東方神起・JYJ 〜L♡VE Paranoid Fiction〜 -6ページ目



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CM「お前…本当にいいの?」

KY「いいんだよ。あいつ…まだ…」

CM「ん?」

KY「お前の事好きだぞ」

CM「こんな時に冗談言うなって」

KY「俺は本気。冗談なんか言うか、馬鹿」

CM「でも俺は…ミナが居る」

KY「知ってるよ、そんくらい」

CM「じゃどうして別れるんだよ」

KY「あいつ…俺と居る時不意にさー哀しそうな…淋しい表情するんだよ。俺知らないフリしてたけど」

CM「俺とは限らないじゃん」

KY「お前、誕生日の日心愛抱いただろ。あん時ぐらいからかな」

CM「・・・」

KY「俺を誰だと思ってんだよ。キュヒョン様だぞ?」

CM「知ってたのか」

KY「当たり前だ。あいつもお前も何も言わなかったけどさ」

CM「後悔…するんじゃないの?」

KY「するかも…な。大好きだったから…」



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KY「優心の事、頼んだぞ」

CM「何だそれ」

KY「お前が優心の事まだ想ってるのは知ってる。だからお前に優心を頼むんだって」

CM「はぁ?」

KY「ミナより…優心を想う気持ちの方がでかいだろ?」

CM「・・・」



せっかくミナの事本気になれると思ったのに…
あいつは俺に任せるとか俺の気持ち踏みにじりやがって…



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KY「じゃ、俺行くわ」

CM「頑張れよ」

KY「おうっ!優心の事…頼むな」



キュヒョンは搭乗ゲートに向かって歩き出した
小さなキャリーケースを引き…







「キュヒョーーーン!!」





4月下旬のある休日
俺の予想だにしなかった事が起きた


隣の家であるキュヒョンの部屋がうるさかった
耳を済ませば優心の怒る声とキュヒョンの声
俺は喧嘩の止めに入ろうとベッドから起き上がりキュヒョンの部屋に向かった




「私も行くって」

KY「だから、ダメだって言ってんだろ」

「どうして?理由は?」

KY「理由は…言えない」

「何で?どうして置いて行くの?」

KY「お前、仕事あるだろ。楽しいって言ってたじゃん」

「ヤダ…キュヒョンと…行く」

KY「だから、しつこいって!!」



玄関に入った瞬間聞こえる2人の会話
それを心配そうに階段に立つキュヒョンのお母さんが居た



CM「おばさん、どうしたの?」

「…実はね」



キュヒョンの両親が離婚する事
韓国人であるおばさんとキュヒョンは韓国に帰ると言う事
前から離婚の話が出てて、それが原因で就職活動をしなかった事
キュヒョンがおばさんに泣きながら優心との話をした事


溢れる泪を拭く事はせず俺に話すおばさん
それをただ呆然と聞く俺
重い足をキュヒョンの部屋へ向ける




「ヤダって…一人に…しないでよ…」

KY「何回言うんだよ。しつこいって!連れて行けるわけないだろ。住む所は?働く場所は?」

「見つける」

KY「そう簡単に見つかるわけないだろ?俺、まだ優心を面倒見れないよ」

「お願い…一緒に…」

KY「無理だって言ってんだろ!!」



いきなりキュヒョンの怒鳴り声が聞こえた
部屋のドアを開けると…
床に座りながら泣く優心が居て
今にも泣きそうな瞳をしたキュヒョンが立ってた



KY「チャンミン」

CM「話しは…聞いた」

KY「俺韓国に行くわ。母さん一人にさせれない」

CM「そっか…」

「キュヒョン…」

KY「俺、しつこい女嫌いだから。韓国にも来んなよ」



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CM「キュヒョン!!」

KY「そういう事」

CM「お前っ」



ふとキュヒョンの頬に泪が伝った
本当は別れたくないのにあんな事言って優心から離れる
優心に嫌われようと…とった行動



CM「…優心?」

「…触らないで」

CM「えっ…?」

「大丈夫…だから…」



そう言って優心はカバンを持ちよたよたしながら家を出て行った




CM「…キュヒョン」

KY「俺…傷付けないって…大切に…するって…約束したのに…最低だよな…」

CM「じゃ何で別れるんだよ。違う選択だって」

KY「韓国と…日本じゃ無理に決まってる…守って…やれないじゃん」



キュヒョンは何度も優心の名前を呼び
恥じる事もなく俺の前で泣いてた…










相当飲んで酔っ払い…記憶がない
どうしてミナと寝てるのか…
初めての失態をしてしまった




『おはよう』

CM「おはよう…」

『二日酔い大丈夫?』

CM「あぁ~うん、大丈夫」

『ご飯作るね』


ミナの部屋は綺麗に整理整頓されゴミ一つ落ちてない部屋だった


料理をする後ろ姿をぼんやりと眺め優心と照らし合わせてしまう
小さな背中も…整理整頓された部屋も何処か似てる




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CM「付き合おうっか」



まさか自分の口からこんな言葉が出てくるなんて思いもしなかった
優心だと思ってつい出たのだろうか



『いいよ』



振り向いた笑顔は俺の望む笑顔じゃなかった
だけど、心の何処かで何かが吹っ切れて自然と哀しい思いはなかった




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俺は優心に出来なかった分
ミナとの時間を大切にした
たくさん笑ってある意味倖せだった




KY「そっかー良かった良かった」

CM「本当嬉しそうだな」

KY「優心はこれで誰にも取られる心配がなくなったからな」

CM「働いたらわかんねーぞっ」



キュヒョンは笑ってるけど瞳は哀しそうな瞳
俺に何を隠してる?
何をしたいんだ…





季節はあっという間に…春
本格的に仕事が始まる
新調したスーツを着て俺は新たな一歩を踏み出した







卒業して数日俺はキュヒョンから呼びだされ一緒に呑んだ


KY「今日、俺の奢りな」

CM「じゃいっぱいビール飲む」

KY「飲め飲め」



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キュヒョンは写メと撮るとメールを送った
きっと優心にだろう…



CM「優心呼ぶのか?」

KY「うん。ダメか?」

CM「いや。俺は別にいいよ」

KY「あともう一人呼んだ」

CM「誰?」



個室のドアが開き女の子が入って来た
その子は俺がまだ中学生だった頃好きだった子だった…
まだこの頃優心とはただの幼馴染
好きな感情なんて芽生える前



『チャンミン、お久しぶり』

CM「ミナ…お久しぶり」

KY「もう少ししたら、優心も来るから」

『優心?…あぁーあの子ね!』

CM「キュヒョン、どうゆう事だよ」

KY「この前偶然会ったの」

『チャンミン、かっこ良くなったね』



優心とは違う綺麗な女性だった
ミナは俺の横に座り色々聞いて来る



「ごめん、遅くなっ…たっ…」

KY「優心!!覚える?中学ん時俺たちと同じクラスだったミナ」

「私、別のクラスだったし…」

『覚えてなくて当然でしょ?あまり私達話した事なかったし』

KY「優心、何飲む?」

「ビール」



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KY「どうした?元気ないけど」

「ううん、何でもない」

KY「酔ったの?」

「酔ってないってば」



相変わらずキュヒョンは優心にべったりでミナは質問ばかりしてくる
何なんだ、この状況…


でも…俺にとっていい出逢いなのかもしれない
前を向いて歩くために…優心を忘れるためには…



『ねぇチャンミン?連絡先交換しない?』

CM「いいよ。教えて」



携帯を取り出し連絡先を交換した
俺の携帯に新たな女の名前が入った…



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ふと優心と目が合い微笑むとすぐに優心は視線を外した


『チャンミンって、優心ちゃんが好きなの?』

CM「そんな事ないよ」

『さっきから優心ちゃんチラチラ見てるよ?』

CM「気のせいだよ。気のせい」



まるで自分に言い聞かせるようだった
どんどん早くなるペース
キュヒョンも相当飲んで俺も負け時と飲んで…







朝日で目が覚めると隣には裸のミナが横で寝ていた…









クリスマスから数ヶ月
とうとう俺たちは大学を卒業する…


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KY「何か寂しいな」

CM「みんな別々だもんな」

KY「チャンミンは一流企業に就職だし、優心もそれなりの企業だし」

CM「お前、就職活動してなかったけどどうすんだよ」

KY「俺やる事あるから」

CM「ふーん。就職しないと優心倖せに出来ないじゃん。早く探せよ?」

KY「…うん」



キュヒョンが何か隠してるのはわかってた
だけど、何を隠してるのかは検討もつかない


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CM「そろそろ会場行こう」

KY「あぁ」

CM「お前元気なさ過ぎだろ」

KY「そんな事ないって。俺、ロビーに優心迎えに行って来るわ」



次にキュヒョンを見た顔はさっきと打って変わり満面の笑顔だった
俺だけに見せたあの淋しそうな顔は何だったんだろう…



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「チャンミン。ちょっといい?」

CM「あ、優心…」

「チャンミンに聞きたい事あるの」

CM「あぁ…いいよ」



久々に交わした言葉
俺は優心の後を追い掛けた
ホテルの中庭にポツンとあるベンチ



CM「聞きたい事って?」

「…うん」

CM「キュヒョンの事?」

「よくわかったね」



ふんわりと笑う顔には哀しそうな…淋しそうな顔が覗いてた



CM「どうした?喧嘩した?」

「ううん。違う…キュヒョン…何か隠してる事ない?」

CM「え?」

「…好きなコ出来たとか」

CM「それはないだろ」

「就職活動もしてなかったし…何か理由があると思うの」

CM「優心は…思い当たるトコないの?」

「ない。だから不安なの…」



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CM「泣くなって…」

「ごめん…」

CM「俺の前で泣いても…前みたいに拭いてやんないぞ」

「…わかってる」

CM「強くなったな、優心」




本当は…本当は抱きしめてやりたい程胸が苦しくて
優心の泣いてる顔なんて見たくないんだ…
俺の前でそんな顔しないで欲しい…
俺の想いが強くなるから…




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CM「キュヒョン心配するから、戻ろう」

「うん…ありがとう、チャンミン」

CM「頑張れよ。仕事」

「チャンミンもね」



今まで見た事のない笑顔だった
いつからそんな笑顔するようになった?
キュヒョンのお陰か?




KY「チャンミン、優心知らない?」

CM「居ないのか?」

KY「お前、さっき…何話してた」

CM「…別に何も。今までありがとう的な?」

KY「ふーん。嘘っぽいけど」



キュヒョンはまだ中庭に居た優心に駆け寄った
抱きしめて…泪を拭いて…キスをした
俺はそんな2人を会場の窓から見ていた




俺はやっぱり…優心が好きなんだ…

溢れ出す気持ちが枯れたりしない

どうしたらいいんだ…キュヒョン…