ける高次の処理過程で困難な事態で、身体化された症状群の出現過程のメカニズムの臨床的位置付け”を可能に出来る>との認識になり、今回の報告事例の治療過程が、“比較的に良好な治療的効果を得られた”との認識を採用してみた。

 

⑧    「退行反射型」:この記述は、フロイトの“第二トピックス”で理論化された<“人間の精神機能の構造”が、“本能衝動と日本語に訳されたエスと自我と超自我”となっており、“現実原則(=例えば、法に基づいた物事への共通認識での社会的共存等)”と“自我”は、向き合っての日常生活を営んでいる>との理解を前提にしている:<“現実原則”は、通常、“Syllogisme=三段論法(=:A=B、B=C∴A=C)”によって成立している“論理学”で、最も、“認知行動療法”では重要である、と同時に、“言語次元で表現された表象要素群”に基付いて、“治療指標の評価と治療的方法”が方向付けられている>との理解になる。

 

現在は、“比較的に良好な治療過程”で、「レジリアンスの向上」も見られている可能性があり、<脆弱であった、“自我機能の向上”>が認められ始め、<“原始的反応優位な状態”から、アンナ・フロイトが分類した“自我の防衛機制”にある“退行”との認識に至ってきた>ことでの記述になった。

 

※※※

 

・白石簡易型EMDRに関しての画像は存在しますが、或る大きな医療機関の要職にある高所恐怖症を呈した専門医とのセッションですので、やむを得ませんが難しいです。

 

しかし、文章に記述している内容の理解に、PTSD型のトラウマを抱えている患者の殆どが“トラウマに至った場面の想起”が多いという臨床的徴候学的な症状を呈しています。

この事実は、<“脳神経学的次元”で考察していくと、“視覚的画像が、脳梁を中心にして両側頭葉と後頭葉と頭頂葉での伝達機能に委ねられているメカニズムと辺縁系に属する扁桃体の機能に作用させている”>ことが理解できます。

 

このメカニズムを前提に治療法を考えると、シャピロ女史が発見した“左右を基本にした複雑な眼球運動”と“両側へのタッピング”の有効性が理解できます。この理解に基づいて、<“想起される場面を“消去する(=脱感作)”ことで、“不安を伴っている怒りや恐怖を邪気させる情動への作用も軽減していく”>という効果が得られるのです。

 

私の技法の基本的な位置付けは、<シャピロ女史の大発見>の“基本的科学的原理の探求”にあり、その原本は、<フランスのエイのイギリスのジャクソンの研究を基礎にして“器質力動論”によるネオ・ジャクソン派の設立といえる精神医学体系>にあります。

 

・認知行動療法と同様の考え方で宜しいのですが、私の発案した白石簡易型EMDRは、<セッション状況での“当事者自身の体験している脱緊張と場面の消去状況過程の評価:トラウマ場面の消去状況と不安・緊張の状態を、10段階に設定し0に至るまでの評価”>に為っています。家族を中心にした“第三者の評価”は、認知行動療法と同じく“日常生活に於ける客観的評価”に為っていますが、“数量化された評価:(場合によっては、乳幼児を始め学童期の児童も治療の対象に出来る技法に成り得る?)”ではなく、“生活全般の質と量の良好な変化の有無”と云えるかも知れません。

 

・本人は、出生直後NICUで発見され、手術を施行された“循環器系と脳神経系”に係わる大きな基礎疾患を抱えていますので、発達・成長に伴う“病気についての認識が良好に出来うる範囲での理解の向上”をも目的にした、“心理教育的アプローチ(=ニューヨークのワイルダーの医学的領域全般への応用)”によって、“治療的効果”を良好な結果に導けたと思っています。

 

・S氏の予後については、“思春期の心身の複雑な全般的な生物学的及び精神医学的要素群”によって変化するので、思春期の時期に「PTSD型のトラウマ場面の再燃が出現した場合の状況」での臨床的評価になります。主治医である松永泰明医師によるDSMの診断基準を満たしているS氏への初回のセッション状況は、主治医の診断と合致する所見で、ICD11の基準も満たしているとの見解でしたので、私の懸念の核になっている徴候学的症状は、<弓反射型の“トラウマ場面の再現”と“思春期のうつ心性”の合併状態の“評価”>となります。