【アルツハイマー病とは❓】

アルツハイマー病とは、脳内にアミロイドβというタンパク質が溜まって、神経細胞が壊れて脳が萎縮する病気です。認知症の原因の60~70%がアルツハイマー病とされています。アルツハイマー病に罹患すると、記憶障害や見当識障害などの認知機能低下を引き起こし、行動や心理に変化を及ぼします。

 

【アルツハイマー病のメカニズム】

●老人斑

脳の神経細胞の外側に、アミロイドβというタンパク質が溜まって出来る斑点です。アミロイドβは正常に分解されるべきですが、何らかの原因で分解されずに凝集して老人斑を形成します。老人斑は、神経細胞やシナプスに毒性を持ち、機能を阻害します。

 

●神経原線維の変化

脳の神経細胞の内側に、タウというタンパク質が変性してできるものです。タウは微小管という構造物を安定させる役割を担いますが、何らかの原因で過剰にリン酸化されて不溶性になります。リン酸化されたタウは微小管から離れて凝集し、螺旋状の線維を作ります。これを神経原線維の変化といい、神経細胞の形状や機能を乱します。

 

●神経細胞の脱落

老人斑や神経原線維の変化によって傷つけられた神経細胞は、次第に死滅してしまいます。神経細胞が死滅すると、その部位の脳組織が萎縮し、脳全体の体積が減少します。特に、記憶や学習に重要な役割を担う海馬や側頭葉が萎縮しやすいです。

 

【アルツハイマー病の原因となる生活習慣】

アルツハイマー病の発症には、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病が危険因子となっている可能性が示唆されています。これらの生活習慣病は、脳内の血管を傷つけたり、脳内のタンパク質の生成を異常に促進したりして、神経細胞の損傷や死滅を引き起こすと考えられています。

その為、生活習慣病や動脈硬化の原因となる悪い生活習慣は、アルツハイマー病を発症するリスクを引き上げると考えられています。

 

●バランスの取れていない食事

脂肪分やカロリーが多く、食物繊維やビタミン・ミネラルが少ない食事を摂ることで、血中のコレステロールや中性脂肪が増え、インスリンの働きを妨げます。また、食事量や食事回数が不規則だと、血糖値のコントロールが難しくなります。

 

●食べ過ぎ

食べ過ぎによって血糖値が上昇すると、腎臓から糖が排出され尿糖が見られる場合があります。血糖値が腎臓で再吸収できる許容量を超えると、過剰な糖分が尿糖として排出されます。

特に肥満の場合は、インスリンの働きが弱くなり高血糖になりやすいことが研究で明かされています。食べ過ぎに注意して、食物繊維やビタミン・ミネラルの多い食事を摂ることで、血糖値の上昇を抑えることが出来ます。

 

●運動不足

運動不足だと筋肉量が減り、エネルギー消費量が低下します。その結果、体重が増加して肥満になりやすくなります。肥満はインスリン抵抗性を引き起こし、血糖値を上昇させます。

 

●喫煙

喫煙するとニコチン、一酸化炭素といった有害物質が体内に入ります。これらの物質は血管を収縮させて血流を悪くし、インスリンの働きを妨げます。また、喫煙は肥満や高血圧などの糖尿病の合併症のリスクを高めます。

 

●頭を使わない生活

頭を使わない生活は、脳の活性化を低下させ、神経細胞の老化や死滅を加速する可能性があります。頭を使う行動は、脳の可塑性を高め、認知機能の維持や向上に繋がると考えられています。

 

また、人間の脳は「人間の脳で1秒間に行われる活動量は、スーパーコンピュータの40分間の活動量にあたる」と言われる程高性能であり、更にこの能力は、脳を100%使うことなく、このレベルを維持しています。

 

 

【アルツハイマー病を断食で治すメカニズム】

断食とは、食事の量や時間を制限することで、体内の代謝や免疫機能を調節する健康法です。断食には様々な方法がありますが、中でも間欠断食がアルツハイマー病に効果的です。

間欠断食とは、摂取する食事の量を制限すること無く、毎日の食事時間の制限のみに重点を置いた断食法です。

間欠断食がアルツハイマー病を治すメカニズムは以下の通りです。

 

●概日リズムの修正

概日リズムとは、体内時計により調節される生理学的なリズムのことを指します。アルツハイマー病患者の約80%が、睡眠障害や夜間の認知機能低下などの概日リズムの乱れを経験しています。

間欠断食には、一定の摂食・絶食サイクルによって概日リズムを正常化して、睡眠障害や認知機能低下を改善する効果があります。

 

●神経保護因子の増加

神経保護因子とは、神経細胞の生存や成長を促す物質です。間欠断食には、神経保護因子の分泌量を増加させたり、BDNFによって神経細胞の可塑性や学習・記憶能力を向上させたりする効果があります。

 

●アミロイドβペプチドの分解促進

アミロイドβペプチドは、正常なタンパク質が分解されないことで蓄積する異常タンパク質のことです。

間欠断食には、アミロイドβペプチドに対して次のような効果があります。

・脳内でアミロイドβペプチドを分解する酵素(ネプリライシン)を活性化させる。

 

・アミロイドβペプチドの蓄積量を減らして、神経細胞の損傷や死滅を防ぐ。

 

 

 

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