同世代に会った事 | 人生に無駄はない

人生に無駄はない

人生の折り返し地点で難病の多系統萎縮症に罹患しました。
難病に罹患したことも無駄にならないような人生を歩みたいです。
2019年多系統萎縮症に病名変更

先日初ショートステイを経験し、当然の事ながら、先ず同世代の人とは会わないだろう、と思っていた


ところが、利用者の中に58歳の左半身麻痺が残る女性と一緒だった

これにはびっくりで、むしろ彼女の方が自分より若い人が利用して来た〜と感激していた

その女性とは3歳違い

会ったその日から、食事の時のテーブルは、『こっち、こっち!』とめちゃくちゃ友好的

私はショートステイ中、その彼女のおかげで、退屈する事なく過ごす事が出来た結構、気を使った

スタッフの名前や施設の裏事情等、私が聞かずとも彼女が全部教えてくれた

さらに彼女が過去に利用した施設の様子等、絶対に利用者しか知り得ない事まで、私と顔を合わせる度に話してくれた

ショートステイ最終日には、売店で買ったらしいお菓子までくれた
乾き物だが…
貴方が帰ったらどうここで過ごしたらいいの?とまで言い出して涙声に
私は早く帰りたかった

聞けば(一方的に彼女が話し出した)、彼女もショートステイと言う名目で利用しているが、長期だと言う

3年前に脳梗塞で倒れ、1年近くリハビリ病院で過ごし、その入院中に自宅を処分

ご主人はいるが、絶対に麻痺の残ってるお前の介護はしない!と宣言し、自宅を売ったそうだ
今は娘と同居している 

娘が2人いるが、1人は遠方、近くの娘の家に父親が転がり込んでいるため、母親である彼女とは、月に1〜2回、施設に会いに来る関係だそうだ

その近くの娘には小1の女の子ともう1人女の子がいて、小1の子は初孫で、産まれた時から世話をして見ていた

リハビリ病院にいた時、面会に来たその孫は麻痺して動かなくなった手を取って、『ばぁば』と優しく接してくれて、その態度に生きがいを見つける事が出来たそうだ
『私は、孫の成長だけが楽しみ』と言っていた


私は『へえー』とか『そうなんだ』としか相槌を打たないのに、ずっと身の上話を聞かせてくれた

『自宅を処分してあるから、私には帰る家も場所もないの
だから、自分の服や身の回り品はダンボールのまま部屋に置いてあるのよ 
今の希望は孫に会う事と施設を出て、一人暮らしを始める事なんだそうだ

今まで歳が近いと言っても、相手は自分より10や20歳以上上だった

それなのに高齢者施設を利用せざるを得ない事情があり、年齢的な差別感を味わって来た彼女の気持ちは不平不満と自分の身体の不自由さで1杯だった

初めて会った時に彼女の歳を知り、『今までこういう施設で、若い分辛い思いを経験され続けたんですね』と口から出た言葉が、彼女の心に響いたらしい

そんな訳で、ショートステイ中は私の気疲れを他所に、スタッフの目から見ても楽しく、周りにも馴染んでる風に映ったようだ




彼女とTVドラマ【半沢直樹】の話になった時、当然面白かった、と話が進むと思ったのが、『あのセリフ回しが嫌なのよね〜』と嫌いの共感を求められた展開には、非常に受け答えが難しかった