先日、私の母校の国立音楽大学で行われたレオニードゥ・スルコフさんの公開レッスンとミニコンサートを聴いてきました![]()
(バッグが小さくて折りジワがついてしまった
)
3年前に東京で行われた国際オーボエコンクールでスルコフさんの演奏に魅了されて以来、普段どんな練習をされているのか、どんなリードを吹かれているのか、どんな曲をどう演奏されるのか、気になって仕方がなく、スルコフさんのYoutubeやインスタをフォローしチェックするようになった私![]()
なかでもインスタに時々アップされるスルコフさんのリードが変わっていて!!なぜあのような削り方をするのか、ずーっと気になっているんです![]()
ベースはアメリカンのように見えるのですが、スクレープがとても長く、先端(ハートから上)部分も長く、ハートから下は数ミリ幅で帯のように分厚く残してあって、その帯の下はまた薄いけど背骨はしっかりある、という、これまで見たことのない形。
以前アメリカンを吹くアメリカ人とリードを交換したことがあって今も手元にあるのですが、スルコフさんのリードと見比べると似ているようで少し違う。ひとくくりにアメリカンと言っても色々な削り方があると思いますので、ひょっとしたらスルコフさんのリードもスタンダードなアメリカンなのかもしれませんが、私がアメリカンについて無知なためそもそもアメリカンなのかどうかさえ分からず![]()
初めてスルコフさんのリードを見たとき、なんとなく、彼の発音の精度の高さやppの美しさ、音色の多彩さの理由がわかったような気がして、あれほど豊かな表現を可能にするにはこういうリードであの息の入れ方になるんだな、と妙に腑に落ちた感覚になりました。
発音の良さと古楽器のような発音のやわらかさは先端の薄さと長さ故だろうし、その下を帯状に分厚く残して抵抗をつけることでスピードのある息をしっかりと吹き込め、リードが負けることなく芯のある倍音豊かな音色になり、力強い音も出せ、音程もちゃんと支えられるんだろうなと。そしてスクレープ全体を長くすることであれほど繊細なppやレガートが可能になり、多彩な表情の変化がつけられるんだろうなと。
でもこれはただの私の推察でしかなく。
いつかご本人にリードを見せてもらって質問するしかない!!
そんなことを日々思う中で訪れた千差一隅のチャンス![]()
もしコンサートが終わった後に声をかけられそうな雰囲気だったら、スルコフさんにリードを見せてもらおう
✨
そしてこの削り方は彼独自のものなのか、誰かの教えでこうなったのか、どういう理由でこのように削るようになったのかを聞いてみたい!!!
そう意気込んで、終演後を楽しみに、ちょっと緊張しながら過ごしておりました。
が、結局・・・声、かけられず。
学生が主役の場で変にしゃしゃり出て目立つのだけは避けたいという気持ちが勝ってしまい、近づくことすらできませんでした
無念![]()
きっと今後も日本に来てくれるはずなので、次のチャンスに賭けたいとおもいます![]()
願わくば、どこかの楽器店とか音大とか音楽雑誌とかマリゴ社とかが彼のインタビュー記事を出してくれないかな・・・
今後どんどんありそうな気もしますが![]()
その際にはぜひとも彼のリードについて大解明してほしいです
(他力本願
)
前置きが長くなりました![]()
話を戻しまして・・・
公開レッスンはMozartのオーボエ協奏曲の1楽章と2楽章それぞれ冒頭から途中まででした。
一体どんな魔法みたいなレッスンが行われるのかと興味津々・ワクワクMAX
だったのですが、意外にも受講生の演奏に対して思うこと、そしてその改善の仕方は私とほぼ変わらないものでした。
"ほぼ変わらない"というのはかなりおこがましいですが
さらにおこがましいのを承知で申しますと・・・
3年前の国際オーボエコンクールで聴衆賞を彼に入れようと決めたのは、繊細で緻密な彼の演奏に感動したのと同時に「やっぱりそうだよね!そう吹くよね!」とすごく納得したから。自分の中にある「こう吹きたい!」という理想を叶えてもらったような演奏でした。
(その時のブログはこちら↓)
その感覚はレッスンでも同じで、目から鱗!とか、魔法みたい!というよりは「うんうん。そうだよね!」「私もそうしてる!」という納得と共感が多かったです。
考え方や方法はそれほど変わらないのになんでこんなに違うんじゃぁぁぁぁぁ![]()
と叫びたくなる気持ちは一旦置いといて![]()
これまで自分自身がレッスンを受けたり聴講したり人の演奏を聴いたりしてたくさんの方から吸収してきた解釈や表現、演奏技術、練習の仕方といったものはちゃんと私の中に蓄積されていて、スルコフさんとだってほとんど変わらない!!ならそれを表に出せるようにリードと演奏技術と表現力をもっと磨けばいいんだ![]()
と良くも悪くもスーパーポジティブシンキングが開花しました![]()
(たったひとコマレッスンを聴講しただけで
)
楽しみにしていたスルコフさんのミニコンサートはとにかく表現力が豊かで、なにがあろうとも音楽が揺らぐこと(集中を欠く、心が折れるなど
)がなく、素晴らしかったです。
特にアーノルドは「こう吹いてほしい!」という期待の何倍も柔らかいところは柔らかく、リラックスするところはリラックスして、鳴ってほしいところはすごく鳴って…無限の表現力とイントネーションのメリハリが気持ちよかったです![]()
今回のミニコンサートは近距離で聴けることも楽しみのひとつでした。
国際オーボエコンクールのときは距離もあったしホールの響きもあってなんでもすんなりクールに吹きこなす天才に見えた彼ですが、近距離で、より生音に近い環境で聞けたことで、人間らしいと言ったらおかしいですが、吹きにくそうだなとか、そこ嫌だよね、難しいよねというのもチラッと垣間見えたりして、彼も私たちと同じように闘うんだな、やっぱりオーボエだよな、とちょっと親近感がわきました![]()
とは言え、ちょっとしたことに出る差は大きく。
26歳の若さでこれほどのレベルに達するにはどれだけ地道に丁寧に毎日コツコツ積み重ねつづけてきたか。そしてそれを音楽として人前であますことなく表現できるすごさ。
改めて感動するとともに、私はまだまだ全然足りないなと思ってしまいました。
いや、私の中にも積み重ねてきたものがちゃんとあると気づかせてもらったばかりじゃないか。ならばそれらを思い通り表に出せるよう努力するのみじゃー!!(言うは易し
)
スルコフさんが先月から教授をつとめるバーゼル音楽院は、私の大学時代の師匠、小林裕先生の母校です。そんなご縁?があったり、私も彼と同じマリゴ901ユーザーだったり、それからまだ解明できていない彼のリードの謎もあり…私にとってこの先も気になる存在でありつづけること間違いなしのスルコフさん
なにより彼の演奏が好き!!
今後彼の演奏を生で聴ける機会が増えるであろうことがなによりも楽しみです![]()
私も頑張るっっ!!!
スルコフさんのことにふれたこちらのブログもよろしければご覧ください。
大下裕子ホームページはこちら![]()








