生まれ故郷のヨークシャー東部の自然を描いた作品群
7章:春の到来、イースト・ヨークシャー
ホックニーは、2011年頃から
近年の集大成というべき故郷
ヨークシャー東部の自然を描いた
大型絵画のシリーズを発表する。
冬の終わりから夏の始まりまでの
自然の移り変わりを油彩とiPadで
描いた。
春の到来、イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年
・2011 ポンピドゥー・センター蔵
8章:ノルマンディーの12か月
その後、2019年にはフランスの
ノルマンディーに拠点を移したが
世界はコロナ禍に重く沈み出す。
自宅周辺のごく普通の風景を描くー2
ホックニーは、そんな世界が消沈
する中、静かに周辺の自然や季節
の移ろいを見つめ続けた。
家の辺り(夏) 2019 作家蔵
そして春から夏、秋から冬へと
全長90メートルを超える大作を
生み出した。
ノルマンディーの12か月ー1
ノルマンディーの12か月ー2
ノルマンディーの12か月ー3
ノルマンディーの12か月ー4(2020〜21)
全長90メートルの中に春夏秋冬を描いた大作
この一連の最新作を含め、
ホックニーという現代を生きる
画家は、その作品を通して
私たちにごく普通の日常や周辺の
自然の大切さを伝えている。
2021年6月10日-22日、池の睡蓮と鉢植えの花 2021 作家蔵
初めて出会った画家の作品で、
ここまで心に突き刺さるとは
思ってもいなかった。
芸術家の肖像画―プールと2人の人物 1972
余談だが、ホックニーの1972年の作品(上)が、
2018年11月にクリスティーズ・ニューヨークで
行われたオークションで9031万2500ドル
(約102億4459万円)で落札された。
現存作家による最高落札価格は、今なお破られていない。
デイヴィッド・ホックニー展(了)