前回に引き続き、「統合失調症患者の回復過程と社会復帰について」より「若干の原則的な提言」について触れてみたいと思います。
前々回のブログで、サリヴァンさんの「辺縁的身体感覚の意識化」について書かせていただきました。
これは「患者の協力を期待できるもの」という事で、あと二つあります。
第二の「患者の協力を期待できるもの」は、
『辺縁に位置する思考の意識(言語)化』
だそうです。
これはどういうことかというと、中井先生の言葉で、
『外泊にせよ就職にせよ結婚にせよ、意識的には歓迎してるのにかすかにいやな感じが漂い、当日が迫るとその気持ちが強まるならば、この感じに聴従する方がよい。』
と書かれています。
われわれの支援の中で、特に長期の入院から退院される時に、このような場面がよくあるのを感じております。
マリッジブルーなんかもそうなんでしょうかね。
とにかく気持ちを聴くこと…
中井先生は、
『辺縁的身体感覚の意識に続いて、生活してゆく上で信頼できる第二のヘッドライトである。』
と表現されています。
良いこともストレス度が高く出ることもあるように、われわれが良い、本人も良いと思うことも、本人にとって過去に苦い経験があったりするかと思います。
そういったことを言語化することで、
「話す」は「放す」
になってゆくのでしょうか…
また
「聴く」は「効く」
ということに繋がると信じたいです。