2019年3月11日 痛快TV スカッとジャパン第160回(CX)彩花出演回 | 2コ下のブログ

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星乃宮せな推し

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彩花が地上波の再現VTRに出演した。ぶっ飛んだギャルの役ってことで、役者としての実力を遺憾なく発揮できたのではないかと思う。台詞はもちろん予め決まっていると思うが、行間の表情や、特に途中で豹変するのだが、その前後のメリハリがとても効いていて、この手の再現VTR演技としては頭一つ飛びぬけていたと思う。何がどうよかったのか、記録の意味も込めて振り返ってみよう。もちろん、いつものとおり独断と偏見にしか基づいていないので、あしからず。
 
番組公式サイトはこちら
【7】《まさかの解決スカッと②》「女子高生にからまれて…」
 
2月17日(日)撮影。都内の普通の町で撮影するとなると、やっぱり朝早い時間にやるんですね。どの程度の時間撮影していたのか知らないが、森下さんのソロシーンでは背後に結構人通りもあったことから、割合長い時間やっていたのではなかろうかと思われる。
 
 
そして、放送後にオフショットをまじえて感想を書いてくれた。
 
再現ドラマはこんな感じでした。
らっきょ君ってネーミングセンス、昭和を感じるな・・・まあ、本筋とは関係ないけど。
 
最初におっさん(森下能幸さん)が、女子高生の財布を拾ってやり、ナンパと間違えられながらも、「一割お礼にやるよ」と、プリクラを貰います。そんなプリクラいらんわ、と突っ込みたいところですが、これがこのあと起きるトラブルを回避してくれるお守りになるのでした。
 
おっさんがスマホを見ながら歩いていると、右手から彩花が小走りに走ってきて、階段を駆け上がります。うん、実際に見えてしまってもおかしくないような感じの階段。おっさんは全く気がついていません。
 
と、階段の途中で立ち止まり・・・
 
岡田:きゃあ
森下:ん?
 
この「きゃあ」頂きました。テレビを見ているほとんどの人には関係ないと思うが、普段はいうまでもなく、演技でもなかなか聞くことができない貴重な「きゃあ」なのだ。世の中には年齢に関係なく、簡単に甲高い声を出す女性と、そうでない女性がいるが、岡田彩花は甲高い声を出さないのだ。沸点が高いか低いかは試したことがないからわからないけれど、落ち着いていて少々のことには動じないのと、
自分の感情の起伏を周囲にアピールすることをよしとしない性格から、滅多に悲鳴を出さないのだと推測している。でも、あの高い声が出せるのは実は人生の限られた時間しかないのだということを、実際に出せなくなってから気がつく時、相手に興味や好意を感じていればこそ、若さの象徴である高い声を聞いてみたいと思うのは非難されることではないと思っている。もっとも、中には若い女性の黄色い声が聞きたいがために半ば変態行為に走ったりする輩もいるので、一緒にされないように気をつけなければ。(きゃあという声を聞いてみたいと思っているが、無理やり言わそうとはしないのが歯止めであり、けじめだと思っているのだ。)
 

岡田:おっさん、今私のパンツそのスマホで撮ったでしょ?
森下:僕? いやいやいや・・・
 
ここはドラマ前半の山場だ。素直にドラマを見ている人は、通りすがりの知らないJKに因縁をつけられて窮地に追い込まれる場面。だが、岡田彩花目線で見れば、先ほどの「きゃあ」に引き続き、この恥ずかしい台詞をご近所に響き渡る結構な声量でのたまう、羞恥プレイともとれないことはない、まさに役者魂が問われるところ。最初の「おっさん」は良いとして、「私のパンツ」と言ってしまうと、その瞬間に視界に花が咲き乱れそうな(少女マンガで盛り上がったときの)感じで、違和感ありありである。最後の「でしょ」と合わせて、いたいけな被害者少女というスタンスを打ち出すには十分なのだが、正直なところ悪意をもったJKの言葉遣いではない。そこは、「おい、おっさん、撮っただろ!」とか、せいぜい「痴漢! 盗撮かよ!」というのがリアルなところだ。シナリオライターの小さな趣味というか、遊びを感じる。もちろん、岡田彩花を知らなくてもテレビで「おっ、かわいい!」と思った視聴者にもおいしい場面である。この部分だけ切り取って着メロに設定し、通勤電車の中で衆人の面前で罵倒されたい・・・。
 
斉藤:この人、盗撮しました~
森下:ちょっ、何言ってんすか!
 
ここで、画面左側から斉藤あやめちゃんが登場。ターゲットを挟み撃ちにするとは、なかなかのフォーメーション。この人はこの番組で初めて知ったのだが、凛々しくてなかなかの美人さん。表情も良いし、ポテンシャル(=将来の伸び代)を感じる。

斉藤:じゃあゆっくり、話しようか。
 
斜め上に見上げるあやめちゃん、なかなかの迫力だ。ただ、あまりにも整ったお顔をこの距離で実際に見たら、たとえ怒った顔をしていたとしても、自分が濡れ衣を着せられそうになっていることすらすっかり忘れて、「うーん、かわいいドキドキ」ってなるんだろうけどな。一方の彩花は精一杯ドスを利かせている。見てください、この顔の角度と腕組み。こっちもかわいいし、ダメ押しでハイツインなんだけど、かわいいとかいう余裕がなく、怖いと感じるのは演技力のなせる技だと思う。
 
 
そして、あやめちゃんが腕を引っ張り、彩花は右手で乱暴に被害者を押しやる。右手以外、顔の角度も左手も微動だにしていなくて、右手だけ動いている。普通の人はこんな動きをしないから、これは怖い。恐らくこういう細かいところまで演出がついていないと思うので、これは彩花がどうやったら怖い雰囲気を出せるか考えて実践した成果なのだろう。ヤクザ映画など見れば判るのだが、チンピラでなく幹部クラスの怖さは、普段普通の人がやらないような動きや表情、更には物理的に無理があるような動きをすることで、堅気ではないという雰囲気を出し、見る人に恐怖を与えるのである。特に、痛みを感じさせないような動きは打たれ強さを感じさせ、萎縮させてしまう効果が高い。
 

斉藤:お前何やったかわかってんのか?
森下:僕…何もやってません。ほら、スマホにあなたの写真ありません。

斉藤:消したんだろ! 私ちゃんと見たから。おっさんがスマホで写真撮ったとこ。警察、呼びましょうか?
森下:警察は勘弁してください。
 
ここで責め立てるのはあやめちゃんなのだが、か弱い被害者であったはずの彩花は首から下はがっちりと微動だにせず、顔の角度や表情はくるくると変化しながら相手を追い込んでゆく。隣のあやめちゃんと比べてこのバリエーションはどうだろう。これができるのは役者としての経験値だと私は思う。
 

岡田:警察呼んでほしくなかったら、わかっているよねえ?
森下:えっ?
 

岡田:はっ? 勘の悪いおっさんだなあ!
斉藤:示談金だよ、示談金!
 
私の時代はちょっと違ったのだが、今時のJKは機嫌が悪いことを示すのに、すぐ「はっ?」という。そういえば彩花も、舞台の面会で疲れていたりして機嫌が斜めな時とか、伝わりにくい冗談を言った時には「はっ?」って言うから、この辺は等身大にリアルなんだろうな。しかし、いくら毒づくときにも、相手は年上だったりファンだったりするから遠慮があるのだろう、ここまで感じの悪い表情をみたことはない。どうだろう、まるで顔に「はあ?」って書いてあるみたいじゃないか。あやめちゃんの表情はただ微笑んでいるようにも見えるから、やっぱり彩花の演技力は流石である。


森下:お金…ですか? 今日はあんまり持ってなくて…
岡田:財布出せ! 早くぅ!
 
遂に気が弱いおっさんの財布を取り上げてしまう。クライマックスなのでカメラも下からに切り替わる。おずおずと差し出された長財布をスッと抜き取るようにする彩花のアクションがヤバさを盛り上げる。絶体絶命のシーン。
 
 
 
しかし、ここでどんでん返しが!

 
出ました! 彩花の十八番、驚きの表情。ギャルメイクをしているのに、目だけでこんな漫画みたいな(いわゆる、目の玉が飛び出るみたいな)表情ができるなんて、振り切っている。しかし、振り切るといっても下品にならないのが彩花のすごいところ。このドラマで「スカッ」とさせるのはただこの瞬間に凝縮されていて、前後の場面は説明に過ぎない。一番大事な場面で、さすが文句なしに見せてくれる岡田彩花。
 
 
そして、次の瞬間表情はこうなる。被害者を脅そうと醸していた迫力も、馬鹿にして有無を言わさずねじ込もうとしていた上からの態度も消え去り、彩花を前から知っている人にしてみれば、素の彩花に戻った感じがする表情にコロッと変わった。この変化の素早さが、ドラマに緩急をつけて飽きさせず惹き込むのである。短時間にこれができる集中力と演技力があれば、尺の短いCMにも十分起用されるよなあと、感心しながら楽しませていただいた。
 
二人:す、すみませんでした!
森下:はいっ

岡田:悪気はなかったんです。許してください!
 
AKBの劇場公演は、不自然なくらい丁寧なお辞儀を何度もする。その礼儀正しさは伝統ある宝塚歌劇のようであり、劇場公演を特徴付けていると思う。このドラマでも、ここから二人は平謝りで、お辞儀のシーンが連続する。ここで、みんなが指摘しているように、彩花はただ単に最敬礼するだけでなく、右足を引いている。(みんな、よく見ているなあ)
演劇の舞台でも、西洋風というかとにかく形がきれいで美しいと評判の高い岡田彩花のお辞儀が、こんなところでも再現されている。ちょっとネタ的にわざとやっているのか、もう身体に染み付いていて自然とこうなるのかはわからないが、覚えていたら今度会った時にでも聞いてみたい。因みに、AKBはしょっちゅうお辞儀ばかりしているが、片足をひいたりしない。
 
岡田:おじさん、お願い許して。
森下:う、うん。
 
斉藤:おじさん、ナオ先輩とお知り合いなんですよね?
森下:ナオ先輩?
岡田:だって、ここに…
森下:うん、ちょっとさっきそこで。
斉藤:さっきそこで? やっぱりお知り合いなんですね。本当にすみませんでした。
岡田:お願いです、このことはナオ先輩には内緒にしておいてください。本当にこんなことは止めますから。
斉藤:ホントにホントにすみませんでした!
 
後半、ただカワイイ岡田彩花が披露される。こんな顔で素直なことを言われたら、内容が何であっても許してしまうだろう。上目遣いになって、色々な表情で許しを請うのだが、ここは持っているかわいさを最大限放出する場面である。あやめちゃんは突っ立っていて、最後は髪で顔が隠れてしまう。演技のレベルが高いとは思わないが、実際のJKならリアルなのはこっちであり、彩花みたいにできるのは場数をふんだ大悪党だと思う。しかし、JKにはJKのソサエティとヒエラルキーがあるので、頭の上がらない先輩のプリクラが出てくることで水戸黄門の印籠よろしく、豹変してしまうというのは普通にありえる姿だし、シナリオとしてシンプルだが違和感はない。

 
そして逃げ出す二人。あやめちゃんが彩花の腕を引いて、そのままの姿勢で走り去る。
 
■感想
 
さっとテレビで通してみただけでも、岡田彩花の演技力の高さは感じるが、こうして場面場面で切り取ってみると更によくわかる。彩花をよく知らない人のために(そんな人がこのブログを見るとも思えないが)解説しておくと、彼女の演技は伸びやかでかつ抑制的であって、押し出しの強いタイプではない。ただ、今回は痴漢詐欺をはたらき気の弱そうなおっさんの財布を奪うJKという役割なので、ギャルメイクだし、ハイツインだし、前半ドスをきかせているのだが、本来持っている演技のタイプとしては、どちらかといえば後半なのだ。ただ、後半を生かすためにも前半突き抜けた演技が必要だし、プリクラを発見する転換点で、瞬間的にいかに驚いて見せるかというのが、ドラマ全体に説得力を与えるために必要なのである。彩花は十分に期待に応えたと思う。
しかし、今回みたいな極端なJKでないにしても、そろそろ彩花が制服姿のJKをやるのは厳しいんじゃないかな~という気もした。体型的には全然現役でイケるし、コスプレ感もないのだけど、実際のJKというのは実は表情に乏しく、ボキャブラリーも貧弱なのである。だから、演技力の向上した彩花がやると、ちょっとクドくなって、作り物っぽくなってしまう。まあ、それはそれでとても寂しい気持ちになってしまうのだが、それだけ成長して大人になったんだなと思うことにしている。
あと、このドラマを見て思ったのは、森下能幸さんの冴えない(ちょっと気持ち悪い)気弱そうなおっさんの演技が秀逸であるということ。着ているスーツやネクタイ、靴はピカピカで寧ろ清潔感があるのだが、表情、髪型、髪色、態度で、いかにも詐欺被害に会いそうな男性を演じているのである。アラアラ、かわいそうね、という風にならないとこのドラマは成り立たない。
ちなみに、テレビなんでまあこんなつくりでいいのだけれど、仮にこの冤罪事件が現実だとすると、被害者男性は堂々と警察を呼べばいい。JKはご存じないかもしれないが、下着を撮影して写真を消去した場合、カメラロールには出てこなくなるが、実際には消えたわけではなく、単に見えなくしているだけなのである。これはゴミ箱を空にしても同じである。そもそも、ゴミ箱というアイテムがあって、一度消したものでも復活できるということを知っていれば予想できそうなものだが、撮影した画像を一旦書き込むという操作をした場合、実は完全に跡形もなく消し去るというのは結構大変な作業なので、スマホは消したフリだけしているのだ。警察は当然その仕組みを知っているので、スマホを回収してサイバーポリスに回せば、下着を撮影したかどうかはすぐに、完全にわかるのである。当然狂言を働いたJKが補導されて一件落着である。逆もまた真なりで、警察だろうが国家権力だろうが、犯人が白状しない限り絶対に復元できない方法でスマホ本体やクラウドに写真を隠し、撮影した痕跡を残さないという方法も存在する。ただ、そんなアプリを入れているだけなら、アプリの痕跡が残っている時点で悪意ありとバレてしまうので、可能なのはプロプライエタリな場合だけである。スマホのような高度にテクニカルなアイテムについては、しっかり勉強して骨の髄まで理解するか、逆に大事な場面(痴漢が大事だといっているわけじゃない)では一切使わないか、どちらかなので、若い人たちは自分や大切な人を守るためにも、とにかくしっかり勉強してほしいと思う。ハイテク分野で身を守るのは、単に「知っている」か、「知らない」か、だけなので。
 
 
■聖地巡礼
 
都内某所で撮影されたロケ現場に行ってみた(笑)
橋のシーンと、階段のシーンはさほど離れていない。いかにも東京らしい住宅街である。
 
 
橋のシーン。ここに行ったことはないが、個人的にゆかりの深い川である。
 
 
階段のシーン。坂の多い東京では、路地の端が階段になっていて車や自転車が通れない、こんな場所が無数にある。
 
さすがは地上波で、リアルタイムでツイートが反応している。それも、JKに反応しているので、色々あった再現ドラマのうちの、このドラマについてである。冤罪トラブルというのはとにかく怖いだけあって、世間の反応が非常に鋭敏である。それは、自分自身もわかるが、いつターゲットにされて生活と社会的信用をグチャグチャにされるかわからない、という理不尽な恐怖があるからである。テレビ局もそれがわかっているからテーマとして取り上げたのだ。もし痴漢詐欺に巻き込まれるとしたら、「誰がお前のパンツなんか見たいか」と言いたくなるような、もっと救いようのないブスが相手だと思うので、その点だけはリアリティがない。私がもしこの二人に言いがかりをつけられたら、少しでも縁を結ぶために喜んで財布を差し出すだろう。