介護では、
解決困難な問題が
幾らでも起きてきますから、
的確なアドバイスをくれる
組織は重要。
毎日新聞より。
認知症
介護相談者、8割が女性
実母巡り娘に負担
京都の社団法人
1万件の電話相談まとめ
社団法人「認知症の人と家族の会」(京都市)が過去3年間に受けた認知症患者や家族からの約1万件の電話相談のうち、45%が実母の介護を巡る相談だったとの結果を同会がまとめた。
こうした相談者の8割以上を女性が占め、実母の介護で娘が悩むケースが多い実態が浮き彫りとなった。
同会は「『実の娘が母親を介護するのは当然』との風潮があり、周囲のサポートを得にくくなっているのではないか」と分析している。
分析結果は、26日から京都市で始まる「国際アルツハイマー病協会国際会議」で発表する。
同会は2000年から認知症患者やその家族からの電話相談を受け付けており、14~16年に寄せられた1万5件の相談を分析。
この結果、全相談者の84%が女性だった。男性に比べ、女性が介護を負担している傾向にあることが推察される。
相談を要介護者との関係で分類すると、
実母の介護を巡る相談が4498件
(45%)と突出して多かった。
実父が1498件(15%)と続き、肉親の介護だけで約6割を占めた。義理の両親と配偶者はそれぞれ13%。
実母の介護に関する相談者の84%をやはり女性が占め、実母の介護で悩む娘が多いことが明らかになった。
また、相談内容を男女別で分析したところ、単純に話を聞いてほしかったり、家族や親族との関係に悩んでいたりするケースが女性に多いことも判明した。
個別の相談では「兄弟など同居の家族がいるのに、別居している実の娘の自分が、実家に通って介護を担わざるを得ない」と訴えるケースも目立つという。
こうした相談の背景には、不公平な介護分担に不満がありながら、家族や親族に言い出しづらい現状があると考えられる。
家族の会の高見国生・代表理事(73)は「男女が等しく親の介護をできる社会にしなければならないが、男性も相談できずに独りで悩んでいる可能性がある。今後は全国の支部に寄せられた相談内容も分析し、国への要望内容に反映していきたい」と話す。
負担軽減の制度を
立命館大学の斎藤真緒教授(家族社会学)の話 「介護は嫁」の時代が終わりつつあり、実子による介護と夫婦間の介護が現在の主流になっている。
介護を受ける母親は自分が犠牲になって介護してきた世代なので、娘に期待する。娘もそれに応えようとして、精神的に苦しくなっているのではないか。
認知症では、変わっていく母を受け入れることの難しさもあるだろう。介護者の物理的な負担だけでなく、精神的な負担を軽減するための制度づくりが必要だ。