敵を愛しなさい | からし種と空の鳥

からし種と空の鳥

日本キリスト教団 
西宮聖光教会のブログです。
兵庫県西宮市にある小さな教会です。

今日は水曜日ですので、今週の日曜日の礼拝メッセージをお届けします。

 

 

今週は…「それは無理~」と言いそうになるイエスさまのお言葉を考えてみました。

 

 

「あなたがたは神に愛されている子供として、

神にならう者になりなさい。

また、愛のうちを歩きなさい。」(エペソ5:1.2)

私たちの教会の年間聖句です。

 

 

 

2022.5.15の礼拝メッセージ

「しかし、あなたがたは

敵を愛しなさい」

聖書:ルカによる福音書6章27~36節

(一部だけ載せます)

 

27 しかし、聞いているあなたがたに言う。敵を愛し、憎む者に親切にせよ。

28 のろう者を祝福し、はずかしめる者のために祈れ。

29 あなたの頬を打つ者にはほかの頬をも向けてやり、あなたの上着を奪い取る者には下着をも拒むな。

30 あなたに求める者には与えてやり、あなたの持ち物を奪う者からは取りもどそうとするな。

 

31 人々にしてほしいと、あなたがたの望むことを、人々にもそのとおりにせよ。

32 自分を愛してくれる者を愛したからとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でさえ、自分を愛してくれる者を愛している。…

 

36 あなたがたの父なる神が慈悲深いように、あなたがたも慈悲深い者となれ。

 

 

「敵をゆるす」ことさえ難しいのに、「敵を愛しなさい」という教えは、さらに難しいと思われます。しかし、これがイエスさまの教えてくださった私たちが「しあわせ」に生きるための教えです。

 

 

「敵」とは、何も戦争する相手ばかりではありません。「敵」とは「憎しみを抱く相手」のことです。

 

 

思い当たる節もないのに、誰かに「憎まれて」しまうこともあります。その原因が自分では気づいていなかったり、その人のねたみによるものもあります。

 

 

また、人間の習性が、勝手に「敵」を作りあげてしまうこともあります。

 

 

最初の人間アダムとエバの長男カインは、弟アベルに嫉妬し、神を恨み、腹を立てて弟を殺しました。(創世記4:1~)

 

 

「憎しみ」と「敵意」は、人を暴力的にします。人を傷つけ、奪い、力で抑えつけ、ついには殺人にまで至ります。

 

 

だからイエスさまは、私たちに徹底的に「愛する」こと教えられます。この愛は、人間の自然発生な感情としての「愛(フィリア)」ではなく、主体的に積極的にその人を尊重する愛(アガペー)です。

 

 

 

イエスさまが十字架に架かられたのは、私たちが平和でしあわせに生きるために、すべての「敵」と、私たちの内にもいる「敵」を滅ぼしてくださるためでした。

 

 

イエスさまによって、神さまのどんな悪人をもゆるしてくださる大きな愛と慈しみを知る者は、「敵を愛する」者へと変えられていくのでしょう。

 

 

【黙想・祈り】 

父なる神さま。私たちの自己中心の思いは、常に「敵」を生み出します。あなたに背き、あなたの敵となって過ごしていた私たちを、イエスさまによっておゆるしくださったことを感謝します。どうか、私たちに「敵意」をもたらす悪の力に負けることなく、すべての人と平和に過ごせるようにお守りください。

イエスさまのみ名によって祈ります。アーメン。

 

 

 

ちょっと長いですがおまけです。

よろしければお読みください。コーヒー

 

 

「敵を愛しなさい」…

 

 

いくらイエスさまの教えだと言っても…そんなん、無理や~悲しいショボーン赤ちゃん泣き驚きショックショボーンしょんぼり絶望

 

 

なんだか…ショボンとしてしまいます。

 

 

でも、イエスさまは私たちにできないことをおっしゃることはありません。

 

 

 

そもそも「敵」って、何やねん!?

 

 

 

75年前まで、戦争中は日本中が「鬼畜○○」とか言っていました…イタリアとドイツだけが味方で、他の国をみんな敵に回しちゃた…汗うさぎ

 

 

でも、「敵」って戦争中のことだけではありません。

 

 

「敵」という言葉は、「憎む者」「敵対する者」「反目する者」みたいな意味です…しょんぼり

 

 

思い当たる理由もないのに、誰かに「憎まれて」しまうこともあります。イジメとか、パワハラとか…

 

 

また、誰かを「憎む心」が自分の中に潜んでいるかもしれません。そしたら、自分が相手の人にとっての「敵」です。

 

 

また、「こんな自分キライだ」と、自分自身の中に「敵」がいることもあります。

 

 

 

「敵」を生む「憎しみの心」って、ほんとうに厄介です。そのきっかけの多くは、カインのように「妬み」や「嫉妬」かもしれません。

 

 

 

「オレが認められたいのに」「オレの方が立派なのに」「オレが正しいのに」「アイツが悪いに決まってる」…ナイフ銃爆弾もやもや

 

 

 

「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」(ルカ23:34)

 

 

神さまがお嫌いになる、自分中心の「イヤらしい心」を持ってしまった人間。神さまだって、ホントはそんな人間はきらいなハズです。

 


それなのに、「慈悲深い父なる神さま」は、イエスさまによって、ご自分の「敵」となっているような人間を許してくださいました。

 

 

雲 雲 雲 虹

 

長崎で被爆した医師、永井隆博士が自分の子どもたちに遺書として書いた『いとし子よ』に載せられている言葉をご紹介します。

 

 

「敵が攻め寄せたとき、武器がなかったら、みすみす皆殺しにされてしまうではないか?-という人が多いだろう。

 

…昔はこのあたりの山には狼がたくさんいた。狼は鋭い牙をもっている。それだから人間に滅ぼされてしまった。

 

ところが、ハトは何ひとつ武器を持っていない。そして今に至るまで人間に愛されてたくさん残って空を飛んでいる。

 

いとし子よ。敵も愛しなさい。

愛し愛し愛しぬいて、こちらを憎むすきがないほど愛しなさい。

愛されたら、滅ぼされない。

愛の世界に敵はない。

敵がなければ戦争も起こらないのだよ。」

『いとし子よ』、P208~209、永井隆、サンパウロ、アルバ文庫

 

 

心を覆っている黒雲を突き破って、

神さまの光が射しこみますように!

 

 

どこかで戦争や紛争が起きていると、じわじわとその影響が私たちの暮らしにも及んできます。

 

 

この先、どうなるのかわかりませんが、後の世代に「知らなかった」「仕方なかった」と言い訳をするわけにはいきません。

 

 

平和の道を、模索しながら歩み続けたいと思います。

 

 

 「神に愛されている子供として」、敵を愛する私たちとなることができますように。 シャローム! 

 

 

シャローム!

ヘブライ語で、「平和」「平安」「繁栄」「安寧」などという意味。

よみがえられたイエスさまの第一声も「シャローム」でした!

 

 

  私たちの礼拝は、お互いに

このあいさつをして終わります。

 

ラブラブおねがいニコニコにっこりニコニコほっこりウインクうさぎのぬいぐるみカエルラブラブ