淳の自己満足型批判論 -41ページ目

民法2

さて、民法の超ダイジェスト講義を始めたいと思います。

まず、民法4条の未成年者の法律行為から説明しよう。

未成年者(20才未満)は民法上
「制限行為能力者」という分類として扱われる。

では制限行為能力者とはなにか。

それは、法律行為を単独で完璧になしえない者と解釈してかまわない。

例えば、16才のAくんは携帯電話の契約を締結したい時は、法定代理人(要は親権者)の同意がなければ、後から親権者もしくは本人が契約を取り消す事ができてしまうのだ。


ここでのポイントは、親に無断で法律行為をしても無効ではないということだ。


一応、有効だが後から取り消せるという定義となる。


なので、未成年者が携帯を買いに行くと同意書の提出を命じられますね。

あれは後から契約を取り消されると携帯会社も面倒ですから、あらかじめ書面で同意した事を証拠として確保しているわけです。


ちなみに、民法121条では取消ができる期間は、追認をすることができる時から5年、行為の時から20年となっています。

法律はこういった言い回しが難しいですが、一つ一つ解釈していきましょう。


追認とはなにか。


追認できる時とは、未成年者本人が単独で法律行為を「取り消しません」と言いうる時、すなわち成年になった時を意味する。

もしくは、子供が親に無断で法律行為をした事を親が知った時も、これに該当しますね。

親権者は、子供の法律行為を追認するか取り消すかの権利をもっているので、知った日から5年が経つと時効が成立し、もはや取り消せなくなるわけだ。


また、行為の時から20年とは、取り消せる行為をした事実を知らずに20年経過した事を意味する。


この取消とはそもそも何か。

例えば17才のBが親の同意なしに消費者金融から20万を借りたとしよう


取消とは、法律行為の時に遡って契約を無効にする事である。

今まで有効だったのに、
「取り消しま~す」と言えば契約は当時から無かったものとして扱うわけだ。

よって、未成年者は借りたお金を当時の原状に回復する義務が生じる。

しかし、制限行為能力者は非常に保護されている事が121条に書いてある。

現に利益を受けている限度で返せばよいと。

すなわち、Bは借りた20万をパチンコに使ってしまって現在手持ちは10円しかなかったらどうすんの?


10円だけ返せばOKなんですよ。


現に利益を受けているのは10円ですからね。


ただし、生活費に使ったとか、借金返済にあてたとかの場合は全額返済義務が生じます。


あくまで浪費などによって、そのお金があることが原因で消費したのなら、返済を免れるという規定になっている。

生活費って、別にその借りたお金があるから使うんじゃなくて、必ずかかるものじゃないですか。

この違いに注意ですね。


では、問題です。

たとえば未成年者Aが親に内緒で自動車を買ったとします。代金は100万でした。

しかし、免許とりたてのAはその日に愛車をぶつけてしまい、見るも無惨な車になってしまった。


後日、車を買った事が親にバレて、親が車屋に怒鳴り込み、取消権を行使した。

Aはこの無惨な車をそのまま返し、車屋は100万円をAに返還する義務を負う。

○か×か。














正解は○です。


条文通りですね。現に利益を受けている限度で返還すればよいわけだ。


未成年者は無敵ですね。


なぜこんな条文があるのか?これを研究するのが法律の楽しいところなんですよ。

金の価値に未熟な未成年者と、未成年である事を疑わずにして販売した商売人、どっちを保護すべきかに着目するわけです。




また、取消権を行使した時に相手が「イヤだよ」と言ったら取り消せないのか?という問題が生じるが、
これは一方的な意思表示だけで取り消せます。

民法は一方的な意思表示で効果が生じる権利の事を形成権と呼び、取消権は形成権の典型ですね。


今まで話したのが原則論であり、例外があります。


たとえば、民法5条2項では「単に権利を得、または義務を免れる行為についてはこの限りでない」とあります。

これは、未成年者が他人から負担、対価のない純粋な贈与を受ける行為や、借金の帳消しが該当する。

タダで物をもらう行為に対して親がでてきて取り消すことはできない。また借金をチャラにしてもらった行為に対しても同様、取り消せない。

取り消す利益がないからですね。


また5条3項では小遣いの範囲での法律行為も取り消せないと規定しています。

あとは、幼稚園児や、酔っぱらいなどを
「意思無能力者」と定義し、これらとの契約は無効と解釈されています。


ただし、自分から進んで酔っぱらっといて無効を主張する事は許されません。




制限行為能力者は未成年のほかに

成年被後見人
被保佐人
被補助人
がいますが、割愛します。
イメージとしては呆けた老人の行為を保護する制度で、現在注目されています。


宅建をはじめ法律関係の試験では被補助人を除いた三類系が非常に重要論点です。

それでは。

民法1

民法について話してみよう。


民法とは、私たち人間同士の紛争を解決するために作られた法律である。

殴られたから慰謝料請求したい

貸した金がかえってこない

金を借りる時に不動産を担保にしたい


法的に借用書がない場合はどうなるのか


離婚した相手の親と再婚はできるのか


親が死んだら財産はどれくらい相続できるのか


など、身近な問題を勉強できる。


民法は1000条を越えるマンモス法だが、日本で生きていく以上、最低限必要な知識を紹介していこう。


まず、今回は概要紹介


民法は大きく分けて四つないし五つに分けられる。

民法総則法
民法物権法
民法債権法
民法家族法
だ。


この中で、
物権法は物権、担保物権
債権法は総論、各論。
家族法は親族、相続に
分類できる。

このぶろぐでは総則から話していく。



さて、私もよく法律関係について相談される事が多々あるのだが、とにかく多いのが貸し金関連、離婚問題、相続問題である。
この3点については特に詳しく語るつもりだ。


次回から詳しく見ていくのだが、ここで最低限知っておいてもらいたい用語を羅列する。


債権→人に対して請求する権利のこと

債務→債権者の請求に応じる義務のこと

物権→物を支配する権利のこと

対抗→主張のこと

善意→物事について知らないこと

悪意→物事について知っていること

過失→不注意があること


これくらいは覚えてもらいたい。



実は友人から民法についてブログに書いて欲しいという要望があったので、今回企画させていただきました。


時事の批判についてはしばらくお休みする形になりますが、民法のプチ講義が終わればまた再開します。



では、明日からは民法についてです。


よろしくお願いします。

会社3

株式会社の機関について


さて、会社法を勉強するにいたって「社長」とか「課長」なんて概念はどこの本にも載っていない。


そう、これらは法律用語ではなく、ただ単に会社組織が作った造語なだけなんだ。


この社長にあたるのが会社法上でいう代表取締役(または代表執行役)である。



株式会社には会社の規模に応じて「機関構成」が異なる。



現行会社法上では取締役は最低1人、資本金1円から設立は可能であるが、規模が大きくなれば法による規制は強まっていく。


機関とは会社の経営者組織の形態を意味する事だと捉えてもらっていいだろう。


以前も話したが、株主と経営者は別人格が前提で話をするので注意してほしい。


まず、取締役

業務を執行する人の事である。

世間では専務とか常務にあたる人達ですね。

あくまで役員は経営者であり、給料ではなく株主から許容された範囲で「報酬」が与えられます。

この取締役は株主総会で選任され、選任された取締役の中から代表取締役を選任するのが一般的。


この代表取締役を選任するような、複数の取締役で組織する機関が
取締役会である。

公開会社にはこの取締役会の設置が義務になります


次に監査役

取締役の業務執行を監査し、取締役がまずい事をした時に株主総会にちくる役割を果たす。

取締役会への出席義務があり、取締役の悪事を許さない強い意思が要求されるが、現実は社長に向かって発言できる人は少ないだろう。

取締役会を設置している会社には監査役を置く義務がある。



これらの集まりを
監査役会という。




次に会計参与


会計参与は取締役と一緒に計算書類を作成する権利を有する。
税理士や公認会計士がこの役職に就く。

原則として置く置かないは任意となる。




次に会計監査人。


監査役は内部監査、会計監査人は外部監査を担当するものだと考えていただいていい。

公認会計士が主にこの役員になる。


資本金5億以上、または負債が200億以上の会社に設置が義務になる。


また、委員会設置会社という機関形態もあるのだが、これは複雑なので割愛する。

日本ではあまり使われていない機関であるが、
執行役が存在する会社は委員会設置会社の事である。




世間で言われる
部長、課長、係長は普通の会社員と同じ雇われ人なので、この役員とは全く世界が違うことに注意。



これぐらいの事がわかっていれば、会社組織についてのニュースには対応できるはずである。


最後にまとめると、

小規模の会社には株主という概念はあまりない。

株主が経営をやっているので、ある意味1人で株主総会を開く事も可能である。笑


大規模な会社(例えばトヨタ自動車)は、株主が経営者を選ぶ。

株主に役員が雇われているといった構図でいいだろう。

ここから生まれたのが雇われ社長という言葉だ。


企業関連についていろいろと話してきたが、次回からは身近な民法について豆知識、基礎知識を中心に話していきたい。


少しでも興味をもっていただけたら幸いである。