東方神起・JYJ 〜L♡VE Paranoid Fiction〜 -4ページ目


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チャンミンが数時間後韓国へ来た
鞄一つで来たのを見ると相当慌てて来たんだろう



KY「なぁ、チャンミン。優心と一緒に帰るだろ?」

CM「うん。お前が迎えに来いって言ったんじゃん」

KY「良かったな、優心」



チャンミンが来てから優心は一度も口を開かないどころかチャンミンを見る事すらしなかった



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CM「優心…次の便で帰ろ?」

「・・・」

CM「俺、すっごい心配だったんだ。優心が韓国来てるなんて思わなかったし…」

「・・・」

CM「それとも俺と帰るのがイヤ?」

「・・・」



不安そうな顔をしながら優心を見るチャンミン
こいつも相当優心に惚れてるのがわかる


KY「優心?黙っててもココには居れないぞ?言ったよな?俺は優心と韓国で住めないって」

「・・・」

KY「それに…俺はもう優心と別れた。わかるだろ?もう優心の彼氏じゃない」



みるみる優心の目に泪が溜まっていく
前の俺ならすぐ抱きしめてただろう
でも今は…優心の泪を拭くのは…チャンミンだけ



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KY「チャンミン、明日も休みだろ?一泊していけよ。な?」

CM「着替え持って来てない」

KY「俺のあるから。だから、チャンミンも優心も泊まれ」



チャンミンを見て微笑む事しか出来なかった
俺なら…ちゃんとチャンミンと一緒に日本に帰国させてあげるから…





自宅に着き何も話さない優心とチャンミンを招き入れた
まだ引っ越したばかりで必要な物しかない俺の部屋
優心はベッドに座りその横にチャンミンも座った




KY「優心…お前チャンミンに言いたい事あるんだろ?」

CM「・・・なに?」

「・・・」

KY「俺、あっちに居るわ。ゆっくり話して」

CM「・・・わかった」




俺は優心とチャンミンを残しリビングへ行った

頑張れ…優心…
お前ならちゃんと言える








ーRRRRRRー


突然鳴り出した携帯
表示されたのは優心だった
会いたくてたまらなかった俺はすぐ電話に出た


KY「もしもし?どうした?」

「キュヒョン…」

KY「どうした?」

「韓国…来ちゃった…」

KY「はぁ⁈チャンミンは?」

「一人…迎えに来て…」




か細い声で優心は言った
俺はすぐさま車の鍵を持ち空港に向かった



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KY「どうしたんだよ。急に韓国来て」

「どうしたら…いいかわからなくて」

KY「逃げて来たってわけ…か」

「これ以上…一緒に居たら…チャンミンをもっと苦しめそう」

KY「逃げても意味はないぞ。どうせチャンミンに何も言ってないんだろ?心配するぞ」

「…日本には帰らない」

KY「子どもみたいな事言ってんじゃねぇーよ」

「キュヒョン…助けてよ」

KY「素直になればいい。好きなんだろ?チャンミンの事」




優心は大粒の泪を零しながら頷いた
好きなら…飛び込めばいいのに…
きっと幼馴染の関係が邪魔してるんだろう



ーRRRRRRー


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KY「噂をすればチャンミンからだ」




助手席に座り俺を心配そうに見る優心
咄嗟に出た言葉は…
"迎えに来てくれないか"
今までの俺なら絶対言わない言葉だろう
でも優心は…チャンミンが好き
それならチャンミンに迎えに来て一緒に帰った方がいいだろう




KY「チャンミン、来るって。良かったな。一緒に帰ろよ?」

「私…チャンミンと一緒に居れない」

KY「好きなら…好きって言えばいいだろ?チャンミンも優心の事好きって言ったんだろ?」

「…怖いの。幼馴染じゃない、関係になるのが」

KY「俺の時も怖かった?」

「…うん。何でも知ってるから…」

KY「だからって韓国まで来るか?」

「ごめん」

KY「チャンミン…すげぇ心配してたぞ?怒られても知らないからな」





優心の気持ちを邪魔する物を取り払ってあげたかった
優心が素直に好きと言えるように…
韓国まで来た優心を…救いたかった




チャンミンと倖せになる道を…俺が築いてあげなきゃならないんだ…



なぁ、そうだろ?
俺がデコボコの道を綺麗な道路にして
優心が何も気にせず歩けるような道を…



俺が作ってあげるよ…優心のために…












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KY「もうめんどくさいから泊まって行け」



キュヒョンは車から降りた
着いた先はマンションだった
慣れた手付きでロックを解除して中に入る



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キュヒョンは変わらない笑顔で俺たちを見る
小綺麗にされたキュヒョンの部屋




口を開かない優心を他所に俺とキュヒョンは他愛ない話しをした



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寝不足と疲れが重なり俺は寝てしまった
気付いた時には陽は沈み、静寂な暗闇が覆っていた
おばさんも居ないのかリビングも灯りは付いてない
キュヒョンや優心さえ自宅には居なかった



ーRRRRRRー


長いコール後キュヒョンはようやく出た


KY「やっと起きたか」

CM「優心と出掛けたのか?」

KY「あぁ~…まぁな。腹減ったろ?帰り何か買って行くから。勝手にゲームでもしてて」

CM「わかった」




何故キュヒョンは優心と出掛けたのか…
寝てしまった俺も悪いけど
前なら起こしてでも三人で行動してたのに…
苛立ちと不安が襲い自分でもどうしたらいいのかさえわからない


気を紛らわそうと俺はパソコンの電源を入れた
映し出されたのは紛れもなく優心
満面の笑顔で俺と目が合う…




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優心が何故韓国まで来たのか…
俺は迎えに来ない方が良かったんじゃないか…


後悔したって何も得る物はなくて
前に進んでも欲しい物は手に入らなくて…
歯車が合わないまま俺と優心はすれ違ってる




優心は…キュヒョンと一緒に居たいんじゃないのか…






CM「キュヒョン。俺…やっぱり帰るわ」




そうキュヒョンに告げて自宅を出た
今なら最終便に間に合うかもしれない
悔しいけど…
悲しいけど…
寂しいけど…
優心はキュヒョンを選んだんだ


だから…俺は日本へ帰るんだ…









ミナと別れてから数日経った休日
連絡もよこさない優心が心配で電話を掛けた
けど、聞こえるのは無惨にも愛おしい声ではなくて電源の入ってない事を知らせるアナウンスだった




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CM「キュヒョン?優心が何処にも居ないんだ」

KY「優心なら…居るよ。韓国に」

CM「えっ⁈」

KY「帰らないって言うんだ…なぁチャンミン」

CM「ん?」

KY「優心を迎えに来てくれないか」

CM「…わかった」




俺は急いでパスポートを持ち空港に向かった
どうして優心は韓国に行ったのかわからない
キュヒョンに会いに行ったわけだけじゃなさそう




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久々に韓国の地へ降りた俺
俺が知ってる韓国とはだいぶ変貌していて
あちこちにでかいビルが立っていた




CM「韓国着いたぞ。何処に行けばいい?」

KY「今空港に向かってるから待ってて」

CM「優心は?」

KY「居るよ。もう少しだからそこで待ってろ」





数分後、キュヒョンの運転する車が来た
優心は助手席に座り外を眺めてるばかり


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KY「優心。チャンミンと一緒に日本に帰れ」

「…いや」

KY「俺言ったじゃん。優心の面倒見れる程お人好しじゃない」

「・・・」

CM「優心…帰ろ?」




優心はそれっきり口を開く事はしなかった
キュヒョンは車を出し何処かに向かった
俺もキュヒョンも何も話さない
聞こえるのは陽気な音楽だけ流れてる








ミナは気付いてたかのように俺が行くと泣き出した
泣くとミナは何も話さない
首を縦に振るか横に振るだけ


"別れよう"と言うとミナは号泣
俺は近くにも寄らずただ泣くミナを見ているだけ



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CM「俺…優心のそばに居たいんだ。知ってるだろ?俺が優心の事好きだったの」



相変わらず口を閉ざしたままのミナに合鍵を返し自宅を後にした
一方的に別れを切り出し家を出て行った俺は卑怯だろう
ミナの事も考えず…
でも何を言ってもミナとはもう付き合えない


俺は…優心のそばに居ると…
優心の事を守るとキュヒョンと約束したんだ…




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CM「優心?」

「なに?」

CM「俺…別れた。だからこれから優心のそばにいつも居るから」

「…ミナさんは大丈夫なの?」

CM「うん。何かあったらすぐ俺に連絡して来いよ」

「…うん。ありがとう」



優心の声は暗かった
けど俺は今すぐにでも会いたかった



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CM「なぁ…優心」

「ん?」

CM「会いたい…今すぐ」

「今は…一人にさせて…ごめん」

CM「…そっか」





俺は自室で今までの想い出の写真を眺めてた
真ん中に優心が居て、右側には俺が居て左側にはキュヒョンが居る
当たり前だったあの当時…
戻れるならば…また戻りたい…
幼馴染だったあの頃に…