4章:肖像画
ここでは60年代末より制作を
始めた、二人の人物で画面を構成
した「ダブル・ポートレート」
シリーズが展示されていた。
クラーク夫妻とパーシー 1970-71 テート蔵
中でも代表的な作品が、
ホックニーの友人でもある
「クラーク夫妻とパーシー」を
描いたもの。
(パーシーとは、白い飼い猫の名前)
この画は、古典的な絵画手法の一つ、一点透視図法に
回帰した作品。夫妻の目は観賞者に向けられ、逆に
飼い猫の視線は一点透視の先である外を見つめている。
両親 1977 テート蔵
ホックニーが両親を描いた作品で、
右の父親は一心不乱に本を読み、
母親は真っ直ぐこちらを見つめる
父とは正反対に、母親の目は息子であるホックニーに
向けられている。それは愛情なのか、それとも…
(額に入った)花を見る 2022 作家蔵
上の図は一見、シュールのようで
あり、コラージュ手法を取り入れ
た自画像。
よく見ると、額の中の花と花瓶の光と陰は明らかに
多重視点で描かれたもの。(原画を観ないとよく分からない)