空港に引き返しても優心は何処にも居なくて
携帯に連絡しても電源は入っておらず優心の居場所がわからなかった
どんどん苛立ちが湧いて出てくる
ーRRRRRー
電話を知らせる着信
ディスプレイにはキュヒョンの文字
優心と空港で別れて早2時間ぎ経とうとしている
CM「キュヒョン、どうした?」
KY「韓国着いた。優心…大丈夫か?」
CM「俺さ、車で送ってくって言ったんだけど、ミナが来てて…1人で帰るって言って」
KY「それで…?」
CM「ちょっと心配になったから電話しても繋がらないんだ」
KY「お前何やってんだよ…」
CM「どっか…行きそうな場所わかるか?」
KY「優心なら…昔よく行ってた森じゃないかな」
CM「森?」
KY「ほら、俺たちよくガキん頃行ってた場所があったろ」
CM「一度行ってみるよ」
KY「居たら…連絡して」
CM「わかった」
キュヒョンの言われた森に向かった
小さい頃よく3人で遊んだ森
しばらく行ってなかった気がする
森に着いた頃には夕陽も傾きかけてた
一歩一歩踏み出すにつれ、忘れて居たあの頃が鮮明に思い出す
小さかったせいか登るのが大変だった木も今では小さく感じられる
奥に進むにつれて生茂った雑草が多くなる
不意に視界が広がり、昔よく遊んでた場所に着いた
倒れた木に座り空を見てる優心が居た
「집에 오는 길은 때론 너무 길어」
(家へ帰る道は時々とても長いんだ)
「나는 더욱더 지치곤 해」
(僕はいっそう疲れるよ)
優心に歩むと徐々に聴こえてくる唄声
キュヒョンがいつも唄ってた曲"かたつむり"
「문을 열자마자 잠이 들었다가 」
(ドアを開くやいなや眠りについて)
「깨면 아무도 없어」
(目覚めれば誰もいないんだ)
ふと唄声は止まり優心の泣き声が聴こえて来た
俺は優心の横に座り続きを歌い出す
CM「좁은 욕조 속에 몸을 뉘었을때
작은 달팽이 한 마리가
내게로 다가와 작은 목소리로 속삭여줬어」
(狭い浴槽に身体を横たえた時
小さなかたつむり一匹が
僕に近付いてきて小さな声でささやいてくれたよ)
優心は俺の瞳をずっと見ていた
泪を流しながら一瞬も離す事はなかった
CM「괜찮아. 내가 계속 옆에 있으니까」
(大丈夫。俺がずっと隣にいるから)
少しの間沈黙が続く
耳に入るのは森の囁きだけ
沈黙を破ったのは優心だった
「どうして、来たの?」
CM「心配だった」
「大丈夫って言ったじゃん」
CM「泣いてただろ」
「泣くぐらい…大丈夫だって。それより早くミナさんの所に行きなよ」
CM「…行かない」
「どうして?」
CM「お前が…泣くから…」
「ミナさん泣いちゃうよ」
CM「もう泣かせたよ。ここ来る前に」
「なら」
CM「俺気付いたんだ」
「それ以上…言わないで」
CM「優心が好き」
「馬鹿じゃないの?何言ってんの?」
CM「ミナと付き合っても何かが足りなくて…キュヒョンに向ける笑顔が俺はずっと羨ましかったんだ」
「もう止めてよ」
CM「すごく…辛かったんだ。キュヒョンと付き合ってるの見るのが…」
「私、帰る」
CM「聞けよっ!!逃げるなよ…俺から逃げないで」
やっと言えた気持ちが…
今度は優心に届かない
俺から逃げてしまう優心
どうした…俺の所に来てくれる?
CM「優心っ!聞けよ、話し」
「チャンミンの話し…聞く権限はない」
幾度となく流れ落ちるキラキラした泪
俺は逃げる優心の腕を捕まえ抱き寄せた
CM「…好きなんだよ…優心が。俺の心から…離れないんだ…」
「・・・」
CM「俺…自分の気持ちから逃げてた。相手がキュヒョンでも…奪えは良かった…」
腕の中でもがく優心をきつく抱き締めた
次第に降参したかのように大人しくなった
CM「帰ろう。送るから…」
優心の手を取り来た道へ戻る
何も話さず黙々と歩く優心
そう言えば…一度似たような事があった
おばさんに怒られて小さなリュックにお菓子と水筒を入れて家を飛び出した優心
夕方になっても帰って来ない優心を心配したおばさん達は俺らの親も加わり優心を必死に探した
結局見付けたのはキュヒョンだったけど俺は優心の手を繋ぎ歩いて帰った記憶が蘇った
あの時、小さいながらに男として泣き止まない優心を家まで送って行かなきゃならないって責任を感じた
おばさんは優心を見た瞬間抱き締めて
俺やキュヒョンに頭を下げるぐらい感謝されたっけ…
俺は歩きながら韓国で心配しているキュヒョンに電話をした…