東方神起・JYJ 〜L♡VE Paranoid Fiction〜 -7ページ目


あっという間にクリスマス
俺はハンドルを握りながら助手席に優心を乗せて目的地へと走らせる



「キュヒョン大丈夫?代わろうか?」

KY「大丈夫。着いたら寝るかも」

「いいよ。ちゃんと起こしてあげるから」

KY「何かさー、昨日から寝れなくて」

「キュヒョン子供みたい」

KY「だってすんごく楽しみにしてんだよ?優心とクリスマス過ごすの」

「私も…すっごく楽しみだった」



微笑む姿は大人の女なのに
所々で見える子どもっぽさが残る姿
運転中ペットボトルの蓋を開けてくれたり
ガムや飴をくれたり
忙しなく俺の世話をしてくれる


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KY「優心?」

「ん~?」

KY「좋아해. 내가 떠나가지 말아요」
(大好きだよ。俺から離れないで)

「고마워. 나도 좋아해」
(ありがとう。私も大好きだよ)



優心と韓国語で話したのは初めてだった
日本人と韓国人のハーフだから話せて当たり前なのに今まで話した事がなかった
よくチャンミンと韓国語で言い争っても必ず日本語で止めに入ってた

チャンミンもまた優心に韓国語を使う事がなかった
だからなのか…俺も韓国語で話さなかった


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KY「今…すっげぇ嬉しい」

「余所見しないで!!」

KY「ありがとう…優心」




次第に優心は気持ち良さそうに寝てしまった
無防備過ぎる優心
俺は車を脇道に停め暫く寝顔に魅入ってた


長くてカールした睫毛
白くて透き通る肌
ちょっと腫れぼったい唇
筋の通った綺麗な鼻


見てるうちにたまらなくキスしたくなって…

寝てる優心にキスをした

初めてのキス…




「…キュヒョ…ン」

KY「ごめん…充電させて…」

「…うん」


キスした瞬間大きな瞳が開いた
でも次の瞬間瞳を閉じて俺のキスを受け入れた


俺たちは時間を忘れ何度も角度を変えてはキスを繰り返した



「んっ…キュヒョン…」

KY「ダメ?」

「こんな所じゃ…」

KY「わかった。じゃ急ぐ」



まるで食べ物に植えてるハイエナのよう
俺は車を再び走らせた


早く…優心を満たしたかったから…








今想うと…
あの時の泪は俺に抱かれて嫌だったんじゃなくて嬉しくて泣いたんだろう

直ぐに気付いて…
告白すれば今頃優心は俺の彼女になってたのかな
嫌だと勘違いしてた俺は本当に馬鹿だとしか思えない


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キュヒョンじゃなくて俺にしろよ…

そんな事言えるわけないのに頭に浮かぶ言葉
やっぱり頑丈な鍵を付けたって溢れ出る想いは何処にも行く宛がないまま
俺の心に彷徨い続ける…



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YH「やーチャミナ!どうしたの?」

CM「俺は馬鹿なんだなって思ってた」

YH「え?チャミナは馬鹿じゃないよ?頭いいじゃん!」

CM「違うって。恋愛に対して…臆病なのに腹黒い俺が居て…告白も出来ずに親友の悩み聞いたりして」

YH「あぁ~。そっか…そっか…」

CM「ねぇ、ユノ。俺ってどうしたら倖せになれるかな」

YH「うーん…もっとさ、素直になれば?親友の彼女でも、好きなら奪い取るぐらいの素直さ」

CM「俺そこまで出来ない。キュヒョンは大切な仲間だし」

YH「優しすぎるんだよぉーチャミナはッ!!親友なら正々堂々闘えばいいじゃんか」



強烈な痛みを背中に残してユノは笑いながら去って行った
親友…ましてや幼馴染のキュヒョンとは闘いたくない
あいつがどれだけ高校生の時凄かったかわかってる
敵に回したら…俺は完敗する



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「チャンミン!雪っっ!!」

CM「うわー本当だぁ」

KY「雪合戦しよー」

CM「お前は子供かよっ」

「キュヒョン、このぐらいならまだ出来ないじゃん」

KY「優心までそんな事言うわけ?二人共乗ってくれてもいいじゃん」



拗ねたキュヒョンを庇うように優心は降り積もったごく僅かな雪を集めてキュヒョンに投げてた
漢字のように優しい心を持った優心

あの頃が懐かしく感じる
まだ1年なのにこの1年で随分と変わった



俺の心にも白くて冷たい雪が降りしきる



優心も同じ雪を見てあの頃を想い出してるかな…









KY「あぁー!美味かったー!」

「本当美味しかった!でも何でキュヒョン、こんな所に美味しい店あるの知ってたの?」

KY「あっ…それはぁ…」

「前の彼女でしょ?」

KY「ちっ、違うって」

「慌ててる。図星なんだ?」

KY「過去だろ、過去ッ」

「まぁいいんだけどねぇー」



優心は決して前の彼女の話を聞いて来なかったりする
出て来てもこの程度で深くまで聞いたりしない
彼氏の俺として、哀しいような…嬉しいような
嫉妬して欲しい気持ちと聞いて欲しくない気持ちが入り乱れる



「もう少しでクリスマスだね」

KY「どっか行く?」

「キュヒョンと居れるなら地元でもいい」



たまに嬉しい事を言う優心
サラッと言うから俺が恥ずかしくなる時が多い
俺の嬉しくなるツボをわかってる



KY「泊まりで行こうっか」

「泊まりで?」

KY「ほら、優心前言ってたじゃん。夢の国に泊まりで行きたいって」

「夢の国は…もういいの」



優心の瞳の奥が揺れた
夢の国…本当はチャンミンと行きたかったんだろ?


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KY「優心と行きたいんだ。初めてのクリスマスだし。ダメかな?」

「…いいよ。静かな所がいい」

KY「温泉…行こっか」

「宿取れるかな?」

KY「俺に任せて」



付き合って数ヶ月
キスもしてない俺ら
時々、中学生かって突っ込みたくなるような何の進展もない付き合い
よくここまで持ったと褒めてやりたいぐらい
俺だって健全な男
キスしたいとか、抱きたいって思うのが当然
でももう俺も限界を超える…





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CM「ふーん。で?」

KY「宿探し手伝って!」

CM「ヤダ。絶対イヤだ」

KY「親友がこんなに困ってんだぞ?」

CM「計画なさ過ぎなんだよ。お前」

KY「チャンミン~!!」

CM「頑張って探せ」



チャンミンに相談すると想像通りの答え
わかってる…本当はまだ好きなんだろ?
俺の前では吹っ切れたとか暢気な事言ってるけど
チャンミン、お前はまだ優心の事好きで好きでたまらないんだろ?

ごめんな…チャンミン

でも優心は例えお前だって渡したくないんだ

わかってくれるよな…なぁ、チャンミン…